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絶望から始まる哲学の道

アラフォー。独身。彼女なし。
投資資産は1000万円くらい。年収も1000万円くらい。

テレワークにより、出社は年に2,3回程度。
自室から出ることなく、だらだらと過ごす毎日。

趣味なし。
やりたいことも夢もない。買いたいものも。

以前はそうじゃなかった。
あれこれやりたい事があって、一つひとつを試していった。
ずっとそれに熱中した後、しばらくして、目の前の積み木がなくなってしまった。

元来、僕は人よりも欲求が少ないのかもしれない。
酒もタバコもギャンブルも、ついでに言えば恋愛にも興味がない。
何かに興味を持っても、ある程度まで堪能するとわかったつもりになって飽きてしまう。
死んでないから生きているというだけの毎日。

趣味がないやつは、結婚して子供を産めという言葉を聞いたことがある。
その通りだと思う。
自分以外の不確定要素を作り、それが強制的に様々なイベントを起こすことで、考えている暇をなくせば良い。
独身は、自分でほとんどの事を制御できるがゆえに、不確定要素がない。
目の前には暇という絶望が見渡す限り横たわっている。

とはいえ、僕だって趣味はあるつもりだったのだ。
一般的なレールを歩んでいる人よりも熱くなれる対象があるはずだった。
誤算だったのは、それら沢山の趣味が5年とか10年とかで完全に飽きてしまったことだ。

飽き性なのは分かっていたが、様々なジャンルを巡ることで死ぬまでは楽しめると思っていた。
けれど、目の前にある好きなことに集中しすぎて、全部食い散らかしてしまった。
周りにある残飯のかけらも全部掃除して、真っ白なきれいな部屋だけが残った。
もう一度、部屋を汚すのも気が引ける。
そこまでしてやりたいことなんてもう自分には残っていない。

人ひとりが住むにはちょっと広い白い部屋だけが残った。
ほとんど家具のない囚人のような部屋。

アラフォーになって、歳を感じるようになった。
とはいえ、人生の半分程度を歩んだに過ぎない。
まだまだ時間が限りなく思える。
目の前に広がるのは、暇という名の絶望だ。

僕はただただ恵まれている。
これまでの人生も非常に運が良かった。
ゆるい環境でゆるく生きているだけで、使い切れないお金が貯まる。
使う予定のない意味のないお金。
といって、引退できるほどの裕福なお金じゃない。

真っ白なガランドウの部屋の真ん中で、絶望から始めようと思った。
僕みたいな人間は、これから沢山増えるだろう。
だから、僕はもがきながら歩いてみようと思う。
他にやることも見つからないから。


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