生理にまつわる経済損失は7000億円!?生理の実態と職場でできる対策


身・心・場をととのえる、健康経営・ウェルビーイング経営支援のととのえです。

今回は過去自社HPには掲載したものの、noteに掲載していなかったヘルスケア記事の配信です。
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PMSや生理に伴う症状で仕事に影響があると感じている女性は8割以上。活躍する女性が増える中、理解の促進と対策が求められている分野です。今回は、生理に関する働く女性の実態調査を元に、企業や職場で推奨される対策、ヨガを使った先進的な取り組みとその効果について紹介します!

業績や生産性に直結:働く女性の生理

・生理前には、メンタルが不安定になり、眠気が襲ってくる。

・生理中には腹痛・腰痛・怠さに悩まされる。

こうした生理に伴う女性の体調不良は、仕事のパフォーマンス低下の一要因となっています。これは決して「やる気が足りない」わけでも、「体調管理がなっていない」わけでもありません。

生理前の一時的な心身の不調(PMS)や生理に伴う症状で仕事に影響があると感じる女性は8割以上1)であり、程度の差はあれ多くの女性が直面する心身の不調です。

バイエル薬品が日本人女性約2万人に行った調査によると、生理に伴う社会経済的負担は年間6828億円2)と試算されています。もはや生理は女性個人の問題ではなく、社会的な問題として認知され、理解の促進と対策が重要だと言えます。

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生理痛だけじゃない!生理前にも起きる症状の実態

◆PMSが起きる原因と実態

PMS(生理前の一時的な心身の不調)は、生理の約2週間前(排卵後)から起こる急激なホルモンバランスの変化が原因と考えられています。PMSの症状は多種多様ですが、「イライラする」「憂鬱になる」などメンタルの不調を訴える人が多いようです。3)

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人によって症状の程度に差があるのは、腸内細菌の差が関与していると最近の研究によって明らかになってきました。日本人では約50%の人がPMSの症状が出やすい腸内細菌を持っており、その人たちのPMSリスクは約2.4倍4)です。

◆生理痛の実態

生理痛の程度も人それぞれですが、「会社を休む程かなりひどい」と「薬を服用する程ひどい」を合わせると30%以上5)となり、女性にとって就業時の大きな問題となっています。全体的な傾向として、妊娠経験のない若い世代で生理痛がひどくなる傾向があるようです。

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同調査で生理痛に関連する因子を解析したところ、「年齢」「妊娠・出産経験」の他に「ストレス」を感じている人は生理痛のリスクが1.46倍高くなることもわかりました。

生理痛の背景には、子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患が隠れている場合もありますので、「たかだか生理痛」と侮ることなく、ひどい場合には病院に行くといった対応が必要です。

企業ができる対策とは:キーワードはヘルスリテラシー

多くの女性がPMSや生理に伴う症状を感じながら働き、仕事にも影響を及ぼしている中で、高いパフォーマンスを発揮する女性の特徴は「ヘルスリテラシーが高い人」です。

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本調査を行った日本医療政策機構は結果を受けて、企業が推進すべき対策として下記4つの取り組みを掲げています。6)

1)従業員のライフステージごとに必要な知識を提供する研修の実施

2)女性のヘルスリテラシー向上に繋がる相談体制の整備

3)定期健康診断に婦人科特有の項目を含める

4)短時間でも利用できる柔軟な有給休暇制度の整備(通院等がしやすい環境の整備)

生理に伴う症状に悩む女性自身が知識をつけ、対策をすることももちろんですが、男性や症状の軽い女性たちも含めてリテラシーを身につけ、理解することで、女性の社会進出やパフォーマンスの最大化に繋がるのではないでしょうか。

職場でヨガをしてPMS・生理痛対策

更に先進的な取り組みとして、「働く女性のPMS・生理痛対策にヨガが有効なのではないか?」と台湾で研究が行われました。

働く女性(20~45歳)を対象に、12週間/週2回/50分のヨガを職場で行ったところ、PMS症状や生理が仕事に及ぼす影響が減少7)しました。

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特に、“生理痛が仕事に影響している”人は53.1%から29.7%に減少しており、ヨガのもつ可能性は大きいのではないでしょうか。

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実践:PMS・生理痛に効果的なヨガのポーズ

研究では、職場で行えるようシンプルなヨガポーズと瞑想が行われました。このうち、特にベーシックな3つのポーズを紹介します。

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◆子供のポーズ(チャイルドポーズ)

1)4つんばいの姿勢になる

2)吐きながら、お尻をかかとへ、おでこをマットへ、両手を遠くに伸ばす

3)5呼吸〜10呼吸ホールド

効果:背中を優しく伸ばす/ガス抜き/副交感神経を活性化

◆下向きの犬のポーズ(ダウンドッグ)

1)子供のポーズになる

2)吐きながらお尻を持ち上げる(足は腰幅、手は肩幅)

3)5呼吸ホールド

4)吐きながら、子供のポーズに戻る

※きつすぎる場合は、かかとを上げて、膝を曲げて良いので、上半身を伸ばす

効果:背中とふくらはぎ・太腿の裏のストレッチ/全身の血流を良くする

◆コブラのポーズ

1)うつ伏せになる

2)脇を締めて、両手を肩の真下にセットする

3)吸いながら、両手でマットを押し、胸を開く

4)5呼吸ホールド

5)吐きながら、うつ伏せに戻る

効果:姿勢の改善/腰痛の緩和/腹筋のストレッチ/不安やストレスの解消

活躍する女性が増えている今だからこそ、PMSや生理に関する理解の促進と対策が求められています。まずは、女性のカラダ・ホルモンの仕組みについて学ぶこと、実際に症状に悩んでいる人は、簡単なヨガポーズから対策をはじめてみませんか。

【参考資料】

1)「ルナルナ」による生理痛やPMSの仕事への影響とピル服用に関するアンケート(調査実施期間:2020年1月10〜14日、調査対象:10〜50代以上の働く女性2094人)

2)Tanaka E, et al, J Med Econ, 2013; 1611):1255-1266

3)「ルナルナ」による年代別に見るカラダへの関心に関するアンケート(調査実施期間:2018年 2月16日〜19日、調査対象:10~50)

4)「女性医学専門家による新知見 エクオールを作れない女性のPMS(月経前症候群)リスクは約2.4倍」『ホルモンケア推進プロジェクト』, 2016年11月11日 http://hormonecare-pj.net/archives/info/press/79-2, 2020年9月15日閲覧

5)「働く女性の健康に関する実態調査」『財団法人 女性労働協会』, 2004年3月

6)「働く女性の健康増進に関する調査2018」『特定非営利活動法人 日本医療政策機構』,2018年3月22日 https://hgpi.org/research/809.html, 2020年9月15日閲覧

7)Int. J.Environ. Res. Public Health, 2016, 13(7), 721

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