宇宙空間に紙ヒコーキを
プロジェクト責任者の戸田拓夫さんは工業高校から独学で早稲田大学に進学。
無理がたたって体調を崩した下宿の天井に紙ヒコーキをつるす日々を送る。
その数百機の紙ヒコーキを眺めていたら、天井の木目が銀河系に見えてきた。
ふと、折り紙ヒコーキは宇宙空間から地上に降り立つことができるだろうかと考える。
大気圏突入の空気摩擦で紙は燃えてしまうのでは。
しかし、大気圏というのはあるばしょから高密度の空気があるわけじゃないと考えた。
紙のヒコーキが宇宙空間らか地球に向けてゆっくりと放たれると空気の薄いところからゆっくりと降りていき大気圏に入っていくのではないか。
そこで、空気の薄いところで減速するために立体型の折り紙ヒコーキを造る。
しかし、この紙ヒコーキがどうなるか、科学系の識者に話してもまともに考えてくれなかったという。
ところが東大航空宇宙工学科の鈴木真二教授だけが数ヶ月もかけてシミュレーションをしてくれた。
結果は十分に可能性があるという。企画をJAXAに持ち込んだのが2007年。
2019年7月。紙ヒコーキを搭載したロケットが発射された。
ロケットは高度1万メートルを過ぎたところでコントロール不能になって落下。
そして今年、もう一度このプロジェクトが再始動した。
紙ヒコーキはわずかな空気の波で揚力を得て滑空するもの。自分もオリガミで作った紙ヒコーキも数知れず。様々な形に折って、たくさん試したけれど、宇宙に飛ばそうとは考えもしなかった。
紙ヒコーキには超小型カメラ、通信機器、太陽光で蓄電できるバッテリー、遠隔操縦の開発、すべてくわえて、3gの機体を開発するという。
とことん軽い通信機器を用意するのがとても大変ではないかと思うけれども、重量の軽い機体は摩擦熱に焼かれないのか、とても気になる。
この仮説が証明されれば、紙ヒコーキに限らずとも、摩擦熱の影響を限りなく抑えた何かを作る可能性が見えてくるわけだ。
この研究ライブでやってくれないかな、ニコ生当たりで。
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