見出し画像

【"Tracing the Veins"】 曲目紹介① 田中慎太郎《水理を辿って》

2023年12月9日に作曲家の田中慎太郎さんとのコラボ企画の第2弾を企画しましした。前回の一回目公演から一年が経ちましたが、彼の音楽はさらに魅力を増し、その意志の強さにハッとさせられます。今回は曲集”永遠と一日”から数曲(前回の公演とは違う曲)、改作、新作を紹介させていただきます。そして、橋本信さんの新作とハウ・ワトキンス、ギヤ・カンチェリの音楽を併せて演奏させていただきます。どの曲も魅力的で、公演後に色々な夢に入りこんだ感覚になってくださると思います。

チケットお申し込みはこちらのリンクから可能です。

今回初演する新作『水理を辿って』について、田中さんからコメントをいただきました。

【水理をたどって】 ギヤ・カンチェリをコンサートプログラムに据える際、その音楽がこれまで辿ってきた歴史とは異なる、ある地点から枝分かれした別の歴史の可能性だと感じ、コンサートを”Tracing the Veins”と題しました(しかし私自身がその歴史を正しくトレースする力を備えていないために、いささか仰々しいタイトルをつけてしまったと少々後悔もしましたが)。この曲はコンサートタイトルから着想を得て、あるひとつの音を決定し、その起点から水脈をたどるようにひとつずつ次の音を決めていくことにしました。次第に要素は広がりを持ち、楽器を跨ぎながら受け継がれますが、途中で潰えるものもあります。その結果、スコアには蟻の巣のように数々の行き止まりが残されましたが、それが次のチャレンジのきっかけになると信じ、今後の創作への決意を新たに今年を締めくくりたいと思います。

田中慎太郎

公演詳細

Tracing the Veins
田中慎太郎 with Phidias Trio

日時 2023年 12月9日(土)
15時開演 (14時半開場)
場所 KMアートホール

チケット料金 
一般3000円
学生1500円


プログラム
ギヤ・カンチェリ
・18のMiniatures より

田中慎太郎
・水理をたどって(新曲初演)
・冬の朝に
・寒茜
・時灯
・夢を花筏に乗せて

橋本信
・Late autumn(新曲初演)

ハウ・ワトキンス
・Dream

出演
Phidias Trio
松岡麻衣子(ヴァイオリン)
岩瀬龍太(クラリネット)
川村恵里佳(ピアノ)

田中慎太郎(ギター)


田中慎太郎
音の肌触り・静けさをテーマに、モダンクラシカルからアンビエント、映像作品への楽曲提供など多様な形式での制作活動を展開。2018年、堀坂有紀とのユニット「静かの基地」としてアルバム「つきのふね」をリリースする。以降、バイオリニスト新村隆慶とのデュオ「詩音李」によるアルバム「夢は真冬の追憶のうちに凍る」のリリース(2021年)、踊りと演奏によるグループ「満月カルテット」による2日間公演「明月の夜」(2022年)など、コラボレーションによる活動も多数。2022年、室内楽アンサンブルによるソロアルバム「永遠と一日」をリリース。


Phidias Trio (フィディアス・トリオ)

ヴァイオリンの松岡麻衣子、クラリネットの岩瀬龍太、ピアノの川村恵里佳により2017年に結成。これまでの主催公演では、現代の優れたクラリネット三重奏の作品を取り上げるとともに、 オーストリア、アルゼンチン、ブラジル、チリ、トルコ、韓国、日本の若手作曲家の新作を初演し、 好評を博す。また、ハニャン現代音楽祭(韓国・ソウル)や、日本作曲家協議会主催「日本の作曲 家2021」等、数々のプロジェクトに招聘されている。2021年12月に出演した日本現代音楽協会 主催「ペガサス・コンサート vol.3」の公演の模様は、NHK-FM「現代の音楽」にて、2週に渡って放送された。
https://phidias-trio.com


お問合せ phidias.trio@gmail.com

主催: Phidias Trio


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?