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考えをリセットする時間

毎日、時計を見ながら、カレンダーを見ながら、スマホの着信を気にしながら過ごしていた。
小さな機械仕掛けの針が少しずつ時を刻んで行くけど
人生の時間は自分の心の針が刻んでいると気が付いた。

定年を迎えた日は、運動会のゴールの線をまたいだ瞬間
その翌日は電線に並ぶ燕が南の空へ旅立つ日
少し経つと、商店街の八百屋の犬やクリーニング屋の受付にいる猫
色々なものが時間の針になって行く。

会社では毎日のローテーションを誰かに与えられ
機械仕掛けの歯車のように止まれない時間
今ではひなびたカフェの陽があたる席で
アロマの香りを嗅ぎながら
腕時計を外している。

子供が巣立ち
夫婦の関係も少しづつ変わり始め
介護や老後の話題が増えてくる。

セカンドライフと言えば簡単だけど
生きてゆく姿が少しずつ変化を始める
時間を無駄にはできないのだけど
時間にとらわれず
素直な心に従いながら
真っ白いキャンバスに鉛筆を走らせているような
そんな時間が始まっている。

時計を変えた理由のように
自分の人生を変えても良いのでは?と
想う年齢になったのかな。


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