プロジェクトデザイン研究室

〈芝浦工業大学/建築/山代研・岡野研〉地域・社会に対して建築的観点からプロジェクトとい…

プロジェクトデザイン研究室

〈芝浦工業大学/建築/山代研・岡野研〉地域・社会に対して建築的観点からプロジェクトという形で問題解決策を提案していく研究室です。

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【福島浪江訪問インタビュー】 地域の待合所「フルハウス」

プロジェクトデザイン研究室・災害復興チームは被災地を自分の目でみて体験するプロジェクトの一環として、2022年7月8日・9日に東日本大震災の被災地である福島県浪江町を訪ねました。 初日のはじめに福島県南相馬市小高区にある「フルハウス」に伺いました。 ・ブックカフェ「フルハウス」 2016年7月に避難指示が解除され、約6年が経つ小高区。駅周辺には、食堂やカフェ、酒造やコワーキングスペースなど人が集まる場所が増えています。その中の一つが作家の柳美里さんが店長を務めているブッ

    • 【木の国際化】ウッドショックの現在地

      一般社団法人 HEAD研究会 国際化TFは2021年5月、緊急オンライン研究会として「ウッドショックから考える木の国際化」を開催しました。 同年3月から表面化し、すでに言葉として市民権を得た感のある「ウッドショック」。この現象を通して見えてくる木の国際化を考えるためのオンライン研究会でした。 そこから一年以上経過しました。コロナ禍によるステイホームが原因のアメリカのDIY需要等を基とした、北米・欧州からの輸入木材の不足等がある程度解消されて来たタイミングでの「ロシア・ウクラ

      • 【福島浪江訪問レポート】 東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れて

         プロジェクトデザイン研究室・災害復興チームは被災地を自分の目でみて体験するプロジェクトの一環として2022年7月8日・9日に東日本大震災の被災地である福島県浪江町を訪ねました。 今回は東日本大震災・原子力災害伝承館へ見学したレポートです。  2011 年 3 月 11 日の東日本大震災から約 11 年半が過ぎ、東北各地には慰霊のためのメモリアルパークや、震災に関する資料と記録を展示し、防災の大切さを伝える施設が続々と整備されている。その中の一つである福島県が 2020 年

        • 【福島浪江訪問インタビュー】 地域の新たな足へ ~日産自動車株式会社 宮下 直樹さん~

           プロジェクトデザイン研究室・災害復興チームは被災地を自分の目でみて体験するプロジェクトの一環として、2022年7月8日・9日に東日本大震災の被災地である福島県浪江町を訪ねました。 日産自動車株式会社 総合研究所 モビリティ&AI研究所 主管研究員 宮下 直樹さんは3年前からモビリティサービスと、昨年からまちづくりに参入しました。今年から本格的にはじまったスマートモビリティのサービスとそれに伴うまちづくりについて伺いました。 ーーーー今回は、浪江で行っているスマートモビリ

        【福島浪江訪問インタビュー】 地域の待合所「フルハウス」

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        • 災害復興プロジェクト
          6本

        記事

          【福島浪江訪問レポート】 浪江町請戸小学校を訪ねて

           プロジェクトデザイン研究室・災害復興チームは被災地を自分の目でみて体験するプロジェクトの一環として2022年7月8日・9日に東日本大震災の被災地である福島県浪江町を訪ねた。 今回は震災遺構に登録されている浪江町請戸小学校へ見学したレポートをまとめる。 請戸小学校とは  浪江町立請戸小学校は2011年3月11日の東日本大震災による津波によって、未だかつて経験したことのない大地震・第津波とその後の原発事故に見舞われ甚大な被害を受けた。当時通っていた児童93名は教職員の迅速な

