【サマリー】官民協働アクセレレータープログラムレポート in マダガスカル


【概要・趣旨】

* 背景:ドイツ国際協力公社(GIZ)とImpact Amplifier(南アフリカの民間企業)の協働案件としてImpact Amplifierがレポートを作成
* 案件内容:GIZの指針の下、Impact Amplifierがマダガスカルでの起業家育成アクセレレータープログラムについて、ロードマップやネクストアクションなどの企画戦略を作成

【マダガスカルにおけるエコシステム概要】
* 目下のフォーカスセクターは①agri-business ②textile ③micro finance 【詳細はp.45】


①Agri-business

 国民の70%がAgri-businessに従事しており活用可能な労働力が既に十分にある点、GDPの1/4を占める点現在輸入に頼っている分野が沢山ある点、地域の天候と地形からポテンシャルがある、ニーズとmomentumが証明されているため、十分に投資価値のある業界である。Primaly agricultureではなく、特にagricultureをより効率化させる・促進させる事業に焦点を当てることが望ましい。


②Textile

伝統と歴史の多い業界。南部アフリカ(SADC)とアメリカにチャネルを持っていれば成功が見込まれる(前例もある)が、多くが少数の財閥系家族によって支配されており、新規参入者への支援は少ない点が課題としてある(逆に言えばニーズであり、ポテンシャル)


③ Micro finance

国際機関などの援助を受け、着実に発展してきている(WBやUSAIDなど)。しかし、多くの支援先はより成長が見込まれる業界や成長著しい起業家ではなく、小規模の生活関連事業、一般消費財事業(small lifestyle businesses と general consumption habits)に絞られている。また、20%の金利を超過し、場合によっては、小規模の融資や与信枠で50%を超えているケースもあり、social missionに反していると思われる事例もある。



【民間セクターエコシステムの外観を考える際のフレーム】

以下の3つのセクターに分けられる。①直接的支援機関 ②一部直接的な支援期間 ③間接的支援期間

①直接的な支援: ファイナンスと構造的サポート
* ファイナンス:銀行、ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家、財団、マイクロファイナンス機関、公共資本市場、開発金融機関、政府
* その他サポート:インキュベーター、アクセラレータ、業界団体/ネットワーク、法律サービス、会計サービス、技術専門家/メンター、信用格付機関

②一部直接的な支援期間:政策、市場、人的資本、インフラストラクチャー、研究開発
* 政策:国家、州、地方の政府
* 市場:国内外の企業、消費者、流通ネットワーク、小売ネットワーク、マーケティングネットワーク
* 人的資本:大学、技術訓練機関からの支援
* インフラストラクチャー:電力プロバイダー、輸送プロバイダー、通信(モバイルおよびインターネット)、その他のユーティリティープロバイダー(ガス、水道)
* 研究開発:公的研究機関、私立研究センター

③間接的な支援:起業家文化の支援
* メディア、政府、学校、専門家団体、社会組織など


【マダガスカルでのケースTips】
* 小売業者をバリューチェーン内に含む、アフターセールス、潜在的な農業事業(一次農業を除く)のためのプログラム推奨
* 事業を投資に向けて準備し資本調達を支援する目的で、農業部門の集団が規模を拡大するという趣旨でローカルから専門家を招致する
* 既に存在するローカルチームとネットワークを持つことでさらにプログラム参加者が恩恵を受ける可能性がある


【プログラム概要詳細】

初期段階の18〜24ヶ月のプログラムを推奨(全8講座:インパクト及びファイナンスモデル、マーケット戦略、セールス・マーケティング、パートナーシップ、投資家ピッチプレゼンなど)p.56
6-10事業者を参加者として選択を推奨



【所感】

GIZ主導の下、Impact Amplifier がロードマップを描くとはいえ、Impact Amplifierもかなり外部のネットワーク・コンサルテーションを行うことを推奨しているイメージでした。

マダガスカルというまだ市場が整っていない地域にリソースを投下することで経済発展の向上を目指す案件として、日本と東南アジア圏の関係性、現在ホットなマーケットとして見られつつあるアフリカとの関係性に活かせるポイントがあるのではないかと感じます。

個人的には、多くの外部コンサル・アクターを巻き込みつつ行わなければなならないこれらの案件において、「だれがオーナーシップをとるのか」という点がプロジェクトでの大きな論点でありキーファクターであると感じています。

情報共有の幅・リソースのモビリティが大きくなりつつある昨今において、「現地で確実に最後までエグゼキューションを完遂できる人材」がまさに必要とされているのではないでしょうか。


本レポートは全100ページあまり。大変わかりやすい英語で書かれているので、興味ある方はさくっと目を通されるとさらに深いインサイトが得られると思います。

本レポートはこちらからどうぞ:



Cheers,



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