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#一日一短歌

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Twitterで毎日一首ずつ詠んでる短歌をまとめて日記を添えています 時々連作を詠んだりする
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記事一覧

#一日一短歌 2023年2月

#一日一短歌 2023年2月

2/2 僕からは遠い紛争地の子どもたちの視線で重い資料集
 公民科って科目は、どうしても世界の諸問題に向き合わなくちゃいけないから、そういう単元を扱うときは気が重いし、なんなら教材もなんもかんも全部重い。

2/3 終わらないものなどないのまっさらな砂噛むここが最後の浜辺
 終わらないのに最後なの?って即詠だから一首の中で矛盾してることも時々ある。

2/3 遠くには行けないと知りつつ眠る郊外行き

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#一日一短歌 2023年1月分

#一日一短歌 2023年1月分

 厄年のスタート!しんどいことばっかりあったひと月だった。厄年のせいにしたくないけど、厄年のせいにしないとやってられなかったな。

1/7 素揚げしたエビの頭はあの夏の水族館の味がしたんだ
 2023年初短歌がおそらくこれ。水族館味すぎてびっくりした。

1/7 おもむろに切り開かれて三枚に下ろされつくしたアジの面持ち
 地元に帰るといろんな魚に出会うから、つい魚を詠んじゃう。

1/7 おかあさ

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#一日一短歌 2022年12月分

#一日一短歌 2022年12月分

 クリスマスが好きだ。プレゼントを選んだり、家を飾ったり、ごちそうの準備をしたりするのは、幸せの象徴みたいで楽しい。クリスマスに向けてなんとなくふわふわしていく街の景色も好きだ。

 そんなクリスマスへのカウントダウンができるアドベントカレンダーも大好きだ。これまではポケモンセンターで販売されていたお菓子のアドベントカレンダーを買っていたけど、昨年はSAVONのアドベントカレンダーが欲しかった。た

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#一日一短歌 2022年11月分

#一日一短歌 2022年11月分

11/2 迷わずにいられるようにその声を抱いて歩いた乗り換えの駅
 通勤中はずっと音楽を聴いている。周りの音が聴こえないので、逆に迷ったり間違えたりしてしまう。

11/3 すごくありふれた種にも仕掛けにも気づかずいてよ恋に落ちてよ
 「すごく」要らなかったな。即詠なのでそういうこともある。

11/3 帰りたい場所になりたい きみにしか見えないまるい月になりたい
 夜道も煌々ときみだけを照らして

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#一日一短歌 2022年10月分

#一日一短歌 2022年10月分

10/4 少し遅れたんだけど、長女が8歳になったことについて短歌を詠んだ。

10/7 軽やかに飛び立てそうなハルカスの古いつばさがいとおしくあり
 あべのハルカスの片方はウイング館って名前なんだけど、建物のつくりがいかにも昔の百貨店てかんじで懐かしさを感じる。段差が多くて歩きにくいんだこれが。

10/9 すごい雨 きみが笑えば曇天も澄みわたる青だったはずだよ
 すごい雨だった日の歌です。

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#一日一短歌 2022年9月分

#一日一短歌 2022年9月分

9/1 小さめの石をいくつか積む きみが死なない今日であってほしくて
 一年で一番子どもの自殺が多い日だという。きれいごとかもしれないけど、悲しい気持ちになることから少しでも遠ざかってほしいと思った。

