皆独特!キルギスの三人の画家展
こんにちは、キルギス在住の幸夫です。久しぶりにキルギスのデパートで面白そうな展覧会が開かれていたので、早速見に来ました。その名も、「画家展」!!!
ポスターを見てみると、どうやらキルギスの3人の画家の作品を紹介する展覧会の様です。これは面白そう。ということで、3人の絵について順番に一緒に見ていきましょう。
●Жыргал Матураимов (ジルガル マトゥライモフ)
タイトル:秋
はい、もう好き。この画家好きです。どうして良い絵って、綺麗なだけではなくて、影の冷たさや太陽の眩しさ、木々の擦れる音等、視覚以外の感覚を感じることができるんでしょう。思わずこの絵画の世界に入り込んでしまいそうになります。
タイトル:湖に帰る
えっ!!??同じ画家の作品!??ってくらい雰囲気が違って、さっきの五感で感じる様な絵ではなく、ファンタジーチックな色合いの美しい馬。ああ、でもよくよく見ているとだんだん馬と馬に注がれた太陽の温かみを感じてきました。やっぱり同じ画家の作品ですね。
タイトル:ホテルにて
これまたかなり雰囲気が違いますが、こちらも太陽の温かみを感じますね。左にある黄色いのは何だろうとしばらく考えていたのですが、多分メロンですね。デッカいメロンだ・・・。遠い場所に旅行に来たら、現地の人にもらったんでしょうか。優しい光がメロンに注がれているので、きっといい思い出があるんでしょうね。
タイトル:回帰(Возвращение)
あれ???今までと全然違う!!!???ちょっと怖い雰囲気です。元気のない老人に、猫も心配そうに寄り添っています。タイトルも「Возвращение」を個人的に「回帰」と訳させていただいたのですが、何への回帰なんでしょう・・・。それとももっといい訳があるんでしょうか。知ってる人はコメントで教えてください・・・。
タイトル:みかんをどうぞ
静物画!この画家の作品も今日はこれが最後の様ですね。ビニールに入ったみかんと置いてるだけのみかんの描き分け、透明なグラスとその影、キラキラとひかる魚のお腹。画家の画力の高さを感じますね・・・・ちょっと待って!
この下地に敷いてる紙!何か印刷された紙をそのまま張り付けてる!!!面白い!!!
作品毎に新しい一面を見せてくれる大変面白い画家さんでした!今後またこの方の新しい絵が飾られるのが待ち遠しいです。
●Насиридин уулу Абай(ナシリジン・ウール・アバイ)
タイトル:名無し
おおおおぉ・・・またこれはコメントしにくい・・・。しかしよく見ると、吸われてる女性はつまらなそうに明後日の方向を向いて不満そう。男性は大切(?)な下半身がなく、いきなりお腹から足が生えてます。二人の肌も意図的に線が引かれていて、なんだかカサカサ乾燥肌。タイトルを見ても、「名無し」。これは社会派な画家なんでしょうか。とりあえず次にいきましょう。
タイトル:ビシュケクにモーツァルトが来た
怖い。しかし「モーツァルトが来た」ということは、このおじさんは初めて聞いたんでしょうが、ヘッドホンなんですね。現代までずっとモーツァルトがビシュケクでは聞けなかったんでしょうか・・・。そしてこのおじさんはどうして目が描かれてないんでしょうか・・・。いろいろ考えさせられてしまいます。
タイトル:渇き
犬と青年が水溜まりで喉を潤すこの状況・・・渇きって・・・。なんだか切なくなってきたんですが、よー--く見ると、水溜まりの中に魚がいます。もしかして渇きって、彼らの喉が渇いたんじゃなくて、湖が渇いたってこと!?あと、考えすぎかもですが、青年の顔は水に写っているのに、犬の顔は写っていないのは何か意味があるんでしょうか。やはり見れば見るほど考えさせられてしまいます。
タイトル:私は30歳(私の頭)
30歳男性が1人でナイフ一本持って山羊の頭を食べる絵。こんな絵キルギス以外で出会えるでしょうか。タイトルの副題として書かれている(私の頭)の文字。頭って下の方の事じゃないよね・・・・?怖い。
タイトル:レベッカ
あ、今度は女の子の絵ですね。そしてこれがこの画家の今回紹介させて頂く最後の絵です。女の子の貧しそうな感じが・・・・レベッカァァァァ!!!手に何持ってるのー---!!!???しかもこの袋、画像じゃ分かりにくいんですが、一部が意図的に少し立体的に飛び出てます。一体何の何が袋から飛び出そうになってるんですか!!!
