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『セックス・エデュケーション』シーズン3 EP6 挿入歌

Episode6の挿入歌一覧です。オープニング曲を除いて怒涛のナイジェリア回です。

1、『Under Pressure』 / Queen & David Bowie (1981)

オープニングの一曲。リリーの幼少期のシーン。自作の小説を周囲に咎められる彼女。時は移って現在、ホープ校長が朝刊に目をとめる。創作意欲を止めなかったリリーの小説が世に出て、「セックス学校」という蔑称がさらに人々の記憶に刻まれることになる。

最近なんかのCMにも使われていましたね。
歌詞はこちら(歌詞和訳)を参照しました。
リリーの欲望は高校生活において多少は解放されたものの、幼少期からの抑圧は続いている。

2、『Oyejo』 / Fela Ransome Kuti & His Koola Lobitos (1960年台半ば?)

エリックがナイジェリアの祖母の元で、家族団欒を楽しんでいるシーンで流れる曲。
 フェラ・クティ! アフロビートの創始者でナイジェリア出身。Fela Ransome Kuti & His Koola Lobitos は初期のバンドなようだ。

3、『Sweet Mother』 / Prince Nico Mbarge (1976)

婚礼参列の衣装を身に纏ったエリックが、この曲に合わせて鏡の前でダンスしている。かなりご機嫌。部屋に入ってきた母親が昔話をこぼす。エリックは上機嫌の中で「自分らしさ」を存分にだしたいと軽く発言するが、それは母親によって真剣に止められる。

 アフリカで最も人気のある曲、とある(wiki情報)。Prince Nico Mbarge自身はカメルーンとナイジェリアにルーツを持つ。有名な「ハイライフ」の曲である、とwikiにはあるが、まずハイライフという音楽ジャンルに筆者は馴染みがなかった……。ナイジェリア他西アフリカのポピュラー音楽なようです。母親への讃美を歌った曲なので、母親とのシーンにもさりげなく合う。

4、『Short And Sweet』 / Brittany Howard (2019)

「あなたの好きなものは?」と問われたグロフ元校長は、記憶を頼りに料理をはじめる。その息子、アダムも同様に自分の好きなものについて友人に問われた直後だった。一方、関係がややこしくなっているメイヴとオーティス、アイザック。

アラバマ・シェイクスのギター・ボーカル、ブリタニー・ハワードのはじめてのソロアルバムに収録されている一曲。歌い出しが「There are miles between us」、それからもぽつりぽつりと隔たりについて歌っている。いつまでも待っても時間に殺されるだけ、というシンプルに刺してくる曲。ここではグロフ元校長とモーリーン(奥さん)、もしくはグロフと昔の母、もしくはグロフとアダム、そしてアダムとエリック、そして最後の3人の3角関係の遠さ、すべて内包していると言えそう。甘い夢、というニュアンスで「Something short and sweet」という歌詞が出てくるが、それと料理の場面がマッチしている感じもある。優しい曲調が、グロフとアダム親子がアイデンティティの発見を後押しする。

5、『Fall』 / Davido (2019)

結婚式の会場でエリックはオバという青年と会う。「真のラゴスを見たくないか?」という彼に誘いにのり、車に乗り込むことに。式という伝統的な場を飛び出すと、そこには煌びやかな夜景が広がる。

Davidoもナイジェリア出身のシンガーだが、生まれは1992年、一気に「今」を感じさせる。この曲の「fall」は恋に落ちた様を歌っているのだとは思うが(後半の細かいニュアンスがよくわからない)、エリックのウキウキの反面、車内の面々の顔が怖く映り、エリックの行き先が不安になる場面である。MVの最初の場面も車内ですね。

6、『Joro』 / Wizkid(2019)

クラブの奥に進むと、各々が好きな格好をして音楽に身を任せている。エリックはここが自分の場所であると感じ、踊り出す。そこに背後から身を寄せるオバ。二人は向き合い、熱いキスを交わす。そしてそのまま朝を迎える。

Wizkidもナイジェリアのシンガー。激しくアツい愛を歌っている。「Joro」という擬音はなんなのかと思って雑なgoogle検索していたら、digりブログがありました……(インターネッツ最高!)
フェラ・クティの歌詞を紹介しているTapanuli Feverの記事にて、「joro, jara, joro」という歌詞について書いている。エグバ族のチャントらしい。

7、『Attention』 / Tiwa Savage(2020)

古いしきたりを重んじる祖母に、「彼氏がいる」とはまだ伝えられないが、「付き合っている人がいる」というところまでは話せた。小さな一歩を踏み出したところで、エリックはルーツである土地を離れる。車の中で、晴れやかな笑顔が徐々に消える。おそらく、「偽りたくない」という自分の気持ちの中に、アダムへの気持ちの変化が含まれていることに気がつき始めた。

Tiwa Savageの出身もナイジェリア。サビの歌詞は「If you don't give me quality attention attention / I might get it drom somebody else」で、気をつけてくれないなら、どこか他の人のとこに行くから、みたいな感じ。アダムの前では開放的になれていないことに気がつき、離れる、という選択肢が出てきている……。

EP7に続きます。

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