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子どものための心理的応急処置

連日COVID-19の話題が報道されていますが、感染者数と死亡数をいたづらに強調し、あおるような状況に現場としては辟易しています。

そんななか、子どもたちの学校再開は国公立と私立を合わせて、全国で4割にとどまることが文部科学省のまとめで分かったとのこと、、、

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200413/k10012384261000.html

学年の変わり目ということもあり、「つながり」が切れることによる不安などもいわれてきていますね。

子どものための心理的応急処置

今回のような「非日常」に遭遇した子どもたちへの対応として、まずに参考になるのが、PFA(Psychological First Aid)と呼ばれる、「子どものための心理的応急処置」です。

これは精神的なアプローチの専門家でなくても、子どもに必要なサポートを行うための考え方です。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=73&v=JG-NQm80b3I&feature=emb_logo

どうやったらいいの?

具体的な手順は、下記のHPで解説されています。

https://www.savechildren.or.jp/lp/pfa/

当然ですが、年齢よってアプローチは変わりますが、子どもたちの様子をよく観察し、ニーズを聞いてみることからスタートします。

辛いことは人に話した方が良い

支援をするために何が起こったかを把握したい

などの気持ちから、支援者はつい、「何があったの?」「どうしたの?」「何か話したいことはある?」などと、聞いてしまいがちです(心理的デブリーフィング)が、「一緒にいるよ」「困ったときはいつでも助けるよ」という「つながり」「安心感」を提供していくことが大切です。

親も大変なんです!私が気が狂いそう!

在宅ワークが指示されている方も、学校・保育園の休学に伴って在宅ワークを余儀なくされている方もたくさんいらっしゃることでしょう。

子どもさんとの時間は幸せな一方、24時間閉鎖空間で子どもと一緒というのは大変ストレスですね。

上記の PFA を踏まえた上で、親のストレスコーピングにまで言及されたパンフレットがWHOから出されています。

https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public/healthy-parenting

英語かよ!という方には下記を。

このパンフレットを、デザイナーの方が翻訳編集して下さっているページが下記です。

https://covid-19-act.jp/parenting-who/

「デザイン」についてはお話ししたいことがたくさんありますが、別の機会に。とにかく人にわかりやすく伝える、ということにおいてデザインの持つ力は本当に注目すべきだと思っています。


本日は PFA という考え方と実践について、資料をまとめてみました。

ご質問あればコメント欄へどうぞ。こころの専門家、ではありませんができる限りお答えします。

※冒頭の写真は
https://www.savechildren.or.jp/lp/pfa/
からダウンロードできるPFAのパンフレットです。

小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン