ぺぺぺの会

令和時代のあたらしいアートを作ろうとする「ぺ」のヒトビトのあつまり。 二十代前半の若…

ぺぺぺの会

令和時代のあたらしいアートを作ろうとする「ぺ」のヒトビトのあつまり。 二十代前半の若手メンバーから構成され、現在は、宮澤大和の詩を用いて、ポストドラマ性を強く打ち出しつつも、その潮流に収まりきらないような作品を主に作っています。

マガジン

  • めざせぺぺぺのさいこう傑作『斗起夫』

    2022年12月28日(水)〜12月30日(金)に上演する『斗起夫ー2031年、東京、都市についての物語ー』の創作過程をお伝えします。

  • 『インスタント・レアリスム』けいこば

    大木菜摘さんより、稽古場の様子をぽちぽち書いていただきました!

  • 『インスタント・レアリスム』 ができるまで

    2021年12月上演予定『インスタント・レアリスム』の、作品の立ち上がりを記録し、まとめています。

  • 『おばけばかり』/ラジオトーク集

    2020年12月に上演された、短編演劇祭『おばけばかり』。「ペペぺの会」「いいへんじ」「魔法の竹馬ミナもやん」の演出家たちをはじめ、俳優、さらには座組スタッフたちと、パーソナリティの佐藤鈴奈が、ラジオトークを行いました。

最近の記事

「幸せの証明書が欲しい」佐藤鈴奈

昔から「ナナ」って名前が好きでした。 ナナ、なな、NANA。 なんか親しみやすくて、可愛くて、つい呼びたくなる。 そういえば、NANAっていう漫画ありましたよね。全く違う生き方をしている二人の「NANA」が出会う話。 8月の斗起夫ワークインプログレスで、戯曲を書くときに登場人物にどうやって名前をつけるかという話をしたんですけど、ナナちゃんはどうつけたんでしょう。なんとなく「ナナちゃん」だなって思ったんですかね。 https://note.com/pepepeclub/n/

    • 「つづくことに抗えれば」石塚晴日

      朝起きて目覚めて伸びてトイレ行ってなんとなくお茶を飲んで化粧をして家を出るライフ ゴーズ オン頭の中を巡る職場に着く間も寒い中移動する合間も 夜眠り起きたら朝が来ることで、人生が続いていることを再認識する。ゲームで言えばただのコンティニューだった、ゲームを起動させなければいい、自分から起動するのをやめることなんて出来るのか、起きたら人生が続くことを強制的であると言い訳をする 目の前の彼女は、そのことに悲しんでいるみたいだった。 「放埒な二十代。しかし三十代に向けて、自分は

      • 「らしさがこんちくしょうを抱えている」小澤南穂子

        わたしは、今回十和田という映画監督の役を演じます。 戯曲を初めて読んだ時から、この役のキーワードに、直感というものがあると思っています。 台詞を読むと、十和田は、1秒前に目の前で起こったことや聞いた言葉に、反応して喋っているように思えてくる。 だからこそ、言葉ですぐには伝えきれないことが十和田の中に溢れている。 俗にいう、「芸術家肌」というやつか。 と、少し棘のある感想も浮かべる。 冷たい目線で見ようと思ったら、わたしはとことん彼の敵になれる。 一人称へのこだわりの強さも、

        • 「瀧口エッセイ、2022/11/28 20:21 電車の車内にて」瀧口さくら

          2022/11/28 20:21 電車の車内にて これから、瀧口の演じる『ジャム』についてのエッセイを書きます。 『ムギ』を演じる舞さんとお話ししていて感じたことがいくつかありまして。 あ、そもそもムギとジャムって『ハタケ』っていうお仕事をしていて、ハタケは【簡単に言ってしまえば】男性の精子を体内で受精させて子供を産むまで面倒見るって仕事なんですけど、舞台は2031年の東京で、その【仕事の】呼び方がハタケってクソですね。いや野菜の畑を悪く言いたい訳ではないのですが、むしろ

        「幸せの証明書が欲しい」佐藤鈴奈

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        • めざせぺぺぺのさいこう傑作『斗起夫』
          20本
        • 『インスタント・レアリスム』けいこば
          5本
        • 『インスタント・レアリスム』 ができるまで
          6本
        • 『おばけばかり』/ラジオトーク集
          14本

