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ため息(あいうえお作文)

黄昏の街を駆けて行く影法師
目眩にも似た既視感に
いつまでも立ち竦んでいた
きっと夜はまだ遠い

退屈な雨の午後
迷宮のような街を眺めていた
陰鬱な気持ちを弄ぶように
霧雨がすべてを隠して行く

戯れに言葉を紡いで
めちゃくちゃに文章を綴る
いい加減気付いたらどうだ
厳しい現実というものに

ためらいがちに弾く
メンデルスゾーンの夜曲(夢)
祈るようにいつも思っていた
君の笑顔に夢で逢えたらと

例えばこれが夢で
目覚めればすべてが元に戻っていたらと
一抹の希望胸に朝を迎えても
記憶が戻ることは決してない

誕生日を迎えるたびいつも
迷惑な朝日にとまどう
いくつもの時を数えながら
今日という日にため息


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