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沢山の古楽系の演奏家に「なぜ後半はこんな奇天烈な旋律になっていくのか?」と問われた作品(バロック風のチェンバロ曲を作曲)

こんにちは。
葬儀のオルケスタ「墓の魚 PEZ DE TUMBA」
作曲家です♪

先日「墓の魚」
新作動画をアップしましたので、
お知らせさせていただきます♪

今回は、オリジナルで私が作曲した
「アリア」という
宮廷風(チェンバロ)音楽となります。

作曲家・黒実音子(私)
演奏者・山角倫代

今回の曲で使われている
チェンバロという楽器は、
ルネサンスバロック時代
活躍した鍵盤楽器で、
ピアノとは全く異なる
構造、音を持っています。

チェンバロ

残念ながらピアノが登場した後、
徐々に使用される事が無くなり、
メインの音楽舞台からは
姿を消していきました。

現代では、
この手の楽器を使用するのは
一部の好事家だけとなった訳です
(クラシックの中でも
古楽と呼ばれるジャンルが
この楽器の
主な活動の場です)

チェンバロは、ピアノと異なり、
複数の旋律を同時に鳴らした時に
(例えば対位法)、
その旋律の流れ(存在)が
ピアノよりも浮き出やすい・・

という特徴があると
私は思います。

なので、
チェンバロで奏でるべき曲
というのは存在し、
そこが作曲家の
こだわり処ですね。

「アリア」の楽譜の一部

ちなみに、この曲は
独立した小品という訳ではなく、
「コンキスタドール達の夢」
という作品集の中の
「役に立たない者達のロンド
(RONDÓ PELANAS)」

という歌曲の
前奏曲として作られました
(「アリア」というタイトルの作品は
「墓の魚」の作品の中に何曲もあるので
混乱の元です(笑))

「コンキスタドール達の夢のイラスト」

「コンキスタドール達の夢」
という曲集は、
コンキスタドール
(南米などを征服した白人の探検家達)
が主軸の話というより、

征服の悲劇と、混沌と、
それがもたらした物語・・

悲喜劇(トラジコメディ)的な
人間の文明そのもの・・

を扱った作品なので、
「第一の月」
「インテルメッゾ」
「第六の月」
と呼ばれる作品以外は、
直接はコンキスタドールとは
それ程、関係なかったりします
(ただし、ハワイ
ポルトガル移民と関係があります)

楽曲ジャンル形式もバラバラで、
共通項を詩的主題の中に
見出すしかなく、
なかなか難しい曲集です。

作品は以下の構成になっています。


◆「アリア」
今回のチェンバロ曲(バロック)

◆「第1の月 荒唐無稽な叙情  ~棺の犬~」
南米の過去の歴史を歌った曲(ファド)

◆「インテルメッゾ 神仰ぐ蛆の栄光を!! ~墓碑銘のタンゴ~」
南米を題材にした作品(タンゴ)

◆「第2の月 〜プエルタ・ティエラの色男〜」
スペインの遊び人の歌(ミュージカル)

◆「第3の月 鱈の賛歌」
ポルトガル漁師の歌(オペラ・ブッファ)

◆「第4の月 〜ジプシー女の大詠唱〜 {役に立たない者達のロンド}」
スペインのヒターノの歌(ミュージカル)

◆「第5の月 終祭唱〜モンパルナスの墓守~」
フランスの墓守の歌(ミュージカル)

◆「第6の月 過ぎ越し祭唱」
南米をテーマにした歌曲(サンバ)

◆「第7の月 〜夜の魂の島について〜[結詩]」
ハワイを舞台に死と命の営みを歌った曲(ハワイアン)

◆「アリア」
同じアリアが再度奏でられる(バロック)

さて、「アリア」の旋律は、
バロック風とは名乗っていますが、
主題の後半には
「墓の魚」独特
奇妙な(際どい)旋律へと
変化していきます。
それはつまり、
[この世の美しい海には、
常に腐敗した魚の悪臭が漂い・・]

という
私の全作品に共通するテーマ
そこにこそあるからです(笑)

他にも、この作品の楽しみ方としては、
前奏曲ですので、
この「アリア」の旋律(主題)が、
本編である
「役に立たない者達のロンド」
の中にも登場しています。
興味がある方は
そちらも
ぜひ、見つけてみていただけますと嬉しいです。
↓↓↓


という訳で、
本日は「墓の魚」
新作動画のご紹介でした♪

こんな作品を日本で制作していく
私や、
葬送のオルケスタ
「墓の魚 PEZ DE TUMBA」

今年も
よろしくお願いいたします~。




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