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「とびひって言われたけど家ではどうしたらいい?」薬剤師がお答えします。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。
はやとくです。

今回は子どもに多い皮膚の病気
『とびひ』についての内容です。

私は皮膚科の処方箋も受け付けている
調剤薬局に勤務しています。

夏の時期に多くなってる病気に
子どもの『とびひ』があります。

病院で処置はしてもらったけど
「帰ったらどうしてあげればいいの?」
を教えてもらっていない場合が良くあります。

今回の記事では
『とびひ』になった子どもをもつ
お母さんお父さんの

「薬はどうやって使う?」
「お風呂に入ってもいい?」

こんな質問にお答えします。

▶『とびひ』とは

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まず、『とびひ』がどんな病気なのか
簡単に解説します。

正式病名は
「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」です。

接触により感染し、
火事の飛び火のようにあっと言う間に広がることから
『とびひ』と言われます。
『とびひ』の種類は2つ
❏水疱性膿痂疹(子どもに多いのはこっち)
 水疱(みずぶくれ)ができて、
 びらん(ペロッと皮膚がむける)をつくることが多い。
❏痂皮性膿痂疹
 炎症が強く、かさぶたが厚い
子どもに多い水疱性膿痂疹について
かき壊した皮膚のまわりに小さなみずぶくれができて、
さらにそのまわりが赤くなってきます。
水疱の中は始め透明で徐々に膿が出てきます。

▶『とびひ』の原因は?

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あせも・虫刺され・湿疹などをひっかいたり
転んでできた傷に2次感染を起して
『とびひ』になります。

鼻の入り口にはさまざまな細菌がいるので
幼児・小児で鼻を触るくせがあると、
鼻の周囲から
とびひが始まったりします。
また、その手であせもや虫刺されなどを触ることで
『とびひ』になってしまうこともあります。

すり傷やかき傷、触りすぎたなど
皮膚の状態が悪いところ
『とびひ』ができやすいです。
かきむしって別のところに症状が広がるので、
早期の治療が大切です。

バリアや免疫、清潔が保たれている
健康な皮膚が『とびひ』になることは
少ないと考えられます。

▶『とびひ』のお薬

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軽症の場合は、
塗り薬だけで良くなります。

かゆみが強い場合は
新たな『とびひ』作らないために
かゆみ止めも一緒に使った方がいいでしょう。

広範囲だったり重症の場合は
飲み薬の抗菌薬も併用します。

■よくある処方(塗り薬)
抗菌成分のお薬+亜鉛華(単)軟膏

❏抗菌作用で原因菌の増殖を抑えます。
❏亜鉛華で浸出液の調整や患部の保護、
 炎症を抑えます。

普通の塗り薬は薄くて大丈夫ですが、
亜鉛華で浸出液の調整や患部の保護を
目的にしているので、
少し厚みを持たせて塗りましょう。

▶お風呂に入ってもいい?

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お風呂に入っても大丈夫です。
体や患部を清潔に保つことが重要なので
きれいに洗いましょう。

しかし、注意点があります。

■患部は優しく泡で洗う。
 水疱がある場合は破けないように
 シャワーの水圧も弱くしたり
 直接当てないようにしましょう。
■できればシャワーだけ。
 お風呂のお湯には雑菌がたくさんいるので
 湯船につからずシャワーだけ、
 もしくは短時間や患部を入れないように。

また兄弟がいる場合は、
『とびひ』になっている子を後にして
基本的には別々で入る方がいいとされています。

しかし、小さい子を別々に入浴させるのは
とても大変
ですね。

そんな場合は、
『とびひ』の子の体を先に洗ったり、
患部を絆創膏など保護したり、
入浴の最後にしっかり洗い流す、
タオルは別々にするなど

できるだけ浸出液がうつらないように、
残らないようにしましょう。

『とびひ』範囲が広かったり浸出液が多い場合は
やはり別々の方が安全です。

※重症度は入浴に関係してくるので
医師に相談しましょう。

▶その他のQ&A

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Q「何か保護したほうがいい?」

A:患部を直接かいてしまったり、
 浸出液を吸収させるために
 お薬を塗った上からガーゼなどで
 保護しましょう。
Q「プールは大丈夫?」

A:プールの水にも雑菌がたくさんいるので
 避けた方がいいでしょう。
 また不特定多数の子どもがいるので
 避けた方がいいでしょう。
Q「ほかに気を付けることは?」

A:手洗いをこまめにして雑菌が残らないようにする。
 爪を切って皮膚を傷つけないようする。
 汗をかいたらこまめにシャワー浴
 虫刺されやすり傷はよく観察しておく。

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今回はこれで以上です。
いかがでしょうか?

『とびひ』は乳幼児・小児がかかりやすく、
特に汗を良くかく夏の時期に多く発症します。
うつさない、うつらないために
体や患部をきれいに保つことが重要です。

わからないことがあれば
ドンドン医師や薬剤師に相談しましょう。

※主治医・薬剤師から別途指示がある場合は
 それに従ってください。
この記事は日本皮膚科学会やその他皮膚科医の見解
そして私の経験から作成しています。

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