        記事

          「ワイキキホノルルな〜いない」飯尾朋花

          「アロハ〜!!」 ハワイにて、さっきまでめっちゃ日本語喋ってたフラダンサーが、すっごい元気にハワイ語の挨拶をしてきた。右手の小指と親指を立て、こちらに向けて陽気に振っている。 絶対にアロハで返さないといけなさそうな雰囲気。 さながら夢の国の「ボンボヤージュ」、いや、返しを暗に要求するあたり「チャオ!」の方が近いかもしれない。 ここが舞浜であれば、ゴンドラに乗ってる他のみんなも少し気恥しそうに「チャオ...」と返してるし、夢の国なんだからというある種の吹っ切れもあるからわ

          「ワイキキホノルルな〜いない」飯尾朋花

          「公演に向けて思うこと」小林彩

           私が初めて『斗起夫』の小説版を読んだのは、今年の夏、ワークインプログレスの稽古が始まる頃。読んだ第一印象は重い、暗い、ということ。私はこの物語を理解することができるのだろうか、ということ。  けれど今回の12月の稽古が始まり、台本になったこの物語を読んでいくうちに、印象は全く違うものになってきた。私が今、この台本からイメージするものは、万華鏡。くるくると回しているうちに、模様が次々と変化していく万華鏡。あと、お祭り!登場人物たちが斗起夫を囲み、一つの大きな輪をつくっている

          「公演に向けて思うこと」小林彩

          「熱狂と冷静の狭間」中荄啾仁

          先日とあるミーティングの場で、 「祭りの中では、それを冷静に見るという姿勢でさえ祭りにノッた姿勢になってしまう」 と言う話題が出てハッとした。 熱狂の中では、それを冷静に見ようとする姿勢さえ、それは熱狂に煽られたものでしかない。 そして都市は混乱している。みんなが、各々に熱狂して生きている。 そんな中で私たちはどんな風に冷静でいられるだろうか。 知は、冷静になりたい私たちに非常に魅力的なものに見える。 歴史やデータは私一人では背負いきれない尤もらしさを担保して、世界を見つ

          「熱狂と冷静の狭間」中荄啾仁

          「百合さまと呼んでみることにした」松浦みる

          『センセイの鞄』 という川上弘美さんの小説が好きだ。 主人公ツキコさんと、ツキコさんの高校の先生である"センセイ"との恋のお話である。 ツキコさんが駅前の飲み屋のカウンターで 「マグロ納豆、蓮根のきんぴら、塩らっきょう」 と頼むと、隣の人も同じものを同時に頼み、 「趣味の似たひとだ」 と見てみるとセンセイであった、という再会のシーンから始まるが、 とにかく飲みの描写が多いのが好き。 飲むとき何を頼んだのかいちいち書いてくれるのが好き。 昼から湯豆腐食べてビール飲んでるのが好き

          「百合さまと呼んでみることにした」松浦みる

          「のいちゃんは、書くことにいっそうの心血を注ぎました。」熊野美幸

          熊野美幸です。 いかがお過ごしですか?寒くなってきたけれど... 風邪や病気になっていませんか? もし今、自分がツラいな苦しいなと感じているそこのあなた。 もう要らないと言うくらい、ご自愛してください。 怠けるのもご自愛です。ぜひ、ちいちゃいめんどいことから手放して、たまにはがっつり休んじゃってください。 さてさて... 私もついに、エッセイ担当が回ってきました。 ガクブル...!どうぞよろしくお願いいたします。 『自分の役について』 Q1. あなたはどんな役を演じ

          「のいちゃんは、書くことにいっそうの心血を注ぎました。」熊野美幸

          「自分の役について/働き者の「リリィ」さん」宇田奈々絵

          こんにちは!ぺぺぺの会には2年ぶりに出演します。 宇田奈々絵と申します! 自分の役について書きます! 私の役は「リリィ」という女性。 司会のお仕事をしながら『仲間』と言う組織のサロン運営をしています。 つまり彼女はWワーカー、2足の草鞋でお仕事をされています。 今回はそんな働き者(?)彼女のお仕事に注目してみました。 小劇場の俳優の多くは、他にもお仕事やアルバイトなど副業をされている方も多いです。 今回の作品の出演者も例外でなく、学校の先生、保育士さん、……などなど他にも

