見出し画像

スタチンの効果を比較してみた。処方提案などに使えないかと・・・。

ちょっと古いが、2001年のNCEP ATP III Cholesterol Guidelines and Updatesでは、以下のような結果が発表されている。
※NCEPはNational Cholesterol Education Programの略。ATPⅢはAdult Treatment Panel third guideline for cholesterol managementの略のようだ。これの原著論文は見当たらないが、詳細はこのような形で公開されている。

 これによると、ロスバ > アトルバ > シンバ > プラバ > フルバの順でLDL低下作用が強いのが分かる。まぁ、おおよそ推測通り。
 でもこれではまだ不十分。例えば、ロスバの最低用量2.5㎎とアトルバの最高用量20㎎だとどちらが強いんだろう・・・。

 そこで、IFからデータをひっぱりだして、TC低下率とLDL低下率で比較してみた。n数や、投与期間、対象患者などに多少の違いがあるので厳密なデータではないが、目安にはなりそう。

 例えば、ピタバ2㎎で食事・運動療法を頑張っても改善が見られない場合、そのまま4㎎に増やすと横紋筋融解症(ミオパシー)のリスクが高まるので、ロスバの2.5㎎への変更を処方提案するなどの材料くらいには活用できないか。また、処方変更があった場合などに、コレステロールが上がったのか下がったのか推測する目安にもなりそうだし、患者との応対内容や血液検査結果などから、処方の妥当性を判断する材料にも使えるかも。

仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。