          【福島浪江訪問レポート】 浪江町請戸小学校を訪ねて

          【福島浪江訪問インタビュー】 ミクロとマクロの視点から考える浪江町のまちの在り方~福島大学地域未来デザインセンター特任専門員 長田滉央さん~

          プロジェクトデザイン研究室・災害復興チームは被災地を自分の目でみて体験するプロジェクトの一環として、2022年7月8日・9日に東日本大震災の被災地である福島県浪江町を訪ねました。 2021 年 6 月から福島県楢葉町に移り住み、福島大学地域未来デザインセンター特任専門員として活動されている長田滉央さんにお話を伺いました。 ・社会情勢と建築空間 長田:「現在起こっている社会現象を咀嚼していき、空間を再定義し、社会の再構築を考える必要があるのではないか」というのが僕のスタン

          【福島浪江訪問インタビュー】 ミクロとマクロの視点から考える浪江町のまちの在り方~福島大学地域未来デザインセンター特任専門員 長田滉央さん~

          【福島浪江訪問レポート】 浪江のまちを訪ねて

           プロジェクトデザイン研究室・災害復興チームは被災地を自分の目でみて体験するプロジェクトの一環として2022年7月8日・9日に東日本大震災の被災地である福島県浪江町を訪ねた。  東日本大震災から 10 年以上が経過した。沿岸部は主に津波による被害を受けが、私たちが今回訪れた福島県浪江町は、津波に加えて原発による放射線被害も受けた場所である。 津波による被害は時間が経過するとともに目に見える形で「復興」を感じられる。しかし、原発による放射線の影響により浪江町⺠は移動を余儀なく

          【福島浪江訪問レポート】 浪江のまちを訪ねて

          【南房総インタビュー Vol.8】リノベーションまちづくりを通した地域再生~マイクロデベロッパー 漆原秀さん~

          サムネイル photo by ヒロタケンジ  今回は、千葉県館山市で元公務員宿舎をリノベーションした賃貸住宅「ミナトバラックス」、元診療所をリノベーションしたホステル「tu.ne.Hostel(ツネホステル)」を経営され、現在は「マイクロデベロッパー」という肩書きのもと活動をされている漆原秀さんにお話を伺いました。 ーーーー今回は、館山での「リノベーションまちづくり」を始めるにあたった経緯や、「マイクロデベロッパー」という活動がどのような思いで始められたのか、そんなところ

          【南房総インタビュー Vol.8】リノベーションまちづくりを通した地域再生~マイクロデベロッパー 漆原秀さん~

          【木の国際化】ウッドショックから考える木の国際化

          2021年3月になって表面化した「ウッドショック」。アメリカや中国の旺盛な木材需要を受け輸入木材の供給が大幅に減少し、国内の木造建築の現場を直撃しています。 この事態にはコロナ禍を契機としたアメリカでの住宅需要の急増やコンテナの滞留など国際流通の乱れといった特異な原因もあると同時に、一方ではこれまでの木材流通のあり方の歪みや、日本の世界における経済的な地位の低下といったこれまで表面化せずにすんでいた問題が現れているようです。 そのような中で輸入木材の減少により国産木材への

          【木の国際化】ウッドショックから考える木の国際化

          【木の国際化】Trend of forest industry in Japan and Proposal for urban mass timber buildings

          ※この記事は、12月20日に中国の大連理工大学が幹事校となって行われた「日中韓オンラインシンポジウム」にて学生が発表した内容の要約です。  This article is the summery of the presentation by students for “China, Japan and South Korea living environment integration symbiosis academic conference (online)” hoste

          【木の国際化】Trend of forest industry in Japan and Proposal for urban mass timber buildings

          【南房総インタビューVol.7】二地域居住から見えるローカルとの関わり方~NPO法人南房総リパブリック理事長 馬場未織さん~

          今回は、「NPO法人南房総リパブリック」を運営し、「平日は東京、週末は南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践している馬場未織さんにお話を伺いました。 ーーーーまず初めに、馬場さんの自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?ーーーー 馬場:私は二地域居住を2007年から続けていて、来年の1月で14年になります。仕事は執筆業をしています。元々、建築の設計の仕事をしていたのですが、2人目の子供を産んだ頃から転向をして、今の仕事に移りました。 また2011年に「南房総リパ

          【南房総インタビューVol.7】二地域居住から見えるローカルとの関わり方~NPO法人南房総リパブリック理事長 馬場未織さん~

          【南房総インタビューVol.6】外から見た南房総の魅力と台風災害~ビルディングランドスケープ 春日広樹さん~

          今回は、芝浦工業大学建築学科のOBであり、南房総館山市の布良に10か月間住まわれ、南房総での生活や、昨年の台風災害を経験された、春日広樹さんにお話し伺いました。 ーーーーよろしくお願いします。今日は、はじめに、富崎で二拠点居住をされていたということで、春日さんが南房総とどのような関わり方をしてきたのかということをお話しいただいて、後半に昨年の台風19号によって被災された当時の状況についてお話しいただければと思います。まず、簡単に春日さん自身についてお話しいただいてよろしいで

          【南房総インタビューVol.6】外から見た南房総の魅力と台風災害~ビルディングランドスケープ 春日広樹さん~

          「きっかけからデザインする」ワクワクを発信し続ける建築家のお話。

          芝浦工業大学 建築学科  プロジェクトデザイン研究室  上野山波粋 7月に第4回目となるプロジェクトデザインセミナーを開催しました。 プロジェクトデザインセミナーは、実際にプロジェクトを実施されている方をお呼びしてレクチャーを行ってもらうという、プロジェクトデザイン研究室独自に進める講演会です。 ↑画像:講演会のチラシ (作成:プロジェクトデザイン室 私自身以前からまちづくりや公共空間というものに興味があり、勉強する中で株式会社オープンAの代表取締り役である建築家/

          「きっかけからデザインする」ワクワクを発信し続ける建築家のお話。

          【南房総インタビューvol.5】地元住民に聞く、台風被害とボランティア活動~静月荘さん~

           今回は、南房総富浦にある民宿の「清月荘」さんに、2019年時の台風の際の、地元民の生の声を伺うために、インタビューさせていただきました。 15号台風がもたらした被害ーーーーインタビューよろしくお願いします。早速なのですが、昨年の台風時の被害のことをお聞きしてもよろしいでしょうか。ーーーー 静月荘さん:はい、分かりました。ちょうど15号台風が来て、かれこれもうじき1年ですよね。だいたい、やる気のある人たちは、6月に枇杷(びわ)が集中的に成るので、それを契機に盛り上げていこ

          【南房総インタビューvol.5】地元住民に聞く、台風被害とボランティア活動~静月荘さん~

          【南房総インタビューvol.4】館山での農業~安西農園 安西淳さん~ Part2

          ーーーー安西さんは生産とは別に、NPO法人南房総農育プロジェクトも一緒にやられていますが、それについてお伺いしてもよろしいでしょうか?ーーーー きっかけとなった「みずほの村」 安西さん:農業のブランディングができてくると、次に自分の流通が欲しくなったんだよね。きっかけは、茨城県のつくばにある「みずほの村」と言う直売所があって、そこは年間数億円売れている直売所なんだ。そこに視察に訪れたときに、駐車場には福島からも埼玉からも東京からも、いろんなところのナンバーの車がたくさん止ま

          【南房総インタビューvol.4】館山での農業~安西農園 安西淳さん~ Part2

          【南房総インタビューvol.4】館山での農業~安西農園 安西淳さん~ Part1

           今回は館山で、とうもろこしを中心とした農業を営む安西農園の安西淳さんにおはなしをうかがっていきます!part1では安西さんの農家になるまでの経歴や農家としての特徴、part2では「NPO法人南房総農育プロジェクト」や日本の農業の担い手や台風災害について掲載していきます。 ーーーー今日は安西さんの農家としてのお仕事の話と、台風災害時の話の2つのテーマについてお話を聞かせていこういただければと思っています。まず農家としての仕事や経歴についてお伺いします。ーーーー  まず私の

          【南房総インタビューvol.4】館山での農業~安西農園 安西淳さん~ Part1