          「自分の役について/働き者の「リリィ」さん」宇田奈々絵

          「統べて認める/られる」小池舞

          書かなければいけないものほど書けない。 書くためにコーヒーを淹れ、焼き菓子を用意した。 思考はビタ1mmも働いてくれやしない。 逃げ道としての煙草を吸っていればよかったと思う。 判を押したような日々の繰り返しが嫌になって、映画館に逃げていた。 田舎のイオンシネマは空いている。 日中か、夜の変わった時間に行くと、2,3席しか埋まっていない。 世界一美味しいポテトフライが売っていたから、さみしさを紛らわすために食べた。 1席あけた隣の人が、おじさんだった。 おじさんはグレーのダ

          「統べて認める/られる」小池舞

          「東京の悪意」はぎわら水雨子

          評論家って一体なんだろう。 何かを評して論じる人。 ニュースを観ていると必ずと言っていいほど何かの評論家に出会う。 評論家だなあ、と思う。 そして、評論家たちが喋る言葉に耳を傾けているかというと、そうではないなあと思う。 評論家って何をもって評論家なんだろう。たぶん特に資格がいるわけではないだろう。 わからなさすぎて、中身が進まないまま7行目に突入してしまった。 この劇に出てくる平岡公威(ひらおか・きみたけ)という男は、評論家である。 そしてある意味一番ブレないというか、世

          「東京の悪意」はぎわら水雨子

          「斗起夫くんについて」新堀隼弥

          エッセイを担当する新堀隼弥です。 エッセイ…書けるかな…と思いつつ、今作品の思うところを書き連ねていこうと思います。 彼の出来事が主軸の今作品は、 斗起夫のカウンセラーを務める ますみによる『まとめ』であると私は思ってます。なので、斗起夫くんを理解するには、ますみフィルターを通す為、斗起夫くん以外の全ての人は本当の意味で彼を理解できないのだろうなと思ってます。 例えば、 斗起夫にとって、 父の存在は負の存在として記憶されているにも関わらず、 話を聞いたますみの『まとめ』は、

          「斗起夫くんについて」新堀隼弥

          『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑦

          「今作『斗起夫』について〜情報過多な今を表したい〜」 みやざわ:少し話が変わっちゃうかもしれませんが、動作とかで思っていること。 例えばNのセリフで「司会者が手をたたいた」というセリフがあるのですが、そういうのはいちいち言わなくてもいいじゃないですか。パンパンと手を実際にたたけばいい。 でも、それがいちいち言葉で発語されて説明されるって、なんかすごく、アイロニーかもしれませんが、今っぽくないですか。見ればわかることも、いちいち説明しないといけない。 例えばコンビニのお菓

          『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑦

          『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑥

          「今作『斗起夫』について〜より上演することを意識した戯曲をつくる〜」 なかじま:この8月のワークインプログレスまでで、小説を戯曲にするとお聞きしていて、この後に戯曲を上演作品にする調整があると思うんですけど、 戯曲としての流れや構成も皆でつくったのでしょうか。それとも宮澤さんがつくったのを戯曲として皆が読む形になったのでしょうか。 みやざわ:後者ですね。構成自体は小説と変えてなくて、シーンの順番も小説のままです。あとは何を削っていくかという選択の連続でした。 本当に最

          『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑥

          『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑤

          「今作『斗起夫』について〜この作品をあつかう集団って?〜」 さとう:このあたりで『斗起夫』について、内容のことや作り方でも構いませんので、感想や質問があったら、聞いてみてもいいですか。 じんぼ:このテキストを渡したときに、俳優陣を含めて意見交換はしたのですか。 みやざわ:渡してからは、1日30分ほど稽古の最初に、テキストから取り上げた1トピックを、車座になって「私はこう思います」という風に意見交換をしました。1時間くらいになることもありましたが。 じんぼ:どういう質問

          『斗起夫』ワークインプログレス座談会⑤