久しぶりに実家に戻る。もう何年ぶりになるだろう。
年老いた母に付き添ってスーパーへ、商店街へ。

気づかないふりをしていたけれど、小学校の同級生や顔なじみが沢山いた。
この町で生きてきた人、こんなに多いんだな。

隣のクラスの一番美人だった子、いつも校庭を転がりまわっていた男子、お調子者だった転校生。

未熟だった私たちのことを思い出す。
辛かったことも、嬉しかったこともあったな。

もやにかかったみたい、感情の粒しか思い出せないけれど。

みんなどんな風になっただろう。
見た目は変わって、美しくなった人、精悍な顔つき、疲れた表情。
中身はどんな風にかわったろう。

昔はうまく話せなかった子とも、今なら楽しく話せるだろうか。

相手のいいところを見つけて、悪いところを許すことを、私たちはきっと、昔よりできる。

私たちはみんな、成長した。

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