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私の詩(El Sventramento)

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スペインやポルトガルを舞台に、細菌やキリストの詩を書いています。こちらに掲載していきます。
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記事一覧

詩「台の上のカラッシウス」

「台の上のカラッシウス」 黒実 音子 ◆ この世の物質は、 地図の記号の様なものだ。 墓地の…

詩「ミサ・シネ・ノミーネ ~イキトスの水~」

「ミサ・シネ・ノミーネ ~イキトスの水~」 黒実 音子 ◇ 燭台と、その上を飛び回る蛾(ティ…

詩「ポリチェイラのミサ」

この詩の単語解説はこちらをご覧下さい↓↓↓ https://note.com/pezdetumba/n/ne59b9e3da38a

詩「大量に打ち上げられたヒトデ達の死骸に幸いあれ(アルガエのファド)」

「大量に打ち上げられたヒトデ達の死骸に幸いあれ (アルガエのファド)」 黒実 音子 ◇ やぁ…

詩「カルネ・レヴァーレの黒いナメクジ」

アリオン・アテル・三部作 「カルネ・レヴァーレの黒いナメクジ」 黒実 音子 ◇ ああ、 カル…

詩「クーフス・ポリタラミアの和声」

「クーフス・ポリタラミアの和声」 黒実 音子 ◇ ああ、尖度として突如現れ、 呆気なく消え…

詩「海藻L.ochroleucaとEchinus esculentusによる魂の罪の償い」

「海藻L.ochroleucaとEchinus esculentusによる魂の罪の償い」 黒実 音子 ◇ 海藻オクロレウカの生い茂る 暗い褐藻林に住むウニ達は、 豊富な餌に囲まれ、 巨大に肥え太る。 魂も自我も無い死人の髪の毛にも見える 黄土色の茎の海藻達が光を遮り、 太古の死骸である岩礁を 仄暗い魂の闇夜(ノーチェ・オスクラ・デル・アルマ)に 浸している。 水の上の霊の栄光。 人の住めぬ地(アネクメーネ)の虚しい神殿。 社会的な精製を拒絶する野生。 放線菌ストレプトミ

詩「ミゼレーレの聴こえない午前四時の礼拝堂のミサで・・」

「ミゼレーレの聴こえない午前四時の礼拝堂のミサで・・」 黒実 音子 ◆ 無限という数字は …

詩「ガリラヤの海 ~打ちひしがれる不幸から、焚火の前での幸福な団欒~QUIA VIDISTI…

「ガリラヤの海  ~打ちひしがれる不幸から、焚火の前での幸福な団欒~ QUIA VIDISTI ME, CRE…

詩「言葉の死骸」

「言葉の死骸」 黒実 音子 ◇ マラリア感染により、 破壊された臓物の死骸が 血中に漏れ出す…

詩「網から捨てられ、漁港の渇きにより死んだ」

「網から捨てられ、漁港の渇きにより死んだ」 黒実 音子 ◇ 網から捨てられ、 漁港の渇きによ…

詩「犬蠅」

「犬蠅」 黒実 音子 ◇ 蔑みの言葉を吐き出せ!! 湿度の高い沼地にその言葉は相応しい。 捕鯨船…

詩「ポルトガル牡蠣ⅡL'Œuvre de Dieu」

「ポルトガル牡蠣ⅡL'Œuvre de Dieu」 黒実 音子 ◆ アルカションに嵐が来る。 アルカショ…

詩「生活困窮者のファド Fado dos Pobres」

「生活困窮者のファド Fado dos Pobres」 黒実 音子 ◆ 泥の貝を食べ続けた者が 顎口虫症(ニャトストミアシス)になる様に、 貧困者は肺を蝕むその痛みを 戸口に招き入れるのだ。 貧困は吸腔(ソルベオコンチャ)の貝の様に肉体を蝕む。 その潰瘍を抱えて、 貧者は己の血を吐き出し、罵る。 ああ!!そこに慈悲など無いかのように。 苦痛に賄賂を渡し、 心臓に十字架を突き立て、 歯の無い梅毒と踊る。 詩人よ。 それを誰がご存知なのだろう? ああ、高官は追いやられた者を