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言える相手、言えない相手

病気のことを、言える友達と言いにくい友達。
一体何が違うんだろう。
大学時代の友達と、短い時間だったけれど久しぶりに会うことができた。
でも病気のことは、なんでだろう、言えなかったし言わなかった。

友達、仲間、同僚。これまでに病気のことを伝えてきた人たちはいる。
お稽古で一緒の、友達とは違う人たちにも伝えられているのに、伝えられない気持ちになることがあるとは。
なぜなのか。

またしばらく会うことがないだろう相手だから?
元気なままだと思っていて欲しいから?
不幸でかわいそうだと思われたくないから?
勝手にあれこれ想像して欲しくないから?
余計なことで気を遣わせたり煩わせたくないから?
突然伝えたあとの反応が怖いから?

友達だからといって、必ず伝えなきゃいけないわけじゃない。
友達に対して、全ておんなじに、平等な対応にしないといけないわけじゃない。
伝えたら、それはそれで、きっと別になんていうこともないんだろうとも思う。
でも、自分でも理由がはっきり分からないまま、分けて、黙っている自分に少し嫌な気持ちになる。
言えなくてごめんね。

一晩寝て目が覚めて、少しだけ思ったことは、「今」身近にいるのかどうかということ。
何年かぶりに会って、でもまた今度会うのはどのくらい先か分からない。
だから、敢えて「今」伝えなくていいと思っているのかもしれない。
考えてみれば、告知からまだ一年足らず。治療だってまだ終わっていないのだ。
結局のところ、自分自身、100%、まだ全てを受け入れ切れていないのかもしれない。

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