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5月3日(金)〜8日(水) 文フリとナーダム

5月3日(金)

昼はなんだか調子が悪くて寝ていたけれど、夕方から少し回復して作業をした。

山下泰平『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』、通称「まいボコ」を読む。

著者の山下泰平はもともとネットでコトリコ(kotorikotoriko)という名義で活動していて、昔からすごく無茶苦茶で面白い文章を書く人だったんだけどついに単著が出た。昔のブログは一度消えてしまっているのが残念なのだけど、残っているもので言うと、ツイッターのまとめのこれが好きです。

この本は、明治時代に庶民のあいだで圧倒的に人気だったけれど今では完全に忘れられてしまった講談速記本などの明治娯楽物語について紹介したもの。別に明治時代の人がみんな鷗外や漱石などを読んでいたわけじゃなく、僕らが普段くだらないマンガやアニメを見て笑っているように、明治の人もバカバカしい娯楽物語を読んで笑っていたのだ。
弥次喜多が大砲の弾に乗って宇宙旅行をするとか、身長と肩幅と奥行きが同じ長さという豆腐のような体をした豪傑が人をバッタバッタと倒しまくるとか、そんなバカバカしいけれど痛快な話がたくさん紹介されているのだけど、言ってみればONE PIECEとかだってそんなようなものだ。
現代のエンターテイメントで使われている技法やキャラのルーツも結構このへんにあったりするようだけれど、現代では明治娯楽物語というのは完全に忘れられていて、評価される前の浮世絵みたいな状態らしい(浮世絵というのは今でこそ芸術として扱われているけれど昔の日本では全然大事にされてなくて食器の包装紙とかに使われていて、それが海外で芸術として評価されたあと、評価が逆輸入されて日本でも大事にされるようになった)。
バカバカしい豪傑たちの話とともに、明治娯楽物語というジャンルの背景や変遷や影響もしっかり論じられている労作だった。


20時半頃に家を出て有楽町に向かう。今日は渋さ知らズのライブを見るのだ。
渋さ知らズ、大学生の頃から好きで、いっぺん生で見てみたいなーと思いつつ、ライブに行くのが面倒臭くて20年くらいずっと見たことがなかったのだけど、知人が行くというのをきっかけに見に行くことにした。普通20年も見に行かなかったら解散しているものだけど、渋さはずっとやっててくれててよかった。今年で結成30周年らしい。
今日行くのはラ・フォル・ジュルネというクラシックのイベントなのだけど、なぜか渋さが毎回出ているらしい。なので会場はクラシックをやるようなかなりちゃんとしたホール。こんなとこで渋さがやるのか。
初めて見る渋さ知らズ、迫力があってすごく良かったな。いつもイヤフォンで音楽しか聴いてなかったんだけど、実際のライブはダンサーとか芝居をしている面々がたくさん出てきて楽しく、総合エンターテインメントな感じで飽きさせない。
最後、アンコールをやるのかやらないのか曖昧でぐだぐだとした時間がしばらく続いて、完全に酔っ払ってるぽい感じの不破さんがなんか言ったりしてるけどマイクを通してないから全然聞こえなくて、それで最後に渋さ知らズの代表曲であるナーダムが始まって、ウオーッてアガったんだけど、最初のほうだけやってやめてしまった。うわ。もっとやってほしい……。メンバーが完全に退場したあとにもラーラーラーラーってサビを客席のみんなで合唱したり、そうしたら楽屋のほうからラーラーラーラーのメロディが少しだけ聞こえてきたりしたのに。どうも時間制限が厳しかったらしい。残念。また見たいな。


これからしばらくライブとか行くようにしようかな。見とかないとすぐ見れなくなってしまうし。

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