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【映画の中の詩】『二人で愛を』 (1941)

おいでぼくのところに 恋人になろう

     "Come live with me and be my love"

クラレンス・ブラウン監督。ジェームズ・スチュワート、ヘディ・ラマー主演。
原題の「Come Live With Me」は16世紀イギリスの劇作家で詩人のクリストファー・マーロウの詩「牧人の恋」(“The Passionate Shepherd to His Love” by Christopher Marlowe)の出だしのフレーズです。
この詩はかなり有名で、さまざまに引用され、またパロディのネタにもされているそうです。
スチュワートは中程を省略して引用しています。全体は、

「牧人の恋」クリストファー・マーロウ (福原麟太郎訳)
さあ来て俺と住み、恋人になってくれ
そうして総ての愉快の証人になろう。
丘や谷間や谷や野や
峨々と連なる山並が与える愉快の証しに。

そこでは二人で岩の上に坐ろう
そして羊飼い達が羊を飼うのを見よう。
浅い川のほとりで、その川の瀬に合わせて
声の良い鳥が唄をうたっている。

そこでは、俺が薇薔の花床をこしらえてやる。
それから香の高い花束を千もこしらえてやる。
花の帽子と、それからカートル
てんにんくわの葉ですっかり縫取りしたのも。

一番細い羊毛でこしらえた外衣をこしらえてやる。
その毛は俺達のかわいい羊から取るんだ。
寒い時には、美しい裏のついたスリッパ。
純金の締め金をつけてね。

藁と木蔦の若芽の帯に
珊瑚の留め金、琥珀の鋲。
こんな愉快にお前の心が動くなら
さあ来て俺と住み、恋人になってくれ。

お前のたべる肉は銀の皿に入れる。
神々のお召しあがりもののようなごちそうだ。
それを象牙のテーブルにのっける。
それが毎日さ、お前と俺のために。

羊飼いの若者どもに踊ったり歌わせたりする。
お前の娯みに、五月の朝はいつでもよ。
こんな娯みに、お前の心が動くなら
さあさ、来て俺と住み、恋人になってくれ。

『英語の感覚』福原麟太郎 著

ヘディ・ラマーはフィルモグラフィーを見ると、私が子供の頃テレビの深夜映画劇場で観て記憶にある『サムソンとデリラ』(1949)に出ていた女優さんですね。

驚くのは後には発明家としても名を成したということです。Wi-Fi、Bluetooth、GPSといった無線技術の元となる「周波数ホッピングシステム」というのを開発した、そうです。

Hedy Lamarr




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