PCOP(緩和ケアオンラインポータル)

地方から全国へ―――緩和ケアの知識、そして面白さを発信したい! 緩和ケアオンラインポ…

PCOP(緩和ケアオンラインポータル)

地方から全国へ―――緩和ケアの知識、そして面白さを発信したい! 緩和ケアオンラインポータル(Palliative Care Online Portal ; PCOP) https://sites.google.com/view/p-c-onlineportal/

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はじめに~What is "PCOP"?~

このnoteでは「緩和ケアオンラインポータル(Palliative Care Online Portal ; PCOP)」という医療者向けサイトの関連情報をお届けします。 まずは、こちらにアクセス! スマホの方は、上記QRコードからもアクセスできます。 このサイトは、「緩和ケアが大事なのは分かっているけど、なかなか勉強する時間がない」「研修は受けたけど、実臨床でどうしたらいいか分からなくなる」といった悩みをもつ、”緩和ケアの専門家ではないけど、緩和ケアに関わる医療者”の

    • 【イチ×ココ#18】緩和ケア格言「私は医療の専門家、貴方は貴方の専門家」~意思決定支援の話~

      「意思決定」と聞くと、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか。 右に行こうか左に行こうか、気になるアレを買っちゃおうか、今夜は何を食べようか…言ってしまえば人生は意思決定の連続ですが、大人であればたいていの場合、自分のことは自分で判断して意思決定を行っていると思います。 ですが、なんでも100%自分の意思だけで決めているかというと、案外そうでもなかったりします。 例えば朝出かけるときに傘を持っていくかどうかは、気象予報士という”専門家”による天気予報を参考にするでしょうし、

      • 【イチ×ココ#17】緩和ケア格言「まずは聴くことから始めよ」

        今回からは不定期で、拙著「緩和ケア即戦力ノート」にも掲載した『緩和ケア格言』についてのコラムを別角度から書いていきます。 初回は「聴くこと」について、2つの切り口で解説したいと思います。 1)「傾聴」について緩和ケアに限らず、傾聴という言葉は医療現場で頻繁に使われます。 これは臨床心理学の基本中の基本である「クライエント中心療法 Client-centered therapy」を提唱したことで有名な心理学者カール・ロジャーズが、彼の論文の中でlistening(リスニング)

        • 【ついに書籍化!】「緩和ケア即戦力ノート」予約販売開始となりました

          以前もお伝えした通り、このnoteと連携している緩和ケア学習支援サイト「緩和ケアオンラインポータル(PCOP)」で公開しているスライドの数々が、一冊の本になりました! 南江堂から今月発売ということで、本日から順次オンライン予約が開始となっています。 ●楽天ブックス https://books.rakuten.co.jp/rb/17659655/ ●Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4524204628 今後もPCOPのWebサ

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        • イチ×ココ「緩和ケアにまつわるアレコレ」
          18本
        • 緩和ケア関連ニュース
          3本
        • PCOPアップデート情報
          12本

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          アップデート情報 2023/10/04「現場力を上げるセミナー」

          あまり広報していませんでしたが、今年4月から隔月で「現場力を上げる!基礎からの緩和ケア勉強会(通称:現場力を上げるセミナー)」というのをオンラインで行っています。 緩和ケアに関する幅広いテーマの中から、コメディカル(主に看護師)に特に知っておいてほしい話題を選び抜き、そのまま現場で活用できるよう明快かつ具体的に解説する、というのがコンセプトの勉強会です。 ひとまず県内の緩和ケア従事者向けということで始めたのですが、思いのほか反響が大きかったので、PCOPのWebサイトにも

          アップデート情報 2023/10/04「現場力を上げるセミナー」

          【イチ×ココ#16】コロナ禍における緩和ケア病棟での「平等、公平、公正」

          突然ですが、「平等」「公平」「公正」という3つの言葉を、皆さんは使い分けているでしょうか。 「…え? だいたい同じなんじゃないの?」という人もいるでしょうし、大ざっぱに言えば似たような言葉だと言えます。 しかし今回は、あえてこれらを細かく区別して、緩和ケア病棟での面会を例に解説してみたいと思います。 平等、公平、公正、それぞれの意味この3つの言葉の違いを明確にするために、まずはそれぞれを英語に直してみましょう。 諸説あると思いますが、個人的には「平等=equality」「公

          【イチ×ココ#16】コロナ禍における緩和ケア病棟での「平等、公平、公正」

          【イチ×ココ#15】緩和ケア病棟ってどんな場所?~後編

          前編に続いて、知っているようで知らない「緩和ケア病棟」のアレコレについてお話していきたいと思います。 緩和ケア病棟はどんな場合に利用できるの?前編で「ケアに特化している」「積極的な症状緩和が行われる」「環境が良い」などの緩和ケア病棟の特徴を説明しましたが、どんなときに緩和ケア病棟に入院することができるのでしょうか。 まず入院のための重要な条件として、がんかAIDSである必要があります。昨今では「がん以外の疾患(非がん)への緩和ケア」の重要性が注目されていますが、保険診療上

          【イチ×ココ#15】緩和ケア病棟ってどんな場所?~後編

          【イチ×ココ#14】緩和ケア病棟ってどんなところ?~前編

          「緩和ケア病棟」という言葉は、医療関係者でなくても聞いたことくらいはあるかと思いますが、立ち入ったことがある、という人はどれくらいいるでしょうか? 働いている/働いたことのある人はもちろん、ご家族・ご友人のお見舞いのために行ったことがある、という人もいるかもしれませんね。 しかし行ったことがあるという人はおそらく少数派で、医療関係者であっても「知識としては知っているけど、行ったことはない」という人が多いと思います。 がん診療に携わる急性期病院の医療者(特に医師)であれば、患

