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【映画の中の詩】『セント・マーティンの小径』(1938)

主演チャールズ・ロートン、ヴィヴィアン・リー。
詩を朗読する大道芸人に拾われたホームレスの女スリは才能を認められ大道芸を抜け出しスター女優となる。
一方、彼女に去られた男は物乞いにまで落ちぶれていく。彼を立ち直らせようと女は自分の主演舞台の端役のオーデションを男に受けさせるが…、というストーリー。
『風と共に去りぬ』前夜の映画ですがヴィヴィアン・リーはすでに輝きを放っています。

オープニングシーンで朗読される詩はJ・ミルトン・ヘイズの「黄色い神の緑の眼」。いわゆる「劇的モノローグ」といわれるジャンルの詩で、ジョン・レノンの歌(「ノーバディ・トールド・ミー」)にも引用されていたりします。

ラストのオーデション場面で朗読されるのはラドヤード・キプリングの「IF」。
英国では非常に有名な詩でテニスのウインブルドン大会のセンターコートへの選手入り口にも
“If you can meet with Triumph and Disaster / and treat those two impostors just the same”
(もし汝勝利と災難とに遭遇し得て/然もこの二つの騙(かた)りを全く同様に取り扱い得ば)
の一節が掲げられています。

参考リンク:
『もし』キツプリング詩集 (岩波文庫 ; 1301) 中村為治 訳
https://dl.ndl.go.jp/pid/1193778/1/44

マイケル・ケインが読むキプリングの「IF」。


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