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Gunosyのリーンキャンバスを書いてみた

前回は「Gunosyがヒットしている理由」について書かせていただいた。
今回はタイトル通り「Gunosy」のリーンキャンバスをまとめてみた。


◆「Gunosy」のリーンキャンバス

それでは項目ごとに解説していこう。


① 顧客セグメント

【クライアント】
-ゲームやアプリ開発会社
-サービス・商品販売会社
-旅行会社
-金融会社
-法律事務所
など幅広い分野の企業

実際にアプリで確認して見ると、アプリの広告や法律事務所、旅行会社などの広告が主にネイティブアドで表示されていた。(広告については「④ ソリューション」にて説明する。)

【カスタマー】
-通勤・通学途中の会社員や学生
-旬な情報に敏感で、良くスマホを利用する男女
-健康意識が高く、アウトドア派な男女

「Gunosy Media Guide Sep7-9」より抜粋したデータを元に説明していく。

◆利用ユーザーの職業別比率

利用ユーザーの5割は会社員が利用していて、2割ほどは学生が利用している。


◆利用ユーザーの1当たりのスマホ利用時間

「Gunosy」の利用しているユーザーはデータの通り、「スマホ1日1時間以上使用している方が8割以上」もいるのである。それだけ毎日スマホを利用しているユーザーが多いということは、毎日ニュースを配信する「Gunosy」にとっては、とても相性が良いユーザーであると言える。


◆利用ユーザーの健康意識調査

一般のユーザーと比べて、食事に気を遣ったり、スポーツをする方などの健康に対して、意識が高いユーザーが集まっている。健康や生活に関してのコラム記事を配信しているため、その点においても相性が良いと言える。


◆利用ユーザーのアウトドア派比率

映画や旅行になど全体的にアウトドアに対しての関心が高い、コンサートやフェスに対しての関心も高いため「夏フェス」といったカテゴリーが追加されているのだろう。(下記の画像参照)


② 課題

【カスタマー】
-自分の趣味嗜好に合った記事を読みたい方
-ニュースを検索するがめんどくさい方
-隙間時間に旬な情報を収集したい方

ニュースアプリを求める人にとって、隙間時間にスマホ1つで情報を収集できるかどうかという課題は皆同じた。ここで重要なのは「自分に合った記事を読みたい」という課題である。それに関しては、次の「③ 独自の価値提案」で説明する。


【既存の代替品】
-SmartNews
-LINE NEWS
-Yahoo! ニュース
-Antenna

上記の3つに関しては、提供している情報量の観点から選出した。「Antenna」に関しては、情報量ではなく生活に関わりの強いコラム要素の多い情報を提供している観点から選出した。


③ 独自の価値提案

【UVP】
-独自記事配信アルゴリズム

①独自記事配信アルゴリズム


「既存の代替品」でも上げたように、今はでは様々なニュースアプリが存在する。その中で「Gunosy」の特徴といえば、「独自記事配信アルゴリズム」である。どこが独自なのかというとユーザーに届くまで2回情報を選定している点だ。

他のニュースアプリは、ネット上から配信するカテゴリーごとに記事を選定している。しかし、「Gunosy」の場合は以下の通りだ。

①ネット上から配信カテゴリーごとに記事を評価付けして選定。

②ユーザーごとに過去の閲覧記事から趣味嗜好に合わせた記事を配信。

「② 課題」の1つに上げた「自分の趣味嗜好に合った記事を読みたい」というユーザーの課題解決にぴったりの機能である。コラムでも恋愛や芸能など様々なカテゴリーがある。毎日見るとは言っても全ての記事を読む人はそうそういない。

だからこそ限られた時間の中で、ユーザーが本当に求めている記事を提供したいという「ユーザー想い」の機能なのではないかと思う。これこそが「Gunosy」のUVPであると言えるだろう。


④ ソリューション

【クライアント】
-動画広告
-ディスプレイ広告
-ネイティブアド
-プロモーションアド
-ネットワークアド

5つの広告メニューがある。1つずつご紹介していこう。


①Premium Ads Video -動画広告

任意のカテゴリーの動画広告を出すことができる。上記の「ヘッダービデオ」以外に3つの動画配信コンテンツがある。
【価格】250万〜


② Premium Ads Display -ディスプレイ広告

こちらも任意のカテゴリーに広告を出すことができる。上記の「ヘッダーパネル」以外に3つ配信コンテンツがある。
【価格】100万〜


③Native Ads

「Gunosy」で一番多く利用されている広告配信方法であろう。上記の一般的な記事型のネイティブアドの他に、動画や漫画型の配信方法もある。
【価格】150万円〜


④ Promotion Ads

CPMかCPC形式での広告配信コンテンツである。「SmartNews」にはない広告コンテンツである。(「詳細はSmartNewsのリーンキャンバスを書いてみたにて」)
【価格】50万〜


