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男女で感想が別れる可能性大『バービー』(2023年)感想

★2.5/5(劇場にて鑑賞)


再現度高過ぎ!

「リカちゃん人形の外国版的な?」くらいの認識しか持ち合わせておらず恐縮ですが、バービーの再現度がとても高い。朝食を摂るフリだとか、明らかに縮尺のおかしい道具や建物の数々、カチカチのビーチ等々もの凄いクオリティ。製作陣の気合を感じた。

コメディセンス抜群

イかれたバービーランドあり、ブラックジョークありでコメディセンス抜群。ニヤリとしてしまう演出ばかりで、観ていて本当に楽しい。製造元のマテル社も黒歴史認定した妊婦バービーやビデオバービー、コロコロとフンを撒き散らす犬など珍品のオンパレード。しかも、エンドロールでそれらをまた紹介するという丁寧さ…。素晴らしい。ナレーションも、皮肉っぽくてとても良かった。

覚醒するケン

ケンが現実世界を通して覚醒するくだりが良かった。そもそも、虐げられた者達が立ち上がるというシチュエーションが、胸熱な訳ですよ。良くも悪くも素直なケンのキャラが良かったですね。モジョ・ドージョー・カサ・ハウス…もといバービーハウスにて気持ちを吐露するシーンが印象的。格好つけたい故に無理しちゃうんですよね。40代のライアン・ゴズリングでは年上過ぎるという意見もあったそうですが、流石です。かえって『ラ・ラ・ランド』が観たくなった笑。

ケンのラスト

そんなケンの革命ですが、バービー達と人間親子の戦略によって収束します。要するにケン達を仲違いさせて、その隙に憲法を戻すということなのですが、そのやり方が妙にリアルで、「男って単純な手に引っかかるんだなぁ」と謎に共感した笑。映画的には、ケン達がアイデンティティを確立して、バービー達もそれを認めましたよ、といった形でまとまる。決して悪くないまとめ方だと思いますが、結局ケン達の生活がバービーランドでどう改善されたのか具体的に描かれず、やや消化不良。とはいえ、「男性は女性のおまけではない」「型(ケンの場合、サーファーや恋人という設定・役割)に縛られず好きに生きていい」というケンのメッセージは、なかなかグッド。

バービーのラスト

告白します。正直観終わった後はよくわからなかった笑。ただ、観てから時間が経ち理解できるようになった。恐らく、「老いや死を含め、時の流れを受け入れよ」ということなのかなと。だからこそ、バービーの発案者であるおばあちゃんがラストに登場するし、人間の成長記録がビジョンとして流れたのではないかと思う。死を考えたりセルライトができたりする「異変」や人間親子、度々登場するおばあちゃん等は、このメッセージに向けた布石だったのかな。そう思うと、やはりよくできてる。

モヤっと感

ただし、あくまで男目線で鑑賞するなら、スッキリしない感はある!バービーとケンではやはり映画内での比重が違うのではないかとか、男がネタ的に扱われるのが観ていて面白くないとか、色々あると思う。前者に関して言えば、タイトルの通り主人公はバービーなので仕方ない面もあるが、なんだかモヤっと…。後者については、言わずもがな。
元も子もない話ではありますが、やはり男VS女という今時かつ攻めた構図が、こうしたモヤモヤを生み出しているのではと思うのでした。

以上

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