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仮設出しの注意点!

ビジネス課題に仮設出しは不可欠!

ビジネス課題に辿り着くまでには大きく2つのステップが大切だ。

まず、1つ目のステップは「『ギャップ=問題』の箇所を突き詰めること。」
問題が起こっているのは、どこでどんなギャップが起きているのかを探り当てることだ。

そして、2つ目のステップは、「そのギャップが生まれている理由・背景に対する仮説を見つけて、『ビジネス課題』を設定すること。」

今回は特に、大切な2つ目のステップについて細かく解説していく。

先週の記事でもお伝えしたが、ビジネス課題を解決する為には「仮設出し」が非常に重要で、
この仮設出しにあまりお金や時間をかけないという発想は本質的なビジネス課題の問題や背景を探り当てることを遠ざけてしまう。

例えば、早く解決したいという気持ちから、早めに仮設を設定して、早めに検証してしまおうというケース。
こういうパターンはアイデア出しが少なく、仮設出しのリサーチを疎かにししてしまうので、検証の為のリサーチだけして終わってしまうことがよくある。


例えば、P&Gのリサーチ、データ分析のトピックスを取り上げると、
「『洗濯嫌いな主婦』が『洗剤』や『柔軟剤』に興味を持ってもらい新しい顧客層を開拓していく」というビジネス課題が持ち上がった時に、❝洗濯はめんどくさい❞❝家事を疎かにしていてだらしない人❞と仮説を立てたとする。

しかし、もう少しリサーチしてみると、
中には「家事はめんどくさいし、好きじゃないけど出来るだけ楽に済ませたい。」という方や、
「楽しいことや可愛いものが好きだから可愛いシールを貼ったり、面白い洗濯バサミを使っている。」という人も現れた。

これを踏まえると、洗濯嫌いな主婦たちは単純に「めんどくさい」「つまらない」「やりたくない」という想いを抱いている訳ではなく、
「家族が日々楽しく過ごせるように自分も笑顔でいること」「楽しいことや可愛いことをどんどん取り入れて、生活を豊かにすることを工夫していること」など新たなインサイト(発見)が見えてきた。

そこで、P&Gは「洗剤なんてどれも一緒」「ブランド間で差別化が出来ず、安売りに走っている」という既存のパラダイムから抜け出し、「楽しく笑顔で洗濯できる洗剤」を目標設定し、自社製品のアリエールやボールドのブランドリニューアルに着手した。

ボールドは柔軟剤成分入りで香りが良いことをアピールし、パッケージもターゲットが好むような花柄のデザインに変更、テレビCMも大きくリニューアルした。
一方、アリエールは「洗濯好き・家事好き・清潔好き」のユーザーをターゲットに、「清潔」を極めるブランドにリニューアルした。

その結果、ブランド間の差別化を実現し、P&Gジャパンはメーカー別で市場シェア1位を獲得することに成功した。

これはやはり、消費者の生の声に耳を傾け、その問題や背景を深く探り当てたからこそ、辿り着いたインサイトだろう。

つまり、自分達のパラダイムの制約を受けて見えなくなっていた「現状理解」を消費者である主婦たちが教えてくれたことで、問題解決に繋がる糸口を発見することが出来た。

このようにメーカーサイドでは差別化が出来ていると思っていても、ユーザーには差別化出来ていないというケースは多く存在する。

「洗濯嫌いな主婦」がいるのであれば、それを「悪い主婦」と一括りにするのではなく、「じゃあ何が好きなんだろう?」という視点を持ち、そこにいる人たちの世界を理解する。

そうすることで、新たな顧客セグメントが見つかったり、無意識的にその人たちが持っている大事なヒントを見逃していたことに気づかされる。

何よりも大事なことは、自分達が理解できない人たちのことを見下さないことである。
自分達のパラダイムに合わない人ほど、新しい発見の可能性に満ち溢れているという意識が仮設出しでは大切な作業となる。

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