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「男の手は女性を守るため

    大きくなくちゃいけないからね」


そう 真顔で言うあなた

不器用だけど まっすぐな

そんなあなたの大きな手に

守られてみたい…

その時 この世界は

どんな色に

見えるようになるのだろう…


今まで何人の手を取り

今まで何人の手を放してきたのかな


あなたの純粋な光は

この世界では眩しすぎて

見つめていると

すべてを見失いそうで

なんだかちょっと怖くなる


その美しい光に

どうしようもなく惹かれるのに

光を覆う氷の鎧は

時折とっても冷たくて

触れると指がかじかんで

寒さに胸がふいに痛む


わたしの息は

氷の鎧を溶かすためにあるんじゃなくて

わたしの息は

わたしの指を暖めることしか出来ないと

それを知った今なら

あなたのその大きな手を

愛し続けることも出来るかな


鎧の隙間から

木漏れ日のように

届く光が眩しくて

涙が溢れてしまうから…

 

差しのべられた

その大きな手に

そっと指を置いてみた



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