全体的にとても考えさせられた画家でした。髑髏と目が合った気がして、レベッカの絵が忘れられません・・・。
●Алмаз Шаршекеев(アルマズ・シャルシェケェフ)
タイトル:ビシュケク
かなりデフォルメされた風景ですが、ビシュケクに来た事がある人なら誰もが分かるビシュケクの美しい風景。この画家さんは見覚えがあります。この方は、絵を見て、タイトルを予想するという楽しみ方ができるので、2度楽しめるんです。今回はどんな絵を書いてくれているのでしょうか。
タイトル:ペリ
この方の人物画は初めて見ました。きっとこの女性の名前がペリなんでしょう。ここは夜のお店?それとも雨に濡れた道路と繁華街のネオン?何故彼女は哀しそうに横を向いているのでしょうか。先ほどのアバイ氏の絵を見ていたせいか、いろいろと考えてしまいます。
タイトル:金持ちの庭
ストレートなタイトルですが、納得。これは金持ちの庭。広いお家にに色とりどりの花が咲くお金持ちの庭。何気にその金持ちの家の塀にサインしている作者がちょっとお茶目に感じます。
タイトル:アイザット
綺麗な女の子の肖像ですが、青の主張が強い!でも不思議と邪魔していない。それよりも気になるのは、異常に大きい女の子の右手。なんだかピカソの「バリザンを飲む女」を思い出しました。もしかしてこの画家さんも解剖学から解き放たれようとしているのでしょうか。これからどうなっていくのか楽しみです。
タイトル:家族の村
水面に写る故郷って感じでしょうか。我々「ペコ」の中には「水面に写る街の専門家」がいるのですが、是非意見を聞いてみたいですね。
でもやはり故郷の絵だからか、他の絵よりも優しい雰囲気がある気がします。
タイトル:秋のメロディ
秋のメロディ!良いタイトルですね。たぶんこの絵もビシュケク。秋のメロディ・・・いったいどんなメロディがこのアルマズ氏に聞こえていたんでしょう。この絵画の場所を探してみたくなります。
タイトル:ピンクのオーラ
あ、この絵画の雰囲気が私が今まで見てきたこのアルマズ氏の絵画のイメージですね。一見何の絵か分からないんですが、タイトルを見てみるとだんだん分かってくる。この感覚が面白いんです。この絵のタイトルは・・・「ピンクのオーラ」・・・。すみません、何の絵か分かりませんでした・・・・。
タイトル:ファラオの夢
さて、この絵は何でしょう・・・。ファラオのマスクだ!!!いったいどんな夢をみているんでしょうか。キラキラとした世界で牛がいっぱい・・・きっといい夢なんでしょう。せめて絵の中だけでも安らかに眠って欲しいです。
タイトル:陰陽
この絵は・・・なるほど!陰陽!分かりやすい!!!「陰」と「陽」がはっきりと分かれてますね。でも陰の中に陽もあるし、陽の中にも陰はあるし、陰の中に光る赤いものは「陽」でしょうか。「陰」でしょうか。不思議とずっと見ていられます。飾っている場所的にも今回の目玉として飾られている様子。ずっと見ていたら、インスタ女子達に「写真撮るからどいて!」と言われてしまいました・・・。君達・・・それ自分たちばっかり写ってて、絵が半分くらいしか写ってないのでは・・・?と思いましたが、これはこれ。楽しみ方は人それぞれ、正しい見方なんてない。何より楽しそうに展覧会に来ている。それ以上のことはないです。
アルマズ氏、今回の展覧会の中でも1番足を止める方が多く、ついつい見てしまうし、記憶に残る絵画が多くて楽しい絵でした。
今回の3人は皆全然雰囲気が違っていて、次にどんな絵がでるか気になる素晴らしい方々でした!また早く次の展覧会やってほしいですね。By 幸夫
『ぺテルで劇場へ行こう!』、ペコのサイトにぜひ遊びにきてくださいね。
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