見出し画像

大好きな人と恋人をやめた話

約2年付き合った大好きな人と恋人をやめた。

最初に言っておくと「好きじゃなくなった」だとか「喧嘩した」だとかそういう別れではなく「大切だから」お別れした。

お互いがお互いを大切に思っているからこその別れだった。

別れることになった1番の理由は、2つ年上の彼が社会人になってからの環境の変化によって起きたすれ違いが、彼と私を苦しめていたということだ。

そんな私たちが別れ話をする1日前、私たち二人はそれぞれ行きたい場所に一人で旅行に行っていた。
お互いが1人の時間を楽しみ、いいなと思った写真は送り合って、1人だけど2人でいるみたいな、とてもいい旅行になった。これから先もこうやって、お互いの良いなと思ったものは共有して、いつか一緒に行こうと約束できると思っていた。

こうして旅行から帰ってきた次の日、彼の方から別れ話をされた。
正確には「別れ話し合い」だと思う。

楽しかった次の日にこんな話になるとは思っていなかったけど、私たちは今まで言わなかっただけでなんとなくこの話をいつかは話し合わないといけないと分かっていた。

春から社会人になる私と、社会人2年目を迎える彼。
個人での負担が増えるようになる時に今までのようなすれ違いが続くことで、お互いの恋愛面での負担は作りたくなかった。
本当にお互いがお互いのことを大切に思っているのに、すれ違いが積み重なってお互いのことを嫌いになってしまうのが怖かった。
だけど好きだから、別れたくなんてないから、別れるべきなのか否かで何時間も話し合った。それが「別れ話し合い」。

たくさん悩んだけど、最終的には彼の「別れよう」という言葉を受け入れた。

私はそこで初めて知ったのだけど、彼は私の就職が決まったその日からこのことについてすっごく悩んでいたらしい。
ひとりで抱え込ませて本当に申し訳なかったと思う。
私が思っていた以上に彼は私とのことを真剣に大切に考えてくれていたことを知った。

別れることが決まったあと、私は彼に感謝の気持ちを伝えたくて「来週、デートに行こう!」と誘った。
もう別れ話をしたあとで恋人では無くなっているから彼もなんて返せばいいか困っていたけど「行こっか」と言ってくれたので、2人で鎌倉に行くことになった。

そうして彼と最後のデート当日、気温は低くて、しかもその日だけ雨だったけど、私はもちろん彼もとても楽しんでくれていたので嬉しかった。
帰りの車の中で彼が、
別れたからといって関係が完全に終わるわけじゃないし、元気でいて欲しいって心から願ってる。恋人では無くなったけど、大切な人には変わりない。
と言ってくれた。
彼が私を嫌いになっていないという事実だけが本当に嬉しかったし、彼の言葉をそっくりそのまま彼に渡したいくらい、私も同じ気持ちだった。

今思えば本当に運命みたいな出会い方だったし、こんなに素敵な人が存在していたのかと疑うくらい最高の彼氏だった。
「好きになってくれてありがとう」
「本当にありがとう」
最後、めっちゃ泣いた。2人で沢山泣いた。
遠距離のとき以来、彼があんなに泣いているところを見た。
泣き虫の私より、普段泣かない彼の方が泣いていた。
いっぱい泣いて、たくさん愛と感謝を伝えて、私たちは昨日を終わった。

私は今まで、「好きなのに別れる」という選択をとるカップルを理解することができなかった。
でも、「好きだから別れる」こともあるんだなって自分が経験して思った。
本当に彼のことを好きだからこそ、恋人を辞めることにした。

だけれども私たちは、恋人を辞めるだけでお互い大切な存在だから、友達になるつもりはなくて。
思い出の写真たちも消さないしもらったものも捨てないし、余裕があるときには時間がかかっても会いに行くし、悩んでるときはそばにいてあげたい。

もちろん、彼に恋人ができるまでの間だけ。

それなら「別れた意味ないんじゃ?」と感じる人もいると思うけれど、付き合っていると会うことや連絡をとることが義務になってしまうから。
恋人ではなくなったらLINEでの「おはよう」や「おやすみ」も無くなる。それと一緒にちょっとした負担も無くなる。すこし寂しいけれど、恋人っていう肩書きが外れるだけで結構変わると思う。軽くなるというか。

そしてこれは私と彼にしか分からないことだけど、私たちは付き合っている時から「恋人」であり「親友」であり「家族」のようで、時には先輩後輩でもあって、
人生のなかでたったの2年しか一緒にいなかったのに、恋人という次元を超えてしまうくらい深い何かが生まれていたと思う。

これからは、そういう肩書きがない関係になるけど、お互い心から大切に思える存在だということに変わりはない。

それに私たちは、これから先また2人が恋人になる可能性はゼロではないと思っています。
お互いが成長した先でまた一緒になることができたらそれが一番いいねという話をしたので、そんな未来が来るように、今は自分にできることと、周りの人を幸せにするために色々と頑張っていこうって感じです。

別れることや恋人では無くなるということは、悲しいことだけではないということを知って欲しいと思って書きました。

大切な彼が、幸せに生きられますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?