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お客様相談室で働いていた時の昔話

私は、結婚する前まで数年間某通信販売会社の「お客様相談室」で働いていた。結婚退職でその会社をやめたけれど、お客様相談室で5年間勤務して、様々なお客様の対応をした。

お客様相談室に入るまでは、ギフト対応やお客様の個人情報のデータ入力専門だったが、徐々に、お客様と直接電話でやりとりをして、注文内容の確認をしていた。

その後、「ペンさん、お客様相談室のメール対応チームに移動してくれないかなぁ」ということで、異動前に対応に関する教育を受けてから、職場を異動した。

今だから、笑い話になるけれど、慣れるまでには時間はかかるし、お客様からお叱りは受けるし、対応を間違えれば、メールから電話でのクレーム対応に切り替わる。

「もうやめちゃいたい」と上司に相談したこともあったけれど、「あのね、クレームをいれてくれるお客さんは、逆にうちへのご意見番で、会社の中や製品改良にもなるから、それなりの対応をすれば、きっといいことはある」と諭されて、残ることにした。

実際に話せる範囲とすれば、ベッドを購入したけれど、喜んで飛び跳ねていると、ベッドの足と底が割れた、購入したシャツを洗ったら、他の衣類にも色が落ちたから弁償しろ、入金したのに督促したなど......。

細かい事情をお聞きしてみると、ベッドに関しては、ご本人の体重がベッドの耐荷重に耐えれず、瞬間的な荷重によって割れたとか、色が抜けたシャツと色移りしたものを送ってもらい、同じロッドで作ったシャツで実験したところ、お客様での洗い方に問題があった可能性が高いなど。

さすがにシャツはお客様での扱いが悪いとは言えないので、こちらでのミスとして別のロッドで作ったシャツと色移りした服の弁償金支払いで対応したりと、他にもかなり対応に困ったことはあった。

一番困ったのは、入金問題。

今では、コンビニでの支払いに画面で「承認」ボタンをお客さんが押すことになっているが、私が勤務していた時は、店員さんが押すシステムだった。

いつまでも督促がくるというお客さんのクレームは1ヶ月以上解決に時間はかかった。なにせ、どこで支払いをしたか、支払い控えが残っているか、と聞き出しても「そんなの残っていない」の一点張りで、住所と支払い管理の担当の方とで、手分けして調べて、ようやく支払いをした店が見つかって、解決した。

ちなみに、そのお客様は、督促を解除して、お詫びの品と手書きの手紙を送ったが、二度と買い物をすることはなかった。

それより、クレームに繋がって、こちらが誠心誠意勤めて、特別手配をした品物があったとしても、半分しかリピーターにはならなかった。

今では、私は物書き業として法律に触れたりすることや、商品のレビューなどを執筆するようになったが、「なんじゃこれ?!」というコメントを書かれることは最近多い。(見ないようにはしていたが、たまたま見てしまった)

実は、この手のクレーム対応のおかげで、コンビニのレジの仕様が変わったり、生地の染料の質・耐荷重や塗料の品質などが向上している。

さらには、商品のタグにも細かい注意書きがされるようになったのも、お客様相談室からの声で向上しているという点はある。

その努力については、消費者さんには気づかれていない。
お客様相談室は「損だしストレス溜まっていくよね」と多部署の人に言われたことはある。

しかし、困った内容を対応して、報告を上げていくことで、品質向上や様々なシステム変更が行われて行っている。だから、逆に言えば、対応しているうちに面白い声も拾えるので、いいアイデア商品の誕生にも繋がっているから、数年間勤務した部署については、物書き業で、一部の読者からの誹謗については、スルーできるわけなのだ。

むしろ、ありがたいとさえ思っている。けど、スルー力がないと、きつい。

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