⑤ Netwotk Ads

外部パートナーメディアとの連携を強めている「Gunosy」だからこそ出せる広告コンテンツではないだろうか
【価格】50万〜


【カスタマー】
-独自記事配信
-リアルタイム通知 

記事の配信についてはこれまで説明した通り。リアルタム通知もスポーツや天気や号外ニュースなどをリアルタイムで通知してくれる。


⑤チャネル

【プル型】
-Web検索
-App内検索

【プッシュ型】
-テレビCM
-動画紹介

【プル&プッシュ型】
-SNS (Facebook,Twitter,Instagram)
-ブログ (データ分析ブログ、Tech Blogなど)
-口コミ

「Gunosy」ではテレビCMを数多く出している。コラムの記事を紹介したものやウルトラマンやAKBとコラボしたものなどがある。「CM記事一覧」のカテゴリーがあるようにテレビCMの効果は絶大であると言える。


⑥収益の流れ

【広告収入】
-動画広告(250万〜)
-ディスプレイ広告(100万〜)
-ネイティブアド(150万〜)
-プロモーションアド(50万〜)
-ネットワークアド(50万〜)

広告収入が主な収益源である。2017年の5月期  第3四半期の「Gunosy Ads」 の売上高は過去最高の「13億円」であった。6四半期連続で増益していて、これからも増益し続けていくだろう。


⑦コスト構造

【2017年3Q分】
-ホスティング:4億6000万円
-人件費:2億7400万円
-広告宣伝費:3億9000万円
-地代家賃:5500万円
-その他:3億3600万円

ホスティングの内訳は以下の通りである。
「ADNW原価:4億1300万円」
「サーバー費用:4700万円」
「プロモーションアド」でのCPMやCPC入札型の広告コンテンツがあるため、「ADNW原価」がこれほどかかっているのだろう。


⑧ 主要指標

【獲得】
-アプリのインストール

【アクティベーション】
-アプリの起動

【定着】
-1日に数回ログイン

【収益】
-広告収入

【紹介】
-SNSにシェア
-レビューに書き込み
-口コミ

ニュースアプリは定着されて、ユーザーの利用されたことになる。特に「Gunosy」の場合は過去の閲覧履歴から情報を配信するため、毎日のユーザーからの情報の取得は欠かせない。ここでユーザーが「Gunosy」のアプリを起動する際のデータがあるのでご紹介。


◆「Gunosy」の利用ユーザーのアクセス頻度とタイミング

1日に4回のアクセスピークがある。1日4回まで最新ニュースを通知できる機能とリンクしているとみえる。


◆「Gunosy」を利用する理由

「隙間時間に情報を収集できて楽しめる」や「旬なエンタメや経済等の情報がわかるため」などが主な理由である。記事を読んだ後、内容についてインターネットで調べる人が「約7割」近く存在していて、ここからもユーザーの情報感度の高さが伺える。



⑨ 圧倒的な優位性

-独自記事配信アルゴリズム
-情報感度の高いアウトドア派な利用ユーザー

「③ 独自の価値提案」で説明した通り、誰がなんと言おうと「Gunosy」の圧倒的な優位性であると思う。

他の利用利用ユーザーに比べて、1日のスマホ利用時間が長く、記事を見た後もその内容について調べるユーザーが多い。さらに映画やフェスなどに関心が高いユーザーが集まっており、映画やフェス関係のクライアントは広告を出すとユーザーとマッチする可能性が高いのではないだろうか。


◆まとめ

他のニュースアプリと違う記事配信方法。ニュースの記事を読んだ後、内容を調べるユーザーが多いということは、福島氏がリリース当初に思っていた「SNS疲れ」がないというか、しかしSNSではなので、「ニュースアプリ疲れ」というものがユーザーには感じずに情報を提供できているのではないだろうか。

次は「Gunosy」シリーズ第3弾であるカスタマージャーニーマップについての記事を投稿予定である。


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◆参考サイト

・「Gunosy」公式Webサイト

・Gunosy Media Guide July-Sep 2017


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