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手術から二ヶ月、このひと月のことなど。

毎度のことながらあっという間にひと月が経ち、ついこの間明けたばかりだったはずの今年も1月が終わり、気付けばもう2月も2週目を迎えようとしている。
時間の過ぎるのが速くて本当に驚くけれど、手術からも、もう2ヶ月が過ぎたことになる。
傷の経過はとても順調だと思うし、1月から再開した治療もキイトルーダだけなので、穏やかに過ごせている。
頭の毛も少しずつ生えてきたし、生え始めは頼りない産毛のようだった睫毛も少ししっかりしてきた。

手術の後、体重は1キロちょっと減った。
これはおそらく、物理的に、右胸の質量だ。
さして豊満でもなかった私の胸であるが、取ってしまうと、それはそれでそれなりの量があったのだなあと実感させられた出来事の一つだった。

それからもう一つ。
抗がん剤を打っていた時は気が付かなかったけれど、今頃になって、爪に3本の白い帯のような線が目につくようになってきた。
爪が伸びてくるに従って、4回やったAC療法の痕跡が、模様のように浮かび上がってきたのだと思う。(冬になって乾燥して目立ってきたのもあるかもしれない)
こんなふうに、少しずつ、身体から抗がん剤の痕跡が出てきて、消えて行こうとしている。少しずつ、身体はデトックスしているのだなあと思った。
次の抗がん剤まで間のあくこの半年を、身体は求めていたのかもしれない。

そんなことごとがなんともいじらしく感じられて、なんだか自分の身体が愛おしくなった。あまり今まで思ったことがなくて、少し不思議な感じだけれど、そんなことを感じた1月だった。

◇ ◇ ◇

それから、今年の1月は、珍しく何度かお詣りに行ってきた。

もともと我が家は不信心でお詣りもあまり行く習慣がなく、旅行に行った時に観光気分で行ったりするくらいなのだが、去年、特に手術の前に、友人や仲間たちからお守りを送って戴いたり、「お参りしてきたよ」と言われたりして、改めて “お詣り” というものを意識したのであった。
手術も無事に終わって一つ山を超えたことは確かだし、お正月には、みんなからのお祈りやエールで支えられたお礼に行こうと思ったのだった。

松の内には近所の神社に初詣に、中旬には鎌倉鶴岡八幡宮にお詣りに行き、友人たちへの感謝と今度は彼らを支えてほしいとお願いをしてきて、きっとまだ足りていないかもしれないけれど、ちょっとほっとした。

どちらの神社でも、おみくじを引いてみた。
吉と末吉で、末吉の方も全体にいい内容だった。病気については、「養生に心して回復する」と「注意を怠る勿れ」。
身体の声を聞いて注意すればいいのだなと、これまたちょっとほっとする。
年初めのおみくじは、優しくて嬉しかった。
でも、「神仏を信じ 人の言に惑わされず 独断におちいらなければ」ともある。
こちらの信心にちゃんと釘を刺すことも忘れてはいない様子で、少し笑った。

ぱかっと笑顔のように見える鶴岡八幡宮の
参道の阿形の狛犬さん(獅子さん?)


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