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脱マトリックス!理論と実践2021 (vol.26):体と感情・意識⑩〜喉と言霊

執筆:いち あまね


この時代の人類の進化の方向性として、はっきりとこの世界の仕組みを理解した上で、マトリックス空間を抜け出し、自分を超え、人間を超え、無限の可能性を発揮するクリエイターとして生きること。

そのための情報をお伝えしていきます。

身体の観察を通して、自分自身の感情や潜在意識のプログラムの発見のヒントとなるように、身体の各部分と関連しやすい感情や潜在意識についてご紹介しています。

今回は、言霊の発信にも関わる「喉」。この身体を言霊が響く楽器にできるかどうかには、音源の発声装置である喉のコンディションがとても重要です。

アウトプットすべき感情や言葉を溜め込んでしまうと、息が詰まってしまいます。

喉の生理的な機能と役割

喉元にある臓器のうち、呼吸器に繋がり、空気や音の通り道を「喉頭(こうとう)」と言います。食道・胃に繋がる食べ物の通り道は「咽頭(いんとう)」と言います。咽頭は、嚥下機能。喉頭は、呼吸機能と発声機能を担います。

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1.呼吸機能
喉頭は、空気の振動により発生をする「声帯」を中心とする器官です。声帯の間・声門は文字通り「門」のようになっており、左右に開閉式になっています。呼吸時にはこの門がオープンになり、空気が行き来します。

呼吸は、生命維持にとって不可欠なだけでなく、発声の源でもあります。

2.発声機能:音源を生み出す
発声する時、意外なことに、声門は閉じています。肺からの呼気が、゙閉じた左右の声門を通り抜けていくとき、 「声帯振動」が起こって「声」が作られます。この時、声帯そのものが弦のように震えるわけではありません。

左右の声門を呼気が通り抜けていく時、 内方に声帯を引き込む力と弾性のために声帯は閉じます。しかし、次に来る 肺からの呼気の圧力によって閉じた声門が゙押し開けられます。

この時に、高速で声門の開閉運動が起こっています。これが「声帯振動」です。声帯振動によって、声門のすぐ上のところで空気の密度に濃淡ができ、これが周りの空気を振動させ音波が発生します。つまり、声帯では、声を出すための「音源」が生まれます。

これだけでは、言語にはなりません。これに、唇や舌の動き、口の中のスペースの調整など、絶妙な調整を加えて、言葉を生み出す「構音(調音)」が可能になるわけです。

さらに、肺や体全体を装置として使うことで、身体は言霊を響かせる一つの楽器となります。その元となる音源を生み出すのが声帯の役割なので、責任重大というわけです。

3.美しい発声のためには?
声の高さは、一秒間に何回声帯が振動するかによって決まります。振動数が多いと、声が高くなります。また、出てくる音波の振幅によって強さが決定します。音波の形や雑音の混ざり方によって声の音色が左右されます。

声帯が規則的に振動して美しい発声をするには、左右の声帯が十分中央に寄ること、そして、声帯が柔らかく弾力に富むこと、声門が滑らかで湿っていることが重要になります。

この声帯を支配する神経は、延髄から発生する迷走神経の枝である「反回神経」と呼ばれる神経です。手術や腫瘍によってこの神経が障害されると、発声が上手にできなくなります。

4.ストレスや心身のフリーズで発声ができなくなる
新しい自律神経の進化論を唱える「ポリヴェーガル理論」によると、声帯を支配する神経を含む「腹側迷走神経複合体」は、哺乳類以降の動物において、社会的なコミュニケーションのために発達した神経とされています。

人間の心の状態は、この神経を通じて、声のトーンや抑揚、強さなどを通して発声を通して外側の世界に伝達されます。それに、表情や目の動きなども連動して、他者とのコミュニケーションを図っています。

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人間が、他人とリラックスしてコミュニケーションをするためには、信頼と安心が担保され、腹側迷走神経複合体が十分に機能していることが不可欠です。これが脅かされると、発声にも異常が起こります。

ストレスによってこれが脅かされる状態、さらに危機的状況の持続によって心身のフリーズ状態(凍り付き・解離モード)になると、人は豊かな表情を失い、自分の思いや考えを表現する発声ができなくなり、内に籠るようになります。現代に多い「引きこもり」は、まさにこのフリーズ状態にあたります。

潜在的に、根源的な愛と信頼、安心を感じられない状態では、腹側迷走神経複合体が十分に機能できなくなり、発声に関わる神経のスムーズな働きが失われ、美しい発声ができなくなってしまいます。

喉頭の感情と意識、テーマ

◎喉頭
 ・自己表現
 ・コミュニケーション

1.自己を安全に表現する
自己表現は、安全と安心が担保されないと行うことができません。自分を表現する時に、誰かから攻撃されたり、批判されたりする状況が続くと、自我が脅かされて危険であると判断するために、人は自己表現をやめて言葉を飲み込むようになります。

言いたいことが言えない。素直に自分の考えや感情を表現できないという人は多いと思います。特に、日本人は、アメリカのように「自己主張」「自己表現」が良しとされず、「協調性を持ちなさい」「他人と同じでいなさい」という個性を殺す幼少期の教育を受けていることが多く、自分の個性を自由に表現することを叱られたり批判されたりします。

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そのため、潜在的に「自己表現は危険だ」という判断から、日本人は腹側迷走神経複合体の機能が妨げられている人が多いようです。そうすると、スムーズな連携によって発声ができなくなるため、声も小さく言葉が出づらくなります。

自由な自己表現は、安全だ。自由に自己表現しても、自分は受け入れられ、愛されるという安心感が必要になります。

2.コミュニケーション
言葉によるコミュニケーションは、社会生活において不可欠になります。自由な自己表現を前提に他人と接することができないと、他人と接する際に常に自分を押し殺しておく必要があるため、無意識に喉の筋肉に緊張が起こります。

自己の感情や考えを押しとどめようとする時、奥歯をぐっと噛み締め、喉に力を入れるようになります。

愛と信頼が担保されたコミュニケーションでは、喉が十分に開いて声も大きくなり、腹の底から笑い、感情や考えを自由に表現できるようになります。そのためには、やはり、自己の存在の自由と尊厳、そして生命が脅かされていないという安心感が必要です。

感情解放を通して、自我のトラウマや記憶がリリースできて初めて、脳幹レベルで生命がありのまま発揮され、自律神経が適切に働き、腹側迷走神経複合体も機能することができるようになります。

言霊が響く楽器としての身体性を発揮するためにも、感情解放はファーストステップになります。

(つづく)


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【いち あまね プロフィール】
医師・認定産業医・文筆家
米国IBA認定・ボディトークプラクティショナー
国立大学医学部医学科卒

出口王仁三郎が霊山として、邸宅を構えた岡山県熊山遺跡の麓に生まれる。
某大学病院糖尿病代謝内分泌科を経て、臨床医として最新のバイオロジカル医療・予防医療から在宅・看取り医療まで幅広く臨床経験を積みながら、個々の病気の根本原因やより良き生と死に向き合ってきた。
究極のヘルスケアは、人類の進化であると捉え、最新の分子整合栄養療法・バイオロジカル医療から常在細菌学、生命科学、意識科学、理論数学、物理学、哲学などを統合した視点で、医療とヘルスケアの次元上昇を目指している。
薬を処方する代わりに、情報空間へのアプローチとして、情報を処方することを天職と捉え、書籍やメディアなどで情報を発信している。




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