黙っていればいい人だったのに......

今回のnoteは、当のご本人は悪気があって書いたことではないけれど、事情を知らずにTwitterでつぶいたのではないかと信じ、書きます。

今朝、朝の支度をしながら、Twitterなどチェックをしていた時に、いろんな面で尊敬してフォローしていた方の一文で、「それはここでは書いてはいけないでしょ」という内容を見かけました。

ネット業界では音楽面で有名な方で、私の子供も気に入っていた方でした。
(名前は一切出しません)

「ネットニュースの誤字脱字の数すごすぎてヤバぁ...」

そのフォロワーさんらしき「お取り巻き」の方々がつぎつぎとリプをつけていたのですが、なんとその内容はひどいこと。

元ツイ主さんの書き込んだ続きは忘れて、すぐにフォロワー外しをして、ミュートをかけました。娘も、私の行動に何か気づいたのか、「何かあったの?電車に乗るから、あとでLINEいれてよ」と言われ、詳細を伝えました。

中高生の子にも影響力のある人ですし、娘は私がしていた仕事を知っています。娘からの返事は「こういうこと、わざわざ書かなくても、ネットニュースさんにこっそり教えてあげればいいのに。いい人と思っていたのに、残念」と。

少しボロボロの本ですが、ライター業の方なら、「記者ハンドブック」は持っていて、ある単語ひとつでも、漢字の使い方をチェックして、修正をかけていきます。

単なる漢字使いを調べるなら、漢字辞典を使っています。

「感情ことば選び辞典」「ことば選び実用辞典」はもっておくいいよと勧めていらした方の情報を元に、本屋さんで購入。「ことば選び実用辞典」は、何か気になる言い回しを探すのに、大変助かっています。

誤字脱字に関しては、「速報性」が重要視されるようになった影響はありますが、WELQ問題など信憑性にかける記事問題が出てきたので、編集担当はもちろん、校正・校閲ができる人はかなり重要ポジションです。

ライター側でも、誤字脱字や文章のゆれで、修正を減らしたり担当者の負担を軽減できるようにと、有料の校閲ツール(有名なところでは文賢)を使うか、Wordについている機能、無料の校閲ツール(精度は謎ですが)を使っています。

それでも、出す際には、目視と記者ハンドブックなどとの照らし合わせになります。もっと慎重にする時は、音読を3回ほどします。

では、ライター側でここまでしっかりチェックを行なっているのに、掲載時に誤字脱字が出てしまうのか?

紙媒体とネット媒体と両方での校閲をされている方の記事があったので、紹介したいです。

後半部分にネットニュースでの誤字脱字問題について触れているのですが、インタビューに答えてくださった校正と校閲を長年されている石田知之さんが取材に応じています。

紙媒体とネット媒体の両方で校正と校閲をされている方です。誤字脱字問題で常に大きな重圧と対峙する立場なのではという質問に、

「もちろん責任は大いに感じていますが、あえて割り切った言い方をすれば、1冊の本から誤りを完全になくすことは、何度読もうが何人で読もうがまず不可能です。それでも1人の校正者として万全を期すしかありません。少なくとも、その記事を書いたライターに下を向いて歩いてほしくないという思いで、日々原稿と向き合っています」(石田さん)

この答えに胸が熱くなりました。こういう校正担当の方がいらっしゃるということは、ライターにとっては、励みになるし、もっと良記事を書きたくなるのです。

ところが、最近校正・校閲の専門の方が減ってきていて、インタビューに登場した石田さんでもこのインタビュー時(2018年)は41歳。

後に続く校正・校閲専門の人が減ってきていて、死活問題になっているという指摘はあります。

編集担当さんも大切な存在ですが、校正と校閲ができる人も貴重です。特にベテランさんが少ないのが実情なのです。

よく考えれば、大手出版社さんの仕事を引き受けた時、かなり細かい指摘を受けて、心が折れるほどに赤入れをされて、泣きそうになったことはあります。

それは外部に間違えた文字、脱字を出すことは、会社の信用を損ねることになるから、厳しくなるのは当然です。後でこのことに気づかされて、その当時の赤入れ記事は、しっかり保管しています。(ライター休業中だけれど)

まれに無駄な赤入れもありますが、後で編集さんがしていたのもあるので、誰がチェックしたかと悩む時はあります。

私も、過去記事で自分で読んでみて、誤字脱字に気が付いて、修正をお願いしたことはあります。それぐらい、いくら校正・校閲を通しても、通ってしまうことはあるということです。

もちろん、編集部の担当さんでも心安い人ならすぐに修正をかけてくれますが、お叱りを受けることはあります。

それは、こちらの責任もあるので、反論はできません。だけれども、その元ツイ主さん、かなりいろんな方面で影響力がある方なのに、聞きたくなかった言葉です。

非常に残念でなりません。

※追伸
実は、この記事を公開してから、二度誤字脱字の修正をしています。なので、なかなか一発でパーフェクト記事を書くってのは、大変ってことです。

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