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今年の定禅寺ジャズフェスがかなり厳しかった話

こんばんは。
もう先々週のことですが、9月10日〜11日に、仙台の老舗フェス、「定禅寺ストリート・ジャズフェスティバル(JSF)」を観に遠征してきました。

突然の規模縮小

今年は、コロナ禍を経て3年ぶりに開催。
ライブハウスでもなかなか観られないようなハイレベルな演奏が、市内各所18ステージで繰り広げられる……はずが、コロナ感染拡大を理由に、直前の8月18日に、大幅な規模縮小が発表されました。おそらく、8月5日に宮城県で「BA.5対策強化宣言」が発出されたのが、大きく影響したのでしょう。

ステージ数は18から7へ、出演団体数は273から98へと激減。出演資格は、メンバー全員が宮城県在住者であるバンドのみに限定、更に、合唱・コーラス・アカペラ等は禁止となり、「街中が音楽で溢れる2日間」とは程遠い状況に。コロナ前は、出演団体700組以上、ステージ92箇所、来場者数が70万人を数えていたので、かなりの規模縮小です。

本当は、色々と演奏を聴いて、そのレポをしたいと思っていたのですが、楽しむような状況ではないイベントになってしまっており、少し思うところもあったので、それについて。

難点①演奏クオリティー

出演団体数やステージ数はかなり絞られてしまったものの、その中でも熱いジャズセッションを聴くことができるのではないかと、ワクワクしながら仙台に足を運びました。

しかし、まず到着して唖然としたのが、演奏クオリティー。下がっているなんてものではなく、全く聴くに耐えない演奏ばかり。出演資格を、全員が宮城県出身のバンドのみに絞ったのが大きかったようです。

ステージ数が大幅に減ったことにより、どこも人が集中して大混雑していたものの、最初に聴いた5〜6演奏は、どれもこれも、お遊戯会レベルのものばかり。ちょっと唖然としてしまいました。

結果的に、7ステージ中、実質聴けるルベルなのは、メインステージの「勾当台公園市民広場」だけ。しかし、頼みの綱の、このメインステージも、厳しすぎる入場制限により、長蛇の列ができてしまっていたのです。

難点②近視眼的な入場制限

さて、メインステージですが、人の集中を予測してか、全員着席400名の入場規制をかけていました。「え?コロナ前に70万人集めていたイベントで、400席??さすがに少なすぎるのでは?」と思ったそこのあなた、大正解です。

メインステージ前は長蛇の列


ステージが減ったことにより、各ステージとも大混雑していましたが、特にひどかったのが、このメインステージ。当然、400人の入場制限では収まり切るわけはなく、ステージ前には長蛇の列が。

どういう議論があり、どういう意図で400名としたのか全くわかりませんが、会場前が密になっていたのは間違いありません。しかも、1時間以上並んで中に入ってみると、これ。

中は椅子さえ置いていないスペースが、がらんと広がっています。どういうことなのでしょうか。全くわかりません。ざっくり決めた人数でざっくり人数制限したところ、外は大混雑で密になり、中はスカスカで十分な人数に演奏が行き渡らない。最悪ですね。

運営はもっと考えるべきなのでは

ジャズフェスは、宮城県と仙台市の共催になっているので、県としてBA.5対策強化宣言を出している以上、この制限はやむを得なかったのかもしれません。突然の、1ヶ月前の計画変更で、準備時間が足りなかったのかもしれません。

ただ、正直にいうと、今回のジャズフェスは、その30年のブランドに傷をつける非常に残念な回だったと言わざるを得ません。素人目に見てもアラが目立ったし、途中まで動き始めていて、3年間のブランクというプレッシャーがあったかもしれないけど、正直、中止の英断があってもよかったとも思います。

「制限はあったけれども、今年は開催できてよかった」なんて言わないでほしい。今回は明らかな失敗です。これを辛酸として、来年からは元通りのジャズフェスであってほしいと思いました。

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