【コンコルドよりはるかに速く】新たな極超音速機が星を見上げるぞ

最近はとんと聴かなくなったけれど、うちの空をジェット機の爆音がかけていくのはしばらく見られないんだろうか。まあ、どこかで演習はしているだろうから、ジェット機自体は飛んでいるはずだろうけれど。

昔、映画トップガンが大いに人気があって、ジェット戦闘機が自分の中でブームになっていた。イーグルやトムキャットが特に好きだった。

ジェット機と言えば、音速に達するコンコルドがあって、何かの図鑑でよく見かけていたけれど、先端部分がクキッと下に曲がっているのがなんとも愛らしいと思い、そのチャームポイントと対比するように最高速をたたき出す飛んでも飛行機という認識だった。

時は過ぎて、コンコルドの姿をメディアでも見かけなくなったなと気がついたのはどれくらい経ったのか。何かの折に調べてみたら、営業飛行を終了していた。

速く飛べる代わりにものすごく燃費が悪かったということと、2000年には墜落事故を起こし、その翌年はアメリカ同時多発テロによる航空需要全体が低迷することになり収益を望めなくなってしまったのが経緯だとのこと。

こうして、最速を誇る超音速旅客機は望まぬ形で退役した。その後は新たな超音速機の開発はしばらくなかったように思えたが。


アメリカ、テキサス州に拠点を置く「ヴィナス エアロスペース」社は回転デトネーションエンジン技術を駆使し、極超音速旅客機「スターゲイザー」を開発を進めている。

ヴィナスエアロスペース社が制作しているのは音速の9倍のマッハ9で移動し、約12人の乗客を乗せることができる極超音速航空機で長さ150フィート、幅100フィートの旅客機「スターゲイザー」は高度17万フィートで時速6905マイル(約11112.52キロメートル)で飛行し、世界の2都市間を移動する。なんと東京-NYを1時間で到着する。

かつての最後の商業用超音速ジェット機であるコンコルドは、マッハ2で飛行していた。史上最速の航空機、ロッキード社のSR-71「ブラックバード」はマッハ3.2(時速3950.94メートル)だった。

ヴィナスエアロスペース社はこのロータリーデトネーションエンジンでスターゲイザーをSFから現実にすることを計画している。同社の映像は、ロータリーデトネーションは、超音速燃焼がエンジン内部で連続的に起こることを意味しており、超音速でエンジンの周りを移動する起爆波を示している。

アメリカ海軍が推進しているロータリーデトネーションエンジンは従来のエンジンに比べて、燃料の燃焼量が20%少ない。その技術はテストにも成功していた。しかし、今回のヴィナス社のテストは室温で保存可能な推進剤を使用した初めてのもの。このエンジンが航空機用として現実的なものになることが期待されている。

水平線が曲線に見える高さまで飛び上がる旅客機。同じような旅客機を宇宙企業シエラスペースは「ドリームチェイサー」を、ヘルメス社は「クォーターホース」を開発している。また、中国の凌空天行(スペース・トランスポーテーション)社は時速7000キロで飛行し、ニューヨークから北京まで1時間で12人を運ぶジェット機を開発しているという。

世界はまだまだ早さを求めているようだ。いずれは宇宙ステーションにも気軽に行けるようになって、いつかは月面を行き交う旅客機もできるんだろう。さて、長生きしてみようかな。


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