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何故、インフレになったのか? -PLとインフレ-

何故、インフレになったのか? -PLとインフレ-

PL、損益計算書とは何でしょうか?何故、各社のPLが陰に陽に繋がっていて、ヨーロッパでのエネルギー問題に端を発するインフレが日本でも広がったのでしょうか?

損益計算書は主に企業での金の出と入りを管理するもので、一番上に売上、次に原材料や協力会社などのコスト、粗利ときて、人件費や広告費、輸送費などを除いて、営業利益ときます。その他、経常利益などもありますが、ここでは割愛します。

この説明でわかりますね。輸送費が上がれば営業利益が減ります。輸送費はトラックなどでガソリンや石油価格と正の相関があるのは自明だと思います。なので、ガス価格が上がると、輸送費が上がり、営業利益を圧迫します。

営業利益が減るのも問題ですが、多少は企業としては我慢できるかもしれません。企業努力です。では、営業利益ベースで赤字転落となったら、ずっと続けるのは無理なので、商品単価を上げて、営業利益を確保します。商品単価が上がる?そうインフレです。

では、輸送コストがPL上になければ、値上げはないのでしょうか?答えは値上げの場合もありうる、です。例えば、IT企業は全てデジタルで済ましてきますが、仮想サーバーを調達します。サーバーの開発コストには輸送費がかかります。なので、サーバー開発企業は単価を上げるでしょう。単価を上げてきたので、IT企業は営業利益を確保するために、やはり、単価を上げなければなりません。これが、PL上での隠な繋がりです。

これが、簡単なエネルギー問題に端を発するインフレです。ここ2年ほどのインフレはおそらく、こういう構造で出てきたのでは無いかと思っています。

今回はこれで終わります。よろしくお願いします。

著者略歴

金輝俊 / Hwi Jun KIM
独立研究者。専門は戦略/IT/応用数学

ハイテクITベンチャーのProduct Manager / Chief IT Architect、Webベンチャーのグループリーダー、外資系IT企業のProject Manager 兼 Systems Architectなどを経験。会社を離れて数年後、Webベンチャーと外資系IT企業グローバル本社は、それぞれ東証マザーズとNYSEに上場した。

ファッションテックベンチャーに業務委託で週3勤務のお気楽プログラマとして参画したはずが、グロースハック室 室長 兼 システム開発部スペシャリストに。30人4部門を参謀長として指揮統括し、約10億円の株式による増資に成功。シーリズCへと導く。その後、起業。NMD Soft, Principalとして活動を開始。

社会貢献活動として、原爆の実相を伝えるためと、東日本大震災の解析のために、Nagasaki Archive、Hiroshima Archive、Mass Media Coverage Map of The East Japan Earthquakeなどの開発と一部企画に関わった。

主な著作にThe Real M.Phil Thesis: The Mathematical Foundation of Smart Material Systems / Yet Another Mori-TanakaMBA Thesis: The Modern Strategy from Japanがある。

筑波大学 第三学群 工学システム学類 学士(工学) First Class (イングランド基準。70%以上がA評価)

Coventry University大学院 Control Theory and Applications Centre, Master of Philosophy (Upper Master, Research Degree)。飛び級入学。返済義務無し奨学金付き。

主な受賞にアレスエレクトロニカ展Honory mention、経済産業大臣賞、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など。

詳細なプロフィールはこちら:https://www.khj1977.net/profile/

以上

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