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️えのぐに触れる&素手で描く!ぺんてるのアートな入社式

みなさん、こんにちは。
新入学、新社会人、新生活の春ですね。
通勤中、新入社員かなと思われる方を見かけると、つられて背筋が伸びる気がする今日この頃です。

当社でも4月1日(月)に、2024年度入社式が行われました。その模様がこちら。

ぺんてる、ご乱心。
…かと思われそうですが、ご安心を。これは、こうやって使うためのえのぐです。
何がどうしてこうなったのか、今回はぺんてるのアートな入社式をレポートします!


初めて知る、えのぐの感触。いざ「ぺんてる体験」!


入社式というと、厳粛な空気の中で整列して偉い人の話を聞く、というイメージがあったものですが、最近は特色あるユニークな入社式をおこなう企業さんも多いようです。


2024年度、ぺんてるには33名の新入社員が入社。
本社大会議室で行われた入社式の午後のプログラム「ぺんてる体験」にて、全員で「ゆびえのぐ」を使ったグループ制作に取り組みました。

ゆびえのぐは、手や指で直接触って感じたままに描くことができるフィンガーペイント用えのぐ。えのぐの感触や色の混ざり具合そのものを楽しみながら、豊かな心をはぐくんでほしいというコンセプトで開発されました。幼稚園や小学校、お子さん向けのイベントなどで使われています。

そんなえのぐがあるなんて、初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。
新入社員に聞いてみても、ゆびえのぐに触れるのは初めてという声がほとんど。

ちなみに…新入社員の頃は、まだよく社内の空気感がわからないので、自社製品を使ったことないって言ったら怒られるかな?とか、他社製品を使ってちゃダメなのかな?とか心配することもあるかと思いますが、そんなことはありません!
自社製品も他社製品も、これからどんどん使っていきましょう。

マヨネーズのような容器から、えのぐを紙や手に直接、絞り出して使うゆびえのぐ。
学校で使ってきたえのぐといえば、パレットに出したものを筆にとって描くのがスタンダードで、あまり直に触れるものではありませんから、これは結構インパクトがあります。たぶん、授業中に手をえのぐまみれにしていたら、どうしたのかと驚かれるなり叱られるなりすることでしょう。

そんな「常識」からしてみると、えのぐの海に自ら突入していくというのは、やはり最初はためらいがあったよう。
しかし、これは普通のえのぐとは違う、ゆびえのぐです。
一度触れてしまえば、このとおり。

何かが吹っ切れたように、手のひら全体でえのぐを大きく塗り広げたり、混ぜ合ったり。
ぽってりとした、なめらかで心地よい感触を楽しみます。
新入社員同士、お互いの手にたっぷりえのぐを絞り出し合う姿も見られました。

机に敷いた大判の画用紙の、自分の目の前の範囲だけに描いていたのが、大きく全体を使って描いたり、グループのメンバーが描いたものを見てインスピレーションを受けたり。
そうして、「ぺんてるの未来」をテーマに、大きな1枚の絵をつくりあげていきました。

知り合って間もない同士ですが、文字通り手探りで描いていく中で、すっかり打ち解けて協力しながら絵を仕上げていく姿が印象的でした。

使用したえのぐの総量は、ゆびえのぐ約60本分=約40kg。
一般的なえのぐ(エフ水彩ポリチューブ入り)のチューブに入っているのが12mlであることを思うと、途方もないスケールですね!

ちなみに、ぺんてる茨城工場でえのぐを作っている様子は、こちらの動画からご覧いただけます。


新入社員の声

ここで、体験を終えた新入社員の声を聞いてみましょう。

  • 初めて触る「ゆびえのぐ」の気持ちよい感触がとても新鮮でした。ぽってりした質感が面白くて、無心になれる感じがして楽しかったです。

  • 一人で絵を描くのとはまた違って、みんなで一緒に手を動かすことでインスピレーションが湧いてきた気がしました。

  • えのぐを混ぜているうちに想像していない色ができて楽しかったです。何かの拍子に偶然生まれた形や表現を楽しめる製品で、とても素敵に感じました。

  • えのぐに触るのは高校生のときの美術の授業ぶりでしたが、久しぶりにこんなにはしゃぎました。みんなでいろいろな解釈をして、協力して一つの作品を作る体験ができてとても良かったです。

  • 笑いが絶えない時間でした。誰かに見せる絵ではなくて、自分たちが楽しむためにえのぐを使って表現するのは初めての経験でした。

  • 入社式に、ぺんてるの製品を使って同期と一緒に楽しめたことが純粋にうれしかったです。

新入社員たちにとって、とても印象深い入社式になったよう。
ゆびえのぐという、ちょっと変わった製品を使って、グループで取り組む体験だからこそ、得られたものも大きかったのではないでしょうか。

想いのままに描くことで、解放されるもの

ゆびえのぐを使ったこの体験は、2018年から行われている、ぺんてる入社式恒例のプログラム。
想いのままに手を動かして、表現することの楽しさやよろこびを身をもって味わい、その価値を実感してほしいという願いが込められています。

