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音を並べて音楽をつくる

2021/11/17

p7
○ こばち
・ 全体的に間のつかい方がひじょうに上手になっています。
 ex. 「なにもない」と「ところからなにかがおわる」のあいだとか。
・「空に雲が浮かんでも」と「海に舟が浮かんでも」のフレーズは表現的工夫があったほうが聞き手を飽きさせないはずです。
・「なにもない ところからなにかはじめよう 〜 なにもない ところからなにもおわらない」の3行は肺の中にはいっている空気をきょくりょく少なくした状態で発語してみましょう。
○ れいな
セリフをマイクで発語するという想定がなされているのがとても良いですね。すると、歌、リズム、テンポの感覚がいっそうつよくなっています。

p8
○ こばち
・「振動するスマートフォンを手に取った。」以降はスピード感をもって、緊張が解かれた状態で発語してみましょう。

○ れいな
このセリフは動作する証言者を言葉で補完するような仕組みになっていて、セリフを発している鈴奈やこばちの肉体は動かないのだけど、声に身体性があるのがとても良いです。

p9〜10
○ のいず
電話越しに聞こえる声に対してどのような感情がいだかれているのかが明確になってくるとさらに良くなってくると思います。電話の声へ向ける訝しみは自身への訝しみになって返ってきます。
詩の文体を詩っぽく発語しないことが重要。文体が詩的だから、俳優が詩っぽく発語しなくても充分詩的になります。でも口語とも違う。口語的な舌づかいをできるだけ排したいですよね。ここでは隙はみせたくないです。

○ はるひ
奥行きを感じとることができました。ここまでのナレーターのセリフは平面的にならざるを得ないのだけど、ここにきて立体的な音楽が奏でられるのはとても良いです。
このページも、12〜13ページもひじょうに良い熱量の表し方ができていると思います。新境地って感じ。
この読みを生んだ「現実から飛躍した身体性」というのがどういうものなのか、それを立ち稽古でみられるのが愉しみです。

p10−11 「そうやって勝手に想像してみるのが……」は受検者「かれの声は老いた人……」と重ねて読みます。受検者のセリフよりも表現者のセリフが強調されているほうが好ましいです。なんてことのない生活の中の音の一つひとつに意味を見出して大事に並べていくみたいに発語してほしいです。音の一つひとつを並べて音楽をつくり出してしまう人。

p12-13
改行あるいは文字と文字のあいだのスペースの任意の箇所で、ナレーターが「なにもない」のひと言を挿入します。
宮澤大和

~おまけ~
先日、劇場近くの花園神社にお参りに行きました~。

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『インスタント・レアリスム』けいこば はこちらです
稽古場の様子を大木菜摘さんに書いていただきました。
https://note.com/pepepeclub/n/ne02063070bfa

【公演情報】
2021年12月 画廊の「ぺ」公演『インスタント・レアリスム』
期間:2021/12/17~12/19
場所:新宿眼科画廊 スペース地下
チケット:(チケット販売 11/20より)
   1. 立ち会って観(オフライン観劇)
   2. のぞいて観(オンライン観劇)
   3.セット券(立ち会って観 のぞいて観)
詳細:https://pepepepepe.amebaownd.com/posts/22307924

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