          【イチ×ココ#14】緩和ケア病棟ってどんなところ?~前編

          【お知らせ多数】note再開!PCOP webサイト大規模アップデート完了!そして…

          とても久しぶりにnoteを再開しようと思います。 公私ともになかなか余裕がなく投稿できていなかったのですが、また改めて無理のないペースで、緩和ケアのコツや、緩和ケア医の本音などをぼちぼち投稿していきたいと思います。 一方で、noteの更新を行っていない間にも、私が運営する緩和ケア学習サイト「Palliative Care Online Portal (PCOP)」はコツコツ更新を続けていました。 そしてPCOPが3周年を迎える今年の春からは、掲載スライドの内容を一新する大規

          【お知らせ多数】note再開!PCOP webサイト大規模アップデート完了!そして…

          アップデート情報 2022/05/22

          noteの更新が長らく滞っており、すみません。 ただ、その間も親サイトの”Palliative care online portal”はコツコツとアップデートを続けておりました。 今回は、最近アップした新しいスライドについて簡単にご紹介させていただきます。 この2か月ほどで、一気に仕上げたのは「その他の症状」のスライド群です。 (スライドの閲覧はコチラから↓) Palliative Care Online Portal - その他の症状 (google.com) 痛みや呼

          アップデート情報 2021/09/05

          過去にアップしたスライドの修正作業はちょこちょこ行っておりましたが、今回は久しぶりに新作スライドをアップロードしました。 14-1.「コミュニケーションスキル」 患者さんやご家族とのコミュニケーションは、私自身「難しいなぁ…」と日々感じています。特に、良し悪しを客観的に評価できないことが難しいと個人的に感じています。 理論だけで良いコミュニケーションが出来るようになるわけではないのですが、コミュニケーションスキルを学ぶことは、自分の現在のコミュニケーションを振り返る良い

          【イチ×ココ#13】緩和ケア病棟での検査のタイミングと、忘れた頃にやってくる”あの病態”

          たまに「緩和ケア病棟に入院したら、検査も何もしない」と思っている人がいるのですが、そんなことはありません。 確かに、週に何度も採血をしたり、抗癌剤治療中のように頻繁にCTを撮ったりはしないのですが、理由は大きく2つです。 1)患者の身体的・精神的苦痛になりうる 2)緩和ケア病棟入院料はどれだけ検査を行っても一定 逆を言えば、患者への負担が少なく、費用面で許容範囲内であれば、緩和ケア病棟でも検査は行って構わないということになります。 担当医師の考え方や施設の方針にもより

          【イチ×ココ#13】緩和ケア病棟での検査のタイミングと、忘れた頃にやってくる”あの病態”

          【イチ×ココ#12】職種別!緩和ケア関連の資格取得について

          前の職場では医学生に「緩和ケアってこういうものだよ」と説明させてもらう機会が多かったのですが、そのときよく質問されたのが 「緩和ケア関連で資格を取りたいと思ったら、どうしたら良いですか?」というものでした。 これは医学生だけでなく、看護師さんや薬剤師さんなど、他の職種の方も気になることかもしれないなーと思ったので、今回は職種別に緩和ケア関連の資格についてまとめてみたいと思います。 【医師編】 まず医師が緩和ケアに関して取得できる資格は、主に ①日本緩和医療学会 専門医

          【イチ×ココ#12】職種別!緩和ケア関連の資格取得について

          【イチ×ココ#11】神経ブロックってよく聞くけど…イメージが沸かない!?

          私の住む地域では今年は梅雨入りが早く、そのためか雨の降らない日も多めで、間延びしたような印象の梅雨になっています。 今朝も天気が良かったので、ふと思い立って近くの河川敷をブラブラ散歩してきました。 どうしても毎日パソコンの画面ばかり見てしまいがちなので、目の保養に川や緑や空なんかを眺めることができて良いリフレッシュになりました。 仕事や家事やら色んなことで時間に追われている!という人も多いかと思いますが、週に1時間、無理なら30分でも自分をメンテナンスする時間を確保するのは

          【イチ×ココ#11】神経ブロックってよく聞くけど…イメージが沸かない!?

          【イチ×ココ#10】"気持ちのつらさ"を理由に、緩和的鎮静を行っても良いのか?

          【緩和的鎮静について】 緩和ケアにおいて、患者さんが耐えがたい苦痛に苛まれ、他に苦痛緩和の手段がない場合、”緩和的鎮静 palliative sedation therapy”という手段が選択肢に挙がります。 緩和的鎮静は「苦痛緩和のために患者の意識を意図的に低下させること」と定義され、具体的には主にミダゾラムというベンゾジアゼピン系鎮静薬を用いて眠らせる、あるいはボンヤリとした状態やウトウトした状態にすることを意味します。 緩和的鎮静をめぐっては世界各国でも様々な議論

          【イチ×ココ#10】"気持ちのつらさ"を理由に、緩和的鎮静を行っても良いのか?

          【イチ×ココ#9】これって依存?オピオイドの不適正使用を考える

          オピオイド鎮痛薬、特にレスキュー薬を使っている患者さんと普段接していると、「この人、すごく頻繁にレスキュー使ってるけど…これ良いの?依存症ぽくなってない?」とモヤモヤした経験をすることはないでしょうか。 もちろん、痛ければレスキューは使って良いし、モルヒネ・オキシコドン・ヒドロモルフォンといったオピオイド鎮痛薬は使用上限が原則ないので、理屈からすると何回使っても良いはずです。 でも、一日でレスキューを10回とか使われると不安になってくる…という気持ちも分かりますので、今回は

          【イチ×ココ#9】これって依存?オピオイドの不適正使用を考える