ぺんてるの製品には、学校で使うようなクレヨンやえのぐもあるわけですが、いつものえのぐセットと筆と画用紙を配られて、さあ、それぞれ描いてみましょう、という体験だったなら、まったく違った雰囲気になっていたことでしょう。
まず、何を描けばいいの?と戸惑ったり、様子見をしたりで、なかなか踏み出せないかもしれません。

ゆびえのぐは、とりあえず手につけてしまえば、手形をつけたり、擦りつけたりするしかありません。そうしているうちに、さまざまな形や色が生まれては、また移り変わっていく。
初めて使うものだから、上手いも下手もなく、細かいことは考えずに、ただ、思うままに手を動かして表現するという、シンプルな楽しさに立ち返ることができます。

何ができたかという結果だけでなく、その過程、その時間で何を感じたかに目を向けるのも、大切なこと。
思えば、子どもの頃は、砂場遊びや粘土遊びに夢中になっていたのに、大人になると、手を動かして何かをつくることから離れがちであることに気がつきます。
手を動かすといえば、もっぱら、スマホを撫でたり、キーボードを打ったり。自炊する人なら、料理もでしょうか。私も今日、やったことといえばそれくらいしか思い当たりません。

それも、できるだけ手が汚れないように、道具を使うなりして、間接的に触れるものですから、「手で味わう」ような体験は少なくなっていると感じます。
結果を得るための手段としてやっているだけで、その過程で感触を確かめたり、かたちづくったり、崩したり、手を道具として、手で楽しむことを、いつのまにか遠ざけてしまっていたことに気がつきます。

ところで、いま、「手を道具として」と何気なく書いてしまいましたが、考えてみれば、これもちょっと不思議な表現で、 ヒトは、道具を使うより先に手を使っていたはずです。
手でつくり、手で食べ、手で描く。
人類の歴史にしても、人間の一生にしても、最初は、何も持っていないところから始まっています。

だから、ゆびえのぐを使って素手で描くのは、初めての体験であっても、初めてではなく、私たちにとって、どこかで知っているはずのものといえます。
奥底にしまい込まれていたものが、解放されるよろこび。
ゆびえのぐは、もともと子ども向けに開発されたものですが、実は、大人を解放するものでもあるのです。

そんなわけで、これを読んでいるみなさんにも、ゆびえのぐで心を解放してほしいと思います。
とはいえ、なかなかに値の張るものですし、ビニールシートを敷いて養生したりといった準備も必要。なので、ひとつには、ぺんてるに入社してもらうと体験できます。(たぶん)

もっとお手軽には、久しぶりに手描きをしてみるということでも良いかもしれません。
手を動かして、何かを生み出していく感覚は、どちらも同じ。
きっと、なにかが解放されるはずです。

体験から広がる世界。新入社員のみなさんへメッセージ

さて、入社式を終えると、その後は新入社員研修が始まります。
各部署の業務内容や製品知識、ビジネスマナーなどを学ぶ日々。こちらのほうも、少し覗いてみました。

入社式から数日後、最近の取り組み例として、アートクレヨンのクラウドファンディング事例紹介の時間でのこと。
開発の背景や経緯の説明の後、新入社員一人ひとりにアートクレヨンのサンプルが配布され、その場で自由に描いてみましょう、ということになりました。

その様子を見て、正直、驚きました。
新入社員たちが、紙に塗ったアートクレヨンを指で擦って、色を混ぜたり、ぼかしたりの表現を、当たり前のようにしていたからです。

私が初めてアートクレヨンを触ったときは、普通に、軸を握って描くだけでした。手を汚さないように描こう、という、無意識の前提があったのだと思います。
だから、彼らがスーツの袖を捲って、クレヨンと指の腹を交互に使いながら描いているのを見て、はっとしました。

入社式でゆびえのぐにまみれていた、あの姿が重なりました。
手のひらにえのぐをつけて、指で紙に触れながら描く。
あの体験があったから、その感覚を覚えていたから、彼らにとっては、自らの手を使って描くことは、ごく自然なことに感じられたのかもしれません。

新入社員がアートクレヨンで描いた作品

体験したことが、それ自体だけでなく、他にも波及していく。
それが、身をもって「体験する」ことで得られるものなのだと思います。

もちろん、ゆびえのぐを体験したからといって、営業トークが上手くなるわけでも、画期的な製品をつくり出せるわけでもないと言われれば、その通りです。
今後、必ずしも、ゆびえのぐに関わる業務を担当するとも限りません。

しかし、あのとき入社式で、えのぐにまみれながら仲間と一緒に手を動かしたという体験、そこで得たものは、残り続けます。
そして、何かのきっかけで、自分の中から引き出すことができます。


当社に限らず、新入社員のみなさんは、これからいろいろな体験をすることと思います。
新しく覚えなくてはいけないことも多いし、「なんだこりゃ」と思うことも、これが何の役に立つのかと思うこともあるかもしれません。実際、すぐにそのまま役に立つとは言い難いこともあります。

ただ、知ったことで、体験したことで、ほんの少しだけ、何かが変わる。
仕事の上で、あるいは生活の中で、いつの日か、どこかで。
それは、形を変えて、あなたが生きる力になるかもしれない。

体験したからこそ、描けるものがある。
一人のぺんてる社員として、もし新入社員のみなさんに何か言えるとしたら、そんな一言を贈りたいと思います。


みなさん、ご入社おめでとうございます!


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