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【観劇録】美女と野獣(2022年新演出版)

おはこんばんちは。最近、今更になって『ドラゴンボール』を読み返しています、Phillsyです。舞浜でやっている劇団四季の「美女と野獣」を観てきたので、簡単に備忘録として感想を。

超主観的評価

楽曲★★★★★
演出★★★★☆
ストーリー★★★★★

総合評価★★★★★

特筆すべき詳細

舞台が丸い!

とにかく、まず劇場に到着して席について思いました。めちゃくちゃ舞台が丸い。

舞台の様子
プロセニアムから舞台が半円状に飛び出しています。

劇団四季の「美女と野獣」の会場は、東京ディズニーリゾートにある舞浜アンフィシアター。2008年にシルク・ドゥ・ソレイユ専用劇場としてオープンしたものです。東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが、脱ディズニー偏重を試行していた時にできた一連の施設群ですね。

ただ、立地の悪さが祟ったのか、それとも単にシルク・ドゥ・ソレイユがそんなに求心力を持っていなかったのか大赤字。結果としてわずか3年後の2011年、大震災を期に撤退してしまいました。その後、一般貸しをしながら借主を探していたのですが、2022年から劇団四季が入居。『美女と野獣』が開幕しました。

さて、そういう経緯もあって、劇場の座席全体が半円状。もちろん舞台も半円状です。最初は面食らいましたが、よくよく劇を観ていると、これはこれで悪くないですね。

緞帳の奥の舞台装置は、普通の形で四角い(?)ので、S1席でも、背景の一部が見切れてしまう席の方が多そうです。
一方で、プロセニアム(舞台を囲む枠)から半円状に舞台がはみ出ている構造なので、臨場感があるというか、ものすごく没入感のある舞台に仕上がっていました。

見切れるとは言っても、もちろん舞台進行上見切れては困るものは、全て見えるように計算されているので問題なし。個人的には好き。

かなりの座席で背景装置の見切れが生じるが、演者との距離は近いので迫力はある。
字汚くてすみません。

楽曲やストーリーはご承知の通り良い

あまりに有名で、私から解説するまでもありませんが。

『美女と野獣』といえば、ボーモン夫人作の童話を、1991年にディズニーが制作したアニメ。後にも先にも、(長編アニメーション賞ではなく)アカデミー賞作品賞本体にノミネートされたアニメーション作品です。

ベッタベタな「純愛作品」であり、はっきりとわかりやすいストーリーながらも、陳腐ではない。伏線の張り方や挿話も、十分に面白く、かつ違和感もない。全く絶妙なバランス感覚ですね。

そして、それに加えて、なんといってもアラン・メンケンとハワード・アッシュマンのタッグによる楽曲が光ります。説明不要のメロディメイカーであるアラン・メンケンと、エイズにより若くして亡くなり惜しまれつつ「人魚に声を与え、野獣に心を与えた男」と称えられた作詞家ハワードのコンビ。

白雪姫・シンデレラを中心としたディズニー初期の黄金期に次いで、リトルマーメイドや美女と野獣、アラジンなどの珠玉の名作を連発し、「ディズニー・ルネサンス」と呼ばれる時期を作り上げた2人です。

ミュージカル版では、オリジナル曲に加え、「人間に戻りたい(Human Again)」など7曲が追加になっています。

※新演出版がなかったので、1995年版の音源です。

2022年新演出(上海版)が光る

そもそも、「美女と野獣」のミュージカル版は、1994年世界初演。ディズニー(シアトリカル・プロダクションズ)のブロードウェイ初参入作品です。翌95年から劇団四季のフランチャイズ公演が始まり興行的に大成功し、現在の四季・ディズニー蜜月の走りとなりました。

それを今回、上海ディズニーリゾートで2018年から2020年まで上演されていた新演出版を採用して全面リニューアル。曲も一部差し代わるなど、随所に大胆な変更が施されています。

やっぱり1番変わったのは、ベルのソロナンバー"Change in Me"が追加になったことでしょうか。曲名のとおりですが、これまで「何かが変わった(アニメ版邦題:愛の芽生え)」一本勝負で描かれていた、ベル自身の心情の変化(野獣の受容、受身の子供から選択する大人へ)が、より丁寧に描写されるようになった印象があります。あと、悪役の医者ムッシュー・ダルクが悪巧みをするシーンは、挿入歌の「メゾン・デ・ルーン」ともども丸々カットになっていてびっくりしました。

なお、そもそも曲名から、「何かが変わった」「愛の芽生え」(原題:Something There)と訳しブレがあるように、賛否両論ある歌詞の四季独自日本語訳は健在です(劇団四季では、こだわりなのか権利の関係か、歌詞の翻訳がアニメ版と異なっていることがほとんどで、よく四季翻訳とか言われています。)。

舞台転換や進行は、紗幕を分割して使い分けるなどしながら、極めてスムーズ。もちろん、ガストンのコンプラ大違反のキャラも健在。総体として、前評判と期待通り、非常に満足の行く舞台に仕上がっていました。

最後に

やっぱり、東京は、いろんなエンターテイメントがあって、とても楽しいですよね。ミュージカルも、四季のみならず、いろんなプロダクションが様々な演目を日々上演しています。

この前は、ZEROTOKYOに行きましたが、ナイトカルチャーも、国内では随一の街だなと思いました(諸外国と比べてどうかは分かりませんが……)。


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