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Jul.14.2017

katharsis


Mr.Childrenのライヴを見てから、1ヶ月が経った。あんな衝撃的なライヴ、ここ何年も見てなかったんじゃないか。私にとって、決定的なライヴとなった。
前回彼らのライヴを見たのは8年前。2009年のホールツアー、終末のコンフィデンスソングス以来の、Mr.Childrenである。

私は当時の私史上での「幸せの絶頂」にいた。その時に見た景色は忘れられず、ミスチルと聞けば、その当時の甘い思い出を振り返っていたほどだった。しかし当時の私はたかだか17歳。若気の至りだったといえばなんだか許されそうなものだが、その「幸せ」と呼べたものが掌から溢れた時から、地に落ちて砕けてしまった時から、私はその当時の記憶を、苦々しく思い出すようになってしまっていた。もう、何年も。その当時以上の幸せなんていくつも、抱えきれぬほど手にしてきたが、それでも、その当時の記憶は、私を過去に縛り付けたままだった。25になって尚、ティーンエイジャーだった頃の記憶に怯えていた。ミスチルが、楽曲が、パンドラの箱の鍵だった。

だからこそ、Mr.Childrenが好きだと思いながらも、あまり深く踏み込まないようにしてきた。踏み込まないどころか、少しずつ遠ざかっていたとも言える。全ては自分の今の感情を守るために。自分自身の過去に振り回されて、苦しむことのないように。
それが少しずつ、前に進み始めたのが今年のはじめだった。ミスチルの新曲にふと耳がいって、素直に欲しいと思えたのはいつぶりだったろう。ラジオから流れていた「ヒカリノアトリエ」に、気づいたら涙していた。その時の私に、過去はなかった。今の私が、シンプルにMr.Childrenが好きだと思っていた。そうこうしているうちに、友人が6月からツアーが始まるんだけどね、と誘ってくれた。悩みもせず「行きたい」と答えていた。

そうして迎えた6月10日。6月初旬、名古屋、Mr.Children。私にとってこれ以上に過去と深く結びついた単語はなかった。多少の荒療治となれど、この一回が特効薬になるかもしれないと思う心も無いではなかった。結果は、期待以上という他ない。めまぐるしく、この25年を奏で歌うMr.Childrenを前に、惜しげもなく披露される、何度も繰り返し聴いて体に染み付いた楽曲の数々を前に、私はただ呆然と、止めどなく涙を流しながら、過去のしがらみを洗い流していた。ライヴ中なんども、苦い思い出が頭をよぎった。苦しみながら、それでも目は離したくなくて、全部自分のものにしてしまいたくて、もがいた。神様が全部わかっていた、みたいなセットリストだった。
終わってから、全部に意味があったのだと、ものすごくスッキリした気持ちだった。溢れ出るアドレナリンで、思考をなんとか整えるために、友人にひたすら喋っていたのは申し訳なかったとは思うけど。7年かかったことにもきっと意味があった。やっと私は過去をちゃんと過去に返してやれた。私は私を今に引っ張り上げてやれた。いや、ミスチルがしてくれたと言った方がいいかもしれない。

今改めて、私は、Mr.Childrenが好きだ。

文章作成と思考整理のリハビリ中です。他愛もない日記のようなものですが、読んでいただけたら幸いです。