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アマゾンプライムデーにみる人の行動原理(行動経済学・損失回避)

オンライン小売り最大手アマゾンのプライム会員向けセール「プライムデー」初日の15日、インターネット上で「アマゾン・プライムの退会」という検索が前日の18倍に急増というニュースがありました。これが示唆するのは、買い物客はアマゾンに長期間コミットするんじゃなくて、割安な商品を手に入れたいと考えているとニュースでは分析されています。確かにこまめに販売サイトを渡り歩く人は増えたかもと思います。ネット販売によってお得な情報を比較して安いところを探す喜びは、人に強い快楽を作りそうです。

人には「現状維持バイアス」という、新しい事よりも現状維持をしようとする思考の偏りがあります。現場から新しいことをすると得になるのはわかっているのに、変化することに違和感と不安を持って現状を維持しようとする思いです。携帯やプロバイダーは一度契約してしまうとも他社のが安いとわかっても簡単に乗り換えられないのはそのせいです。企業側もそうした人の行動原理を研究しているので、安価でも(仮に利益が最初は得られなくても)会員登録をさせてしまおうと出血大サービスの戦略をとりがちです。

確かにこのバイアスはありそうですね。15日の初日に急に増えたというところから私は「不安感」を見ます。安いところを乗り換えたい思いよりも、プライム会員の30日間の無料体験で辞めないとという強い思いがあるのではという仮説を強く持ちます。この背景にあるのは人の損をしたくないという「損失回避性」です。年々、人の損失回避性は高まっているように感じます。損失回避は経済活動ではなく選挙や人間関係でも変化をもたらしています。もちろん現状維持バイアスにも損失回避性は影響を与えています。

ちなみにポーポーも以前一度契約しましたが、無料期間の間に解約してしまいました。動画が見られて少し後ろ髪をひかれる思い出してが、一度、スルーしてしまうと多分やめるタイミングを失ってしまいそうだと感じたからです。


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