FACTFULNESS

Factfuiness

FACTFULNESSを読んで感じたことを、自分の経験を交えながら書かせてもらおうと思います。初めてのnoteで、拙い文章ですが、是非ともお付き合いください。

まず、FACTFULNESS(以下本書)は、ハンス・ロスリングさんが人間の思い込み、勘違いについて論じている本です。今、めっちゃ注目されていて、TSUTAYAとかでもかなり目立つ位置に、まとまった冊数売っているで、機会があれば是非見てみてください!

本書は、人間の勘違いの原因になる、本能について10項目論じられています。
それぞれの項目について、触れる前にまずはこちらをみてください。
以下本文抜粋

1.現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を終了するでしょう?
A 20%
B 40%
C 60%

2.世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?
A 50歳
B 60歳
C 70歳

3.自然災害で亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?
A 2倍以上になった
B あまり変わっていない
C 半分以下になった

このような、世界に関する知識を問う問題が13問ほど出題されています。これらの問題は、筆者が実際に世界の、科学者やビジネスマン、大学生などに出題してきた問題です。
ちなみに上の3問の答えはすべてCです。

これらの問題について今までに全問正解した人はいないらしいです。それどころか、問題によっては、正答率が10%を切る問題もあります。

ぶっちゃけ、何も知らない人、何ならチンパンジーのような生物がテキトーに選んだ方が、高得点を取れるってことです。

この結果は人間が「世界に対して何らかの勘違い」をしていることを証明しているのです。

それでは、本章で論じられている項目について、僕が面白いと感じたものを2つほどこのnoteで論じていきたいと思います。

1.分断本能
分断本能とは、常に世界は二分されていると感じてしまう思い込みのことです。
本書で触れた、具体例に落とし込んんで行きましょう。

まずはこちらの問題

・現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を終了するでしょう?
A 20%
B 40%
C 60%

冒頭で扱ったこの問題、正解はCですが、正答率は7%

また、筆者はこんな質問をアメリカとスウェーデンで行いました。
・世界の人口の何%が低所得国に住んでいると思いますか?

正解は9%だが、驚くことにこの質問に対する平均回答は59%だった。

1問目に関しては、やはりチンパンジーの方が正答率が高いし、
2問目に関しては、実際の数値と人々の感覚に大きなズレがあります。

これは分断本能によるもので、人間は物事を2つに分断したがる本能があります。この場合は、「裕福な自分たち」と「貧しいあの人たち」のような分け方を無意識にしています。

確かに「極貧の生活」と「億万長者の裕福な生活」のような2項対立は、皆さんもメディアで目にすることは多いですが、実際には中所得者が多く存在します。むしろ、極貧と億万長者は極端な例で、視聴率や購読数が必要なメディアが、人々が興味を持ちそうな外れ値に焦点を当てることは仕方ありません。

人間は本能的に劇的な外れ値に目が自然と向いてしまうのです。
話を戻しますが、現状として、世界で最も人口が多いのは、高所得国でも低所得国でもなく中所得国です。
つまり、この分断本能によって中間層についての認識が薄くなっているということです。

2.直線本能
直線本能とは、グラフ(やデータ)を見たときに、ひたすらに直線に進むと考える人間の本能である。
この本能についても少し例を見てみましょう。

・15歳未満の子どもは、現在世界に約20億人います。国連の予想では、2100年には子供の数は、約何人になるでしょうか?
A 20億人
B 40億人
C60億人

この問題の答えはAの20億人ですが、正答率は世界の多くの国で10%前後と非常に低くなっています。またしてもチンパンジーに負けてしましたね。
この原因は人間の直線本能です。特にグラフを見たときに発生する、「ひたすらに増え続ける」という勘違いです。
これは、グラフを見たときの視覚的な情報から、脳がその後の軌跡を予想することで発生します。

人間の本能は、遺伝的に受け継がれたものが多く、この本能もその一つではないかと本書には書いてあります。
確かに、狩猟文化の時代に、軌跡を予想する能力(何かが飛んできたり、動物に襲われて回避する時)は役に立つかもしれません。しかし、現在の社会状況が複雑に入り組んでいる時代の、データを見る上で適した本能とは言えません。

本書では、データが直線にならない幾つかのパターンについて説明しています。
家電製品の普及率のように、いずれは頭打ちになるS字型
貧困と虫歯の相関のように、一部がコブのように見えるコブ型
これらに加えて、直線や倍増していくグラフもあります。

つまりこの本能は、現在の社会状態に適しているものではないため、意識的に抑える必要があります。
何でもかんでも、直線のグラフに当てはめるのではなく、データに基づいた柔軟な思考が必要です。
そのためにも、直線ではないグラフがあることを、知っておくことが重要です。

ここからは、僕の経験も踏まえて事実と思い込みについて少し書かせてもらいます。
僕は今に至るまで、13年間野球を続けてきました。読んでくれている皆さんのイメージにもあると思いますが、野球界(特に高校野球)は古くからの考え方が強く文化として根付いています。髪型が丸刈り指定であったり、過度な走り込みや、長時間の練習など多くの慣習が依然として残っています。
これらの慣習に、理由がないわけではないですが、正直合理的ではありません。

同様に、野球に関しても合理的でないことが多々ありました。
例えば、逆方向(右バッターなら右方向)に打つことがいいであったり、長打を狙ってはいけないなどです。
日本でこれらの言い伝えは盲目的に信じ込まれてきましたが、事実には基づかない根拠のない(言われている理由がないわけではないが、決して合理的でない)ものです。
野球を統計学的に分析する手法に「セイバーメトリクス」があります。これは主に、戦術や選手のについてータをもとに分析し評価するものです。
「マネーボール」と言う映画(面白いから是非みてください)を皮切りに、近年注目されています。
セイバーメトリクスでは、出塁率やOPSが選手評価の際に重視されています。
OPSとは長打率+出塁率
であり、長打は重要な要素となっています。このような、客観的かつ統計的な事実があるにもかかわらず、未だに事実から目を背け、慣習に依存している指導者、チームが多くあります。
僕が、従来の考え方に疑問を抱けるようになったのは、高校2年の時でした。
もっと早く事実に目を向けることができれば、より質の高い方向性の正しい努力ができたのではないかという後悔はあります。

この本は事実について考え直すいいきっかけになると思うんで、職業年齢問わず、すべての人に読む価値があると思います。

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