フランス留学日記9月

目次:
➀学習状況の報告(あんまり面白くないので飛ばしてください)
➁生活状況の報告
➂心情の変化

1.学習状況の報告<科目名:>
①[Introduction to international relations ]英語で開講されている国際政治関係学の授業。日本でも同様の授業を履修してきたが、ここでは欧州の枠組みを基準とし他国を比較していることに視点の違いがある。特に日本がアジアの中の1アクターとして話の中に出てくるのは新鮮であった。まだ基礎的な内容ではあるが、英語だと聞きなれない単語も多くあるので、復習を念入りに行なっていきたい。
②[International cooperation ]こちらはまだ授業を受けていない。他の科目と悩んでいたが国際関係学を勉強している留学生の友人に勧められてこちらを履修することに決めた。内容としては民間団体やNGO団体などの様々なアクターを取り上げ、それぞれがどのように国際的な舞台で機能しているのかをみるものらしい。10月から授業に参加する。
③[Modern dance ](10月から)学部生が無料で履修できるダンスの授業。通常ならば試験はフランス語で実施されるが、懇願しなんとか英語でテストを受けさせてもらえるようになった。
この他にもフランス語学の授業がある。こちらは他の留学生(私と同レベルのフランス語)と一緒に自分たちのレベルの授業も開講してほしいと学生センターから教授にまで懇願しに行った。上記のように恥ずかしいケースも多いが、授業やサークルの組織など大学における活動範囲を広げるためにかなり意欲的に働きかけている。その際大学の留学生担当の方にはかなりお世話になっており、「メイ(フランスではmaiはメイと発音する)また来たのね!今日はどんな質問かしら」と笑いながら優しく対応してくださるため本当に感謝している。
総じて今月は授業が始まったばかりである。また10月からは授業と並行して、自身の関心のある欧州の移民政策を別途で学ぶため、ヴェルサイユ大学で移民学をフランス語で教えているNicolas 教授ともコンタクトを取っていきたいと考えている。同教授とは日本に居た時から既に連絡を取っており、フランスパリでの移民難民をサポートする団体等を紹介してくださる予定だ。どの程度この問題に関わることが出来るのか今は未知数であるが、一年をかけてフランスの移民政策の実情を学んでいきたいと考えている。

<語学について>
英語に関しては日常的に会話に困ることはない。留学生同士の会話は英語が頻繁に使われており、特に欧州では英語は第二言語の学生がほとんどなので話すスピードも速すぎることはない。ただ授業中は教授の話を100%聞き取ることが出来ないため、録音機能を利用しながら常に耳を研ぎ澄ましている状態だ。
問題はフランス語である。派遣留学自体は英語で受験し、留学が決まってからもこちらでは英語で授業を受けるつもりであった。また渡仏前は仏検も受験し、それなりの準備をしていたつもりだったが完全に甘かった。全くといっていいほどフランス語が話せない。フランスに来てから様々な場面でフランス語が話せたら楽だろうな、何よりもっと楽しめるだろうなと実感することが多い。例えば、大学の手続きはほとんどフランス語なため、法政からの留学生や現地の学生に助けられながら進めることが多い。観光をしていても美術館の展示物の解説はフランス語表記であるなどと、理解に欠ける場面もあった。
そこで渡仏前の語学における目標設定を見直すことにした。英語を伸ばすのはもちろんの事、フランス語に多くの時間を割いていきたい。具体的にはフランス語の授業、フランス語の自主学習時間の確保、可能であればパリでの語学講座への参加。また、Erasmus(欧州の留学制度)で来ている留学生と一緒に定期的に勉強会を開き勉強のモチベーションを保っていきたい。

