犯罪者を特定する法医学の新しい手法。「除外」することでコストを下げる。

仕事先でテレビドラマが流れていたりするんだけれど、大体が「相棒」とか「科捜研の女」だったりして、シリーズがすごく多いけれど、毎日のように流しているから、覚えのあるエピソードに出会うことがたまにある。

科捜研の女ではみんなで力を合わせて、証拠の特定をしていくんだけれど、防犯カメラの映像で画像解析するとか、証拠になりそうな土の成分から、どこの土かを特定するなど。

実際、土の成分といっても、よっぽど範囲が狭くない地域でないと場所の特定が難しいと思うわけで。

というのは、例えば、犯行現場が河原で、容疑者の靴に付着していた河原の砂利を特定できたとしても、実際には犯行現場よりも数キロメートル先にいた場合は、立証するのが難しいわけで。数キロメートルに及ぶ河原に犯行現場と容疑者が同じポイントにいたという証明するには、十分な証拠にならない。


オーストラリア地球科学機関のパトリス・デ・カリタ博士が考案したものは、フーリエ変換赤外分光法、蛍光X線分析、磁化率、質量分析などのさまざまな分析機器を使用して、機器、衣類、車に見つかった土やほこりの化学分析を行い、犯罪者の動きを特定する方法を開発。

この方法は1キロ平方メートルのブロックごとに様々なサンプルを入手しておき、手に入ったサンプルから、どこに行かなかったかを「除外」する。

この精度は60%程度の除外ができるとして、犯人の足取りを追う場合にどこに行かなかったかを特定することで捜査範囲を絞ることによるコストの削減や解決の速度を速めることが期待できる。

とはいえ、この捜査には膨大なデータが必要になるわけだし、その区画で構成が変わるような何かが起きたら、その都度データを刷新しなくてはいけないから、実に苦労の多い方法ではある。

それでも、犯罪捜査というのは足で稼ぐという格言もあるわけで、身代金の現金の番号を控えたりだとか、爆弾に使われた新聞の切れ端から、地域を特定したりとか、わずかな手がかりを見つけるために計り知れない労力がある。

この方法はデータの確保が大変だろうけれど、マンパワーの節約にはなるだろう。望遠鏡で惑星の成分を特定できるんだから、地球の地表の詳細な成分マップなんかも、テクノロジーでホイホイとできるんじゃないかなと雑に考えてしまう。

この方法でポケモンGOみたいにフィールドワークにつなげるゲームなんか作れそうな。



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