9/2 生ぬるい世界の風に満たされて止まらぬ汗を拭えもせずに
 9月の大阪はまだ真夏なんよ……

9/3 ぬばたまの闇を歌って 狂気すらあなたに頭を垂れる眷属
 ポルノグラフィティの闇曲(メビウス

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#一日一短歌 2022年8月分

#一日一短歌 2022年8月分

8/1 暴きたいきみの裏側この夜をひっくり返せば来ない朝焼け
 オセロみたいに簡単に何もかもひっくり返ればいいのにね。

8/2 夏を剥く 甘酸っぱさがはじけ飛ぶ きみの素肌に触れる甘さだ
 夏の恋のイメージ、みかんとかはっさくの剥いたときの匂いなんだけど、それらの旬って冬だよな。

8/3 恋を抱く夜のわたしに触れないでこの熱が今だけのものでも
 好きだなあ、って気持ちが増幅されるのはやっぱり昼

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#一日一短歌 2022年7月分

#一日一短歌 2022年7月分

7/1 誤魔化せるくらいの恋だきみのことすきじゃないって夏、熱が出る
 夏は恋の季節だねえ……

7/4 またひとつ生きる理由を与えられ延長戦にぬるぬる進む
 たぶん推しに何か動きがあった日とかだったのでは。推しに生かされている。

7/4 胸を張る 夢も希望も薄らいだ世界できみをすきになったから
 夫と出会ってなかったらたぶん結婚も子育てもしてなかったと思う。夫を好きになったことは、わたしの人生

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#一日一短歌 2022年6月分

#一日一短歌 2022年6月分

6/1 晴れ渡らないまま揺れる感情を恋と名づける 夏がはじまる
 じわじわじめじめ忍び寄ってくる夏に、せめてもの区切りを設けたい。

6/2 シャンパンの泡は真珠で途切れないものなどないと思い知らされる
 しゅわしゅわしてるのを見るの好き。

6/3 世界ならきっと変わるよ肉体は脆く飛び散り要らなくなって
 早く授業もアバターで受けられるようになるといいよね、とよく生徒と話す。肉体が要らなくなる日

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#一日一短歌 2022年5月分

#一日一短歌 2022年5月分

5/1 美しく咲けない花も花 曲がりくねった茎のたくましきこと
 地元の農園に初夏の花を見に行った。自然の中の花々は多様性にあふれていて、この年になってもその美しさに驚く。

5/3 滲まないインクの青はゆるぎなく 神はわたしの中だけにいる
 親戚が宗教の勧誘をしてくる。こんな頑強な意志を持つ人間ではなく、もっと人生や世の中に不安を抱く人にその崇高な教えを伝えてあげてくださいってかんじ。

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#一日一短歌 2022年4月分

#一日一短歌 2022年4月分

 新年度の忙しさにかまけていたら数日分の辻褄合わせができなかったので、1首足りなかった……無念

4/2 ちょうどいい嘘を探してまだきみに求めてもらいたかっただけなの
 エイプリルフールだったので、嘘をテーマに。

4/2 全身をくまなく撫でていくようにきみへの愛をことばにするね
 比喩の使い方とても難しい。直情的な人間なので。

4/4 太陽を宿したように咲くきみの桜に会いにここまで来たよ
 因

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#一日一短歌 2022年3月分

#一日一短歌 2022年3月分

 年度単位で生活しているので、2021年度の締めくくりを感じながら生きたひと月でした。

3/1 とめどなく降りそそぐから愛だって気づかないままとけて流れる
 どんな愛も、注がれているうちはあまりありがたみを感じないもので、失ったときに改めて理解するんだろう。

3/2 ポルノグラフィティ「ネオメロドラマティック/ROLL」のリリース日だったので、この3曲をモチーフに短歌を詠んだ。下にまとめていま

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#一日一短歌 2022年2月分

#一日一短歌 2022年2月分

 2月も欠詠なしでした。一日一首詠むことが、だいぶ日常に根付いてきたような気がした1か月でした。

2/1 胸に抱く単語帳には譲れない夢への海図書き込まれおり
 通勤途中の電車で、大学入試に向かう人たちに遭遇。みなそれぞれ最も信頼している参考書やノートを開いていた。ここにいる全員が希望通りの花を咲かせますように。

2/2 流星に魔法をかける歌声は未来をひかりで満たしてくれる
 今まではなんとも思

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#一日一短歌 2022年1月分

#一日一短歌 2022年1月分

 勝手に設定した正月休みののち、11日からは欠詠なしで続いています。引き続き頑張っていけるといいな。

1/11 流れてくことばを星に変えながら世界に少し色を落として
 ポルノグラフィティの昭仁さんについてはよく短歌にしちゃうんだけど、晴一さんについてはあんまりしないなあ、と思って詠んだ。わたしにとって彼は、なんでもないことにことばで色をつける魔法使いみたいな人だ。

1/12 隊列はかがやくいの

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