見出し画像

引越しも悪くない

いまの住処を気に入っている。
自転車があればスーパーも4つくらいひょいと買い物に行けるし、こどもの学校も徒歩圏内。日常やこどもの話を話せる友人もいる。都会に出るアクセスも悪くなければ、休日に海や山に足を延ばすにもできて、治安も割といい。
賃貸のおうちには小さな庭があり、趣味の多肉植物もたくさん育てている。
いつかは戸建ての家に暮らしたいなという夢を持っていたけど、いまの賃貸に住んでからはここでしばらく暮らすのもいいなと思いなおした。


しかし社会生活上、引越し発生がちらつく時期がある。転勤である。
かつてはそれをとても恐れていた。安住の地を見つけるのはたやすいことではないし、治安や環境が良くても隣人に恵まれるとも限らない。何より私は今のこの住処をとっても気に入っているのだ。

それでも、近頃の私は引越しに前向きである。
だって西に行っても東に居続けても、そのどちらにも宝塚劇場があるから。

宝塚歌劇団と出会って沼落ちし、毎月何かしら、観劇にでかけるようになった。いまの私は人生楽しみ選手権においてかなり強キャラだ。

宝塚歌劇団の持つ自前の劇場である東京か兵庫へ、小一時間とちょっとでアクセスできる場所に居を構えさえすれば、一生ワクワクして生活できるパッケージに人生がアップデートされた。

いやいや、とはいえお金かかるんでしょ?と思うのは当然だが、宝塚は上は12500円から下は1500円までジェットコースターのような高低差のある座席設定を用意しているのである。

ちなみに東京宝塚大劇場の席種別価格はこちら
SS席 12,500円 /
S席 9,500円 /
A席 5,500円 /
B席 3,500円 /
BB席 2500円 /(2階最後列)
立ち見1500円 /

一通りあらゆる席で観劇してみた身としては、立ち見1500円のバグはひどいと思う。とんでもねぇ。3時間がっぽり非日常の世界へ誘ってくれ、劇場を後にしてもそのキラキラパワーの余韻で解けない魔法を胸に秘めたまま日常生活をおくる処方箋を得るのに、1500円とは!ユニクロでTシャツを買うより安い。
ただし、チケットが取れるかどうかとなるとまた話は別でありますが。

こちら⇩は初めて立ち見してみたときのnote

宝塚沼からはじめたSNSのおかげで、オンライン上とはいえ関西にも、なんならもはやどこに住んでいるのかもわからないお友達があちこちにいるような気持ちも心強い。

さらに、今は私の実家のある東海圏まで2時間以上の地にすんでいるが、関西圏であれば東海圏へのアクセス時間も半分である。新幹線以外に近鉄や高速で駆け付ける選択肢も広がる。

わたしの兄弟も関西に居を構えているし、関西出身の夫の実家とも関係は良好(多分)。実の親なら、70を超えて生活が何かと心配な両親と、条件さえそろえば一緒に住むのも悪くないかなぁ、むしろ安心だなぁ、なんてよぎったりする。(ただしそんなに宝塚いくの!?と絶対忠告が入ると思われるので、その件にはだいぶ慎重になるべきである)

振り返ってみれば、転居を心待ちにされているかのようなおぜん立てである。

西か東の劇場へアクセスさえ可能であれば、非日常の3時間が日々を彩ってくれる。宝塚の世界、観劇のある生活に足を踏み入れてみるまでは、日々の楽しみ方、自分の鼓舞のさせ方を見つけられていなかった。
そんな私が人生半ばにして宝塚に出会い、この気づきを得た事は本当にラッキーだったな、と思っている。

そんなわけで、昔は絶対に引越しなんてしたくないとおもっていたわたしだが、今はそんな流れになっても動揺は少なく済みそうだ。
いつなんどき「その時」がくるかはわからない。その時に備えて、よさそうな地を探しておこう。かの劇場へ、好アクセスの地を。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?