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【雑感】選ぶのか、付いてくるのか

いらっしゃいませ!pekomoguです。
この挨拶で雑感は始めさせていただこうかなと思っています。
北海道はやっと、数日前から近所で桜が見頃を迎えております。
日本がとても縦長であることを実感します。
三寒四温、季節の変わり目は身体の調子も整えるのが難しいですね。
私はというと、正露丸が手離せません。

さて、今日のテーマはこちら。
食べ物を粗末にしてほしくない、です。

プロフィールでも書いておりますが、私はカフェを営んでまして、夫は調理担当、私は接客・広報担当という役割分担です。
それで、少しでも当店をご利用いただいているお客様に感謝の気持ちを込めて、スタンプカードがたまったら「プリン1個無料」をしているのですが、この「無料」が曲者で。他にも年末年始に渡すお年玉券で、テイクアウト商品2個無料、または、店内利用で最大4名までプリン無料、というのをやっております。

無料
だと、
残す方が多いのです。

店側としては、サービスのひとつですので気にしません。
いえ、気にしないふりをしています。
でも心の中では思ってしまうのです。

残すくらいなら、食事量を減らすなりの工夫をしていただきたい。

幸いなことに「不味くて残してしまう」ことはなく、「食べきれなくて」が残す理由です。子供なら分かります。満腹かどうかは食べ進めてみないと分からないことですからね。
プリンを食べたいから食事の方を残す方もいます。
大人でしたら、ちょっと腹七分目までに食事を減らして、それで無料プリンを味わっていただきたいなと思ってしまいます。

プリンを作るには、
牛乳、卵、砂糖 が必要です。
当店のプリンの原材料はたったそれだけです。

それだけの食材は、自分たちでは作ることができません。
牛乳には牛さんが、卵には鶏さんが、砂糖は畑と農家さんが必要です。
牛や鶏、豚、魚を育てたり出荷したり加工したりする人も必要です。
裏庭で彼らを飼っているわけではないので。
お金という対価でもって仕入れております。
あらゆる人の手に支えられて、食材を仕入れている。
それを、私達はプリンの形にしてお客様にご提供している。

そう考えると、残しているのはお客様ですが、私はいつも食材とそれに関わる方々に謝罪をするのです。きちんと食べていただけなくて、申し訳ありませんでした、と。
夫にも謝罪します。接客でもっと良い提案ができていれば、もしかしたらプリンを無駄にしないで済んだのかもしれないですから。

食品ロスが…とかいうのは、廃棄量を減らす=企業の廃棄にかかる費用コストを抑える、という話ですが、本当はもっと原点が大事と思っております。
自分で作れないから有り難く命をいただいているのに、それを捨てる。
怒りでもなく非難でもなく、あるのは悲しみだけです。


ご自身で「選んで」プリンをご注文される方は、まず残しません。
食べたいから選んでいるのですから。
だから結局は気持ちの話なのでしょう。

お金払っているんだから、残す残さないのは客の自由でしょ?
たとえ残したってきちんと払っているんだから店に損はないでしょう?
そうおっしゃる方は、正論なのでしょうね。
私はそれを言いたいのではない。
そもそも損得で言えば無料にしている時点で店側は損です。
喜んでいただきたいから、夫がものすごい時間をかけて作った食事を召し上がっていただきたいから、するのです。


一人の人間が言うことは豆粒のようで、暖簾に腕押し。糠に釘。
でも言わずにはいられない。
強制ではないんです、格言めいたことを言いたいわけでもない、
ただ、残してもいい、が当たり前になってほしくない
それだけなんです…。

店側としては、ごはんの量や添え物の量を調整することは可能です。
とんかつ屋さんでは私はいつもキャベツの量を半分以下にお願いしていますし、大抵のお店は了承してくれます。これは大変ありがたいです。
日によってお腹の具合は違うでしょうし、お客様の希望をもっと伝えてもいいのでは、と個人的には思います。アレルギーのある方は必ず確認しないといけないので、言いにくさもあって外食のハードルがすごく高くなるとおっしゃられていました。

私にできることは、話しやすい雰囲気づくりでしょうか。
大混雑時では難しいけれど、ちょっとしたことを気軽に相談できるスタッフであれば、食事もより楽しいと感じていただけると思うので。

「このランチは量が多そうね。デザートは食べてみてから決めていい?」
どうぞどうぞ。遠慮なくどうぞ。
「子供とシェアしたいけれど、カラメルソースを抜くことはできますか?」
できますできます。言っていただいてありがとうございます。
「ネギ抜ける?玉ねぎは大丈夫だけど、生のネギはちょっと……」
抜けます。
「生クリームもカラメルもいらない」
抜きます。
「ソースを別添えにしてほしい」
しまーす。

ここまでくると、完全オーダーメイドカフェです。
珍しいと、よく言われます。

完全にタブレット注文型に変わってしまうと、こういうやり取りがなくなってしまうので、ちょっと寂しいなと思う今日この頃です。


最後までお読みいただき感謝申し上げます。

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