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年末の本とCD

昨日は「KISS IN THE DARKNESS」を聴いたあと、ちょっと仮眠でもしておこうと思って、処方されている睡眠薬の2日分を飲んだら20時まで寝てしまった。ちょうど、オール・アバウト・イヴの「イヴの序曲(1stアルバム)」とイザベル・アンテナの「Les Derniers Guerriers Romantiques(台湾盤)」を落札し、その支払いに行ったあと、何気なくテレビを見ていたら、ついでにハービー・ハンコックの「カルテット」聴いていたので、もう一度、近所のローソンへ行ったあと、ブログの投稿をやっていたら日付が変わっていた。断酒5日目。
アンテナやハービー・ハンコックは有名なので説明はいらないだろう。オール・アバウト・イヴはヴォーカルのジュリアンヌ・リーガンを中心にイギリスで結成。インディーズ・レーベルから2枚のシングルをリリースした後、ミッションのウェイン・ハッセイと知り合ったことでウェイン・ハッセイのプロデュースの下シングルをリリース、ミッションのツアー・サポートを務める等し、一躍メジャー・バンドの仲間入りを果たした。
支払いを済ませて今日のブログの記事を投稿した後、バットホール・サーファーズとミニストリー、ミートビートマニフェスト、ポップ・ウィル・イート・イットセルフのCDをBGMに「チベットの祈り、中国の揺らぎ」を読む。どれらもインダストリアルに分類されているようだが、リズミカルで、非常階段のパワーエレクトロニクスを聴いたあとではポップに聞こえる。ポップ・ウィル・イート・イットセルフはイギリスのロック・バンドであるが、1990年に発表した「Touched by the Hand of Cicciolina」ではチッチョリーナは歌ってはいないが、ジャケットとプロモーション・ビデオに登場。1990年のFIFAワールドカップの優勝トロフィー授与はチッチョリーナに任せよう、という内容の署名嘆願書が封入されていた。また、日本の電気グルーヴにも強い影響を与えている。
はじめはベッドで横になりながら読んでいたのだが、気が散ってパソコンのテーブルに移動してきた。今日はブックオフオンラインで注文していた本が多分午前中、早い時間に届く予定である。なぜなら、神奈川西郵便局から送られてきた荷物が昨日の23時48分には新大阪郵便局を中継しているからだ。
10時半になって荷物が届いてに内容を確認した。注文していたものは「夢野久作全集(3)(4)」と、マルキ・ド・サド(澁澤龍彦訳)「新ジュスティーヌ」、「ソドム120日」、それから川田進の「天空の聖域ラルンガル ―東チベット宗教都市への旅(フィールドワーク)」である。特に最後の一冊は、入荷お知らせメールが届いた瞬間カートに入れて注文に進んだ本である。
ラルンガル五明佛学院は、中国四川省カンゼ・チベット族自治州色達県にある世界最大の仏教学院である。標高4千メートルの高地に、4万以上の修行小屋が立ち並ぶチベット仏教の聖地である。この僧院(僧院というよりも学校)の目的は、チベット仏教の宗教的な教育を提供し、中国文化大革命後のチベット全土の学識と瞑想を刷新する必要性を満たす事であった。隔絶された地であるにも関わらず、1980年当初はチベット仏教の高僧ジグメ・プンツォクの家に集った少数の弟子たちのみであったが、2000年までに約1万人、 2015年には4万人に達した。この事態を重く見た中国政府は度々僧坊を破壊して、僧侶、尼僧、修行者を追放している。しかし、フォトジェニックな絶景が広がっているので、外国人には現在のところ開放されていないが、目指すバックパッカーは多い。
郵便局が来たついでにマンションの1階の郵便ボックスを確認すると、「Bis階段」も届いていた。それを聴きながら「FOOL'S MATE」を読む。先日まで読んでいた「MIX」は読み終わってしまった。非常階段のノイズは相変わらずだが、アイドルの歌とノイズがマッチするのは「初音階段」でわかっていたが、その認識を新たにした。
続いてアシュ・ラ・テンペルの「ニュー・エイジ・オブ・アース」を聴く。
アシュ・ラ・テンペルは、後にニューヨークの伝説のディスコ、パラダイスガラージでヘヴィープレイされる「E2-E4」を生み出したマニュエル・ゲッチングを中心に、1970年西ベルリンで結成されたロック・バンドで、クラウトロックの代表的なバンドであり、アジテーション・フリー、アモン・デュール、タンジェリン・ドリームなどと同様、当時のサイケデリック・カルチャーの影響を大きく受けていた。英米ではピンク・フロイドなどとともにスペース・ロックに分類されることが多い。初期の作風は瞑想的な 即興ロックだったが、後期にはテクノの原型ともいえる作風となった。1988年にイギリスでアンビエント・ハウスが流行し、さかんにサンプリングされたことにより再評価された。
「ニュー・エイジ・オブ・アース」は1976年の作品だが、アンビエント・ハウスを聴いてきた耳には、ハウスとミニマルミュージックのスティーヴ・ライヒを合わせたような音作りがされている。シンセサイザーやシーケンサーとギターフレーズの積極的な同期を試みた、アンビエント、テクノ、あるいはニューエイジ・ミュージック的な作品である。ちょうど「FOOL'S MATE」でスタイル・カウンシルのインタビュー記事を読んでいたところで、その中でもハウスやアンビエントが出てきた。ちなみに、この「FOOL'S MATE」は1988年8月号である。
続いて、フレッド・フリスの「NOUS AUTRES」である。
フレッド・フリスは、1968年、ティム・ホジキンソンと共にヘンリー・カウを結成。1974年、初のソロ・アルバム「ギター・ソロズ」を発表。ヘンリー・カウの分裂後、1978年にクリス・カトラー、ダグマー・クラウゼと共にアート・ベアーズを結成した。1979年にはニューヨークに移り、ビル・ラズウェル、フレッド・マーと共にマサカーを結成。1980年代末期より、ジョン・ゾーンが率いるネイキッド・シティのベーシストとしても活動している。
「NOUS AUTRES」は1992年の作品で、ジャズ・ギタリストのルネ・ルシエとの共作である。フレッド・フリスは高校時代、「FOOL'S MATE」のバックナンバー(まだA4サイズだった時の)を集めていたとき、よく誌面を飾っていて、1979年のアート・ベアーズの「ウィンター・ソングス」はレコードで持っていたが、それほどの印象もなく、レコードは売ってしまった過去がある。惜しいことをしたものだ。

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