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わたしのMP関節


去年の1月から手の親指の根元が痛く、4月になっても治らないので手の治療ならここがいいよと言われた病院に行ったところステロイド注射を打たれた。

注射直後の猛烈な痛みの後、違和感は減り数ヶ月してまた痛みがぶり返した。
(何故か注射された所の周辺が全く日焼けしなかった。そしてその後色素沈着した…)
だが、あの注射を再び受けるのが嫌で放置していたらコップを持つことすら痛くなってきた。

で、以前スポーツで靭帯を痛めたときなど何度かお世話になっていた整形外科へ行ってきた。

先生は第一声「MP関節っ」と鳴き、
スポーツをやっているが、同じ手の薬指の第二関節も違和感があると伝えると
「血液検査っ」と再び鳴いた。
隠れリュウマチとかも検査するらしい。

それにしても整形外科の患者さんの平均年齢の高さよ。
重課税国日本の未来に暗澹たる思いを抱きつつ皆さん健康であれ、と心の中で呟いた。(わたしも患者だったわ)

レントゲン待ちをしていると、一人のお爺さんが順番のことで受付の女性を困らせていた。
明らかに理不尽なことを繰り返しているのに、受付の方に対して「何度も言わなくても分かってる」とか、「ひとまずこっちの話を聞きなさい」など高圧的で聞いていてイライラする。

今朝、パートナーが「なんか、指にはめる武器ってなんだったっけ」と私に問い「メリケンサック」と答えたら、その即答ぶりにドン引きされた時の理不尽さを思い出す。
※正式名称はナックルダスターみたいです

メリケンサックはないけれど、わたしのMP関節が砕けようともアッパーカットのひとつも喰らわしてやろうかと拳を握ったそのとき、恰幅の良い中年男性の療法士さんが助太刀に入り、華麗なボディタッチを決めつつジジの丸め込みに成功した。グッジョブ。
そして握った拳は利き手でなかった自らの優しさにほっこりとした。
(わたしのMP関節っ)

レントゲン室ではいく通りかのポーズを要求され、その全てに応じていたが、両手をOKの形にして撮影したとき、指のささくれに気づいて少々恥ずかしい思いをした。

名付けて女王様の仮面ポーズ

で、再び診察室。
親指の骨が少し出ている、注射することもあるけど一時的に紛らわせるくらいだから、と言いながら痛いところをグリグリされた。
痛いってば。
なんで痛いと伝えたところグリグリしたがるんですかね!?先生方は。
レントゲンでリュウマチの所見が見られないから、血液検査どうしますかと問われ、それなら余計な血を流すこともなかろうと断った。

塗り薬とリハビリを、と言われ、えぇ…これリハビリいるやつなん?と訝しみつつ、とてもリハビリ患者さんが多いみたいなので後日という名のフェードアウトをかまそうとしたが、20分待てと言われシュンとして大人しく待つ。


20分後。
濱田岳(目元)をおしゃれヘアにした感じのマスク姿の療法士さんにタイマンで処置をしてもらう。 
動作確認のために彼とシェイクハンドをし、そこから力を込めたり、彼の前腕を握って上下に圧をかけたりした。
なかなか他人の手を握ることも少ない今日この頃、濱田岳の手は柔らかく温かかった。

日頃どのように身体を使うのかの確認であろうが、スポーツはしてるかと問われたため答えると、他にご趣味は、と問われ、わたくし混乱。
手を使うやつでしょうか、、、と一応尋ねてみたが、そうでなくても良いという。
何ぃっ!と思いつつ、読書ですというのもなんなので、パン作りとかです。と答えた。手を使うしね。
てか、本人が関係ないと思っているような行動の中に原因となるようなヒントがあるってことだよね?
知ってる。知ってるけどさ。
答え辛くないか。
何か場違いなこと抜かしそうで。

濱田岳は理学療法士だった。
握り込んだ指の角度を特殊な定規で測り、その後指にゼリーを塗って超音波を当ててくれた。
それをしつつ、指のことについて色々教えてくれた。
MP関節といっても、そもそもは靭帯を傷つけたことで痛みが起こっていると思われること、靭帯自体は3ヶ月くらいで修復するので、靭帯の損傷が原因の、別の痛みが起こっているのだろうこととか。(すまん岳、うろ覚え)
超音波タイムが終わり、再度指の角度を測ると少し深く握れるようになっていた。

リハビリ馬鹿にしてた。

ひとまず来週また岳に会う約束(リハビリ予約)をして病院を後にした。
(塗り薬をもらうのに30分かかった)

わたしのMP関節、治るのか?
というか、薬指の違和感はほぼスルーされたな。




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