船を編む

読了。

文章がなめらかで、優しさが滲み出てて、やわらかく包み込んでくれるような小説でした。
辞書を作る人たちが主人公だからちょいちょい難しい?表現も出てくるのだけど、とても読みやすかったです。

たぶん私の好みなんだけど、小説に関しては、表現が過激なものよりやわらかくてすーっと浸透してくるような文章が好きです。

って今書いててなんだけど、私の今の心理状態もちょっと関係してるのかなって思ったり。(笑)
もしかしたら癒しを求めてる時期なのかも。(笑)

これを読んでて改めて感じたのは日本語の素敵さ。
もともと大和言葉はかなり好きで、「いろはにほへと...」の柔らかさと口当たりの良さなんかが大好きなのだけど
言葉を紡ぐことや、言葉があるおかげで人は人であれるんだ、ってゆうのを改めて感じられました。
言葉に丁寧に向き合うこと、すなわち、何をどのように表現しようとするか、伝えようとするか。すべて“言葉”があってこそ成し遂げられること。

『大渡海』が、人を導く。言葉が、人を導く。

その志を胸に、辞書作りに熱く取り組む登場人物たちもとても魅力的でした。
私はまじめさんももちろんだけど、特に、西岡さんを応援したくなっちゃったな。(笑)
ついついまじめさんをフォローしちゃうお人好しな感じ。で、そんなお人好しな自分に戸惑って、でも最終的には自分自身で判断をくだして、潔く決心して、辞書編集部を去っていく。
最後、あとがきに自分の名前が載ってた嬉しさを押さえられずに、まじめさんに確認しちゃうとこも愛しかったです。(笑)

早く寝たいから、とりあえずこれだけだけど、この小説は久しぶりにヒットだからもう少し丁寧に向き合いたいな。

とりいそぎ、ちょっとした感想でした。

※ちょっと思ったこと
辞書の紙の“滑り感”にすごく作中では拘られていたのだけど、もしやこの文庫本も...?!なーんて考えて一人でちょっと感動してました。(笑)

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