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サッカー特有の傷害を予測するためスクリーニング検査は?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

一般的なサッカー傷害のスクリーニングツールとその危険因子に関するシステマティックレビュー

Raphael C et al.: Systematic review of screening tools for common soccer injuries and their risk factors, S Afr J Physiother. 2021 Feb 12;77(1):1496

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景・目的] 臨床現場で傷害を予測するためのスクリーニングツールがいくつか利用可能である。しかし,サッカー特有の傷害を予測するためのこれらのツールの精度については,エビデンスが不足している。このシステマティックな文献レビューの目的は,一般的なサッカー傷害に対するスクリーニングツールの心理測定特性や精度を明らかにすることである。
[方法] Joanna Briggs Institute(JBI)のシステマティックレビューの実施手順に基づいて、診断テストの精度に関するシステマティックレビューを実施した。SPORT Discus,CINAHL,Medline,Science Direct,PubMedなどのデータベースを検索し,適切な研究にアクセスした。
[結果] 合計10件の研究が分析対象となり、3件は定量的に分析され、残りの7件は定性的に分析された。スクリーニングツールは高い信頼性を持ち,感度と特異性(クラス内相関係数[ICC]としてそれぞれ0.68 95%信頼区間[CI]:0.52-0.84,0.64 95% CI:0.61-0.66と算出)を示した。
[結論] このシステマティックレビューで評価された一般的なサッカー傷害を予測するスクリーニングツールには、Functional Movement Screening (FMS™)、Landing Error Scoring System (LESS)、Tuck Jump Assessment、Soccer Injury Movement Screening (SIMS)、従来のハムストリングスと大腿四頭筋の比率などがあり、いずれも一般的なサッカー傷害を予測する良好なエビデンスを持っていた。これらのツールは感度と特異度が高く、サッカーのスクリーニングに適している。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

FMSは元々傷害を予測する検査でなく、近年では否定的な研究も多かったが、この最新のシステマティックレビューでサッカーにおいては傷害を予測するツールとして有効であることが示されたことは興味深い。

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