2.生活状況の報告
周りの人への感謝。この思いを常に感じた一か月であった。まず着いて一週間後の日曜に体調を崩し、同じ法政大学からの留学生に助けられながら向かったパリの病院(アメリカンホスピタル)で精密検査を受け点滴を打った。幸いにも同所には日本人医師が在籍しており、診察も日本語で受けることが出来た。原因はおそらく出発前のタイトなスケジュールと到着後のオリエンテーションによる疲労の蓄積だった。(もし次期派遣生に読んでいただけているのなら、出発前の予定管理には十分に余裕を持つよう伝えさせていただきたい)。
フランスは大学から住宅等生活に関わるもの全ての手続きが煩雑である。(語学の問題もあるが、例えば何らかの申請をしても返事が返ってこないことは最早当たり前だ)そんな中で、同じ派遣生の二人と現地の学生にはかなりサポートしもらいながら何とか手続きを進めることが出来ている。
また出会ったErasmusの留学生の中にはフランスに精通している学生も多く、ヴェルサイユ宮殿での夜間花火イベント、パリでのオペラ鑑賞、コンサートやお勧めのレストラン等にも連れて行ってもらった。月末にはペルー、ドイル、ベルギーそしてイタリアからの留学生と共にErasumsツアーに申し込み、一泊二日でモンサンミッシェルに出かけた。二日目にはSaint-Montという港に訪れたのだが、ここで見た海の景色が本当に素晴らしかったので是非とも再度訪れたいと思う。このツアーには他大学からの学生も多く参加しており、ツアーを通じて大学外の交流も広げることができ、かつ値段も学生料金なのでフランス留学生には是非ともお勧めしたい。
加えて、個人的にパリでの日本人会やパリディドロ大学での日本人交流イベントなどにも足を運んだ。それぞれの場で知り合った人から更に輪が広がっていき、情報も多く入手できるため今後も様々なイベントに積極的に参加していきたい。
最後に、生活面において一番驚いたことはフランスの食べ物は本当においしいということだ。私自身日本に居た時から食べることが大好きで、よく美味しい店を紹介することから友人に“歩く食べログ”ともいわれていた。フランスに来てパン屋さんはもちろん、沢山の食べ物を食べたが、どれもクオリティが高く感動する味ばかりだった。もちろん物価は高く外食するのにも相当なお金がかかるのだが、それに見合った満足さに満たされる日々を過ごしている。これまで訪れた国々では食に困ることも多々あったが、フランスではその心配がないので安心している。また、フランス食文化への感動を共有したいという思いからSNSでのグルメ記事を発信していくことに決めた。(Instagram:arukutabelogu_pecopecoというアカウントで情報発信を行っているので、もし良ければ覗いてみてください。今後はnoteでも発信していく予定です)

3.その他(今、感じていること~心境の変化やご自分の成長等)
この一か月はまさに怒涛の日々を過ごしていた。とにかく交流の場を広げるために外へ外へと意識して行動していた。その中で大きな出来事があったため、それをこの項目で述べたいと思う。
それは欧州における日本文化についてだ。私は高校から大学まで競技かるたの選手として活動していたため、フランスパリにある競技かるたのコミュニティでも活動を行っていきたいと考えていた。実際にパリにある練習場に訪れた際、日本文化のかるたを日本語で競技している姿に驚いた。この日はフランス人だけではなく、ブラジルからの選手も参加していたのだが、彼らは皆日本語が話せるわけではない。試合の説明や競技中の話し合い等は全てフランス語と英語を使って行われ、その中に混じって同じルールでかるたを取れることが不思議かつ新鮮だった。そして何より勝つために試合をしていた自分とは正反対に楽しそうにかるたを取る彼らの姿をみて、新しいかるたの一面を発見出来た。
私はかるたを通じた交流の場をフランスだけではなく、欧州全体に広げていきたいと考えている。具体的には同じく欧州に留学中のかるたの先輩と共にイタリア、ハンガリーそしてドイツといった国々でかるたを競技している、もしくはかるたに興味のある人を集めたイベントを企画したい。自分の経験を活かし、欧州で日本文化を楽しんでいる方々にとって何か役に立つことが出来れば本望である。これが留学中に成し遂げたい大きな目標になった。
最後に自身の心情の変化について。この一か月は全ての事に身を委ねて生活を送ってきた。誘われればどこにでも飛んでいき、とにかく何も考えずにひたすらに行動するという日本に居た時とはうって変わったスタイルだ。その甲斐あってか一か月かけて生活には馴染みつつ毎日とても楽しく過ごせている。一方でフランスでの勉強や自身の将来の方向性についてまだまだ考えられていないことも多くある。残り8ヵ月という限られた時間の中で何をどこまでやっていけるのか常に意識しながら過ごしていきたい。

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