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PM育成の虎の巻:愛と憑依とラーニングモンスター

みなさん、こんにちはクライス&カンパニーの山本です。
先日、弊社にてオリジナルイベントである、汐留アカデミー(通称、汐アカ)を開催しました。

今回はゲストとして
・エムスリーよりお馴染み 山崎さん
・クライス顧問 及川さん

をお迎えし、

【PM育成虎の巻 ~明日から使えるOJTノウハウ~】

というPM育成にフォーカスを当てたテーマです。

ウェビナー1.5時間のコンテンツですが、今回はリアル会場も併用したハイブリッド開催。セミナー終了後は人数限定でネットワーキング交流会も実施しました。
※定員に対して3~4倍のご応募があったため、抽選に漏れてしまった方々申し訳ございません!!!!また開催しますので!

X(旧Twitter)でも結構な盛り上がりがありまして、オンライン/オフラインともに反響の多さを強く実感した1日でした。
是非「#汐アカ」で検索してみてください!

さて、前フリが長くなりましたが、今日は汐アカで得られたPM育成の金言・学びの中でも、特に3つ共有させていただきます!

①PMはケーススタディが命。学びのサイクルに火をつけろ

いかに他人のケースを追体験するか

プロダクトマネジメントを学んでいく際にネックになるのが、報酬サイクルの長さです。プロダクトマネジメントとしての意思決定の正しさがわかるまで、数ヶ月~数年というリードタイムがかかります。自分自身で実体験できるケースは限られてしまいます。

そのため、いかに他人のケースを自分のものとして追体験できるかがポイントとのことでした。
考え方としては読書と同じです。自らが経験していないことも、先人たちが丁寧に言語化・要約までしてくれたエッセンスを、読書を通じて学ぶことができます。

組織として実施できる施策の1つにチーム間、PM間でのケース共有があります。企業によってはフェーズや特徴の異なるプロダクトを複数開発しているところもあるでしょう。

そんな時には是非、意識的に時間をつくり、各PMが
・どんなシチュエーション/課題で
・何を行い
・どんな学びを得られたか
を他のPMへ共有するようにしましょう。

せっかく同じ社内にケースの宝庫があるのに、それを自分しか経験できていないのは「もったいない」の極みです。

とはいえ意識をしないと通常の業務でいっぱいっぱいになってしまうため、マネージャーやシニアPMが積極的に学びの場づくりをしてあげると良いでしょう。

メンターはモチベーターであれ

ケースを学ぶ場があっても、メンティー(育成される側)が学ぶことに対して本気になっていなければ意味がありません。そのため、メンター(育成する側)が、メンティーのモチベーションに火を付けることが肝心です。

メンターは、やる気スイッチを押すためのモチベーターであるべきなのです。

メンティーのモチベーションが高まれば、自ら勝手に学ぶする状態を作ることができるようになります。「勝手に学ぶサイクル」にさえ乗ってしまえば、あとはどんどんメンティー自身が自己成長していくことでしょう。

メンターとして細かなプロダクトマネジメントのプロセスや考え方をティーチングすることも当然大事ですが、もう少しモチベーターとしての育成を意識しても良いかもしれません。

学びのサイクルに入ってきたなと感じたら、是非「この1週間で何を学んだのか」をメンター・メンティーで確認し合い、振り返りの習慣を身につけるようにしましょう。
これがさらなる学びサイクルを加速させるはずです。

②商売センスをどう磨くか

山崎さんは、未経験やジュニアのPMが学んでほしいこととして、

1. アジャイル開発
2. プロダクトマネジメントの基礎
3. 商売センス

の3つを挙げられていました。その中でも、特に視聴者から多く質問されていたのが、「商売センスをどう磨くか」という問いです。私自身もパネルの中でお二人に質問させていただきました。

みなさん、いかにPM育成において、商売センスをどう磨かせるか=事業価値をどう追求させるか、に苦戦されているかがわかります。
開発ディレクション等を教えるのと異なり、そのプロダクトでいかに儲けるかを教えるのは簡単ではありません。

そんな問いに対して有効なのが、

・スケーラビリティを意識させる
・楽して儲けることを考えさせる。額に汗してはだめ

という話がありました。
PMの日常業務はどうしても、1つ1つの小さな改善活動の積み重ねになりがちです。
ただそれを続けていても、本当に儲かるプロダクトはできるのでしょうか?

スケーラビリティとは、今自分が関わっている事業やプロダクトの売り上げを10倍以上にする意識を持つ(10xと呼ぶ)ことです。10倍なんて今までの延長線で達成することはまず不可能で、必然的に何かを大きく変えないといけなくなります。これが非連続的な打ち手につながります。

また、「楽して儲ける」というとややPMの正義感には耳障りが悪いかもしれませんが、ビジネスの本質はここにあります。

どうやったらもっと楽をして同じ品質のものを出せるか(コストカット=利益UP、もしくは空いた時間で新しい開発に着手=売上UP)、を常に考えつつ、「これやってらんないな」という良い意味で「楽して稼ごう」というを姿勢や行動を積み重ねていくことで、商売っ気が身についていくかもしれません。

③愛と憑依とラーニングモンスター

最後の観点は育成ではなく、もしかしたら成長の観点かもしれません。
PMとして成長するためには、他人に憑依することです。他人というのは、ユーザーでもあり、他PMでもあります。

ユーザーに憑依をすることで、ユーザーが抱えている真の課題に気づきやすくなります。使いづらいUIやUXも実感できるかもしれません。

また、隣にいるPMに憑依することで、他人が体験したケースであっても、話を聞きながら自分のプロダクトだと思ってワクワクしながら考えたり、「自分ならどう解決する」と問い続けることで学習効率は高まるでしょう。

そのためPMには憑依力が肝心なのです。
ではこの憑依力はどうやったら身につくか。

及川さんは、「その人に興味関心をもって愛すること」が大事とおっしゃっていました。
これはPMとしての一番欠かせない原点かもしれません。

↓汐アカで及川さんが取り上げていた書籍↓

そして、この愛→憑依こそが、Googleが唱えるラーニングアニマルならぬ、ラーニングモンスターを生み出し、実体験の何十倍もの追体験を繰り返したPMこそが、世の中にとって素晴らしいプロダクトを生み出していくのではないでしょうか。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
PMを育成するメンターも、今育成されているメンティーの方も、是非ラーニングモンスターを目